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YURIホールディングス×ブラウブリッツ秋田 新春特別対談

ピッチ上では語られない選手やスタッフの思いに迫るインタビュー記事を、絶賛配信中の「ブラウブリッツ秋田 公式note」。今回は当noteの「YURIホールディングスPresents プレイヤーズヒストリー」に協賛いただいている「YURIホールディングス株式会社」代表取締役の須田哲生さんと、株式会社ブラウブリッツ秋田の代表取締役社長・岩瀬浩介の新春スペシャル対談をお届けします。
組織の出発点や地元への思いなど、ブラウブリッツ秋田との共通点も多いYURIホールディングスさん。二人の話は大いに盛り上がり、それぞれの会社と秋田の未来に対する思いを語り合った時間は、あっと言う間に過ぎていったのでした。

(岩瀬)
本日はお忙しいところお時間をいただき、ありがとうございます。またブラウブリッツ秋田へ日頃からご支援ご協力をいただきありがとうございます。さっそくですが、須田さんがブラウブリッツ秋田のビッグバナーならびに公式noteへの協賛を決めた理由からお聞かせいただけますか?

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(須田)
否応なしに注目を浴びるプロスポーツチームのトップという立場にありながら、決して守りに入らない岩瀬社長の姿勢に共感したというのがひとつ。それに加えて観客席からは知り得ない選手の思いに迫る公式noteが、素直にとてもいい企画だと感じたことから協賛を決めました。私のような一般の人間でも、アスリートの言葉から学ぶべきことはいろいろあると思っていますので。

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(岩瀬)
励みになるお言葉、ありがとうございます。次にYURIホールディングスさんの事業内容について、私は存じ上げておりますが、公式noteの読者向けにあらためてご紹介いただけますか?

(須田)
私たちYURIホールディングスは、3つのものづくり分野の事業(電子部品製造、金属機械加工・装置製造、基板実装)と、スマートフォンや電気自動車に使われる2次電池の性能試験や、半導体を作る装置のクリーニングサービスといったソリューション事業(サービス事業)を展開しています。

(岩瀬)
傘下に入っている製造・開発拠点の多さにも驚かされます。グループ工場は秋田県内に4カ所のほか、ベトナムにもあるそうですが、設立から今日に至る歩みを簡単で結構ですのでお聞かせください。

(須田)
グループの歴史は、私の祖父が1955年、TDKの協力企業として電子部品を作る由利工業株式会社を設立したのが始まりです。その後、"電子部品を作る装置"を手がける部門を独立させ(秋田精工・1976年)、プリント基板の実装や組み立てを行う会社を立ち上げ(横手精工・1984年)、2015年にYURIホールディングスが誕生して現在に至ります。

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(岩瀬)
私たちの前身は1965年創部のTDKサッカー部。TDKさんには今もスペシャルスポンサーとして多大なるご支援をいただいています。御社も原点がTDKにゆかりのある企業ということで、ご縁を感じないではいられません。ところで、グループ内に株式会社がいくつも存在するホールディングス制を採用したのはどうしてでしょう。我々ブラウブリッツ秋田もトップチームや育成世代のアカデミー、普及スクールの運営、ソユースタジアムをはじめとした県内天然芝グランド4面を管理するターフ部門など、おかげさまで広がり続ける事業の分社化、ホールディングスを考える時期に来ているのでぜひお聞きしたいです。

(須田)
ホールディングス制を採用する前の当グループは、一人のオーナーが複数の会社をコントロールする組織でした。しかし年々激しさを増す世界との競争や、社会環境の変化に対応していくことを考えたとき、その組織形態では難しいと思ったんです。6年前に私がホールディングス制の採用を決めたのは、戦略本社と事業会社の役割分担を明確にし、個々が自発的に行動する組織を作るため。グループの競争力を高めていくためには必要な選択でした。

(岩瀬)
グループ全体で1500人近い従業員がいらっしゃる大企業です。大きな変革を、よく決断されましたね。

(須田)
先代より会社を受け継いですぐに、自分の中で現状維持ではなく、変化を恐れず前に進むという目標を掲げました。もちろん、これは過去を否定するとかそういうことではなく、以前の組織の良い部分は残して磨き、その上に自分の世代だからこそ成せる新たな価値を積み上げていこうと。創造に困難はつきものですが、秋田にサッカー文化を花咲かせようと突き進んでいるブラウブリッツ秋田の皆さんのように、今後も攻めの姿勢を貫いていこうと思います。

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(岩瀬)
変化や成長なくして発展はないと、私も常々社員や選手に話しています。最近では昨年のスローガン「秋田一体」をもう一年掲げ続けようという話が出た際、昨シーズン以上に秋田一体にならなければ成長につながらないとスタッフを説き伏せ、「超秋田一体」にしたということもありました。ところで須田さんは、今のようなマインドを昔から持っていたのですか?

(須田)
もともと好奇心旺盛な方ではありましたが、変化を恐れず前に進もうという気持ちを強く持つようになったのは、10年ほど前から異業種の方々と交流する機会が増えたのがきっかけですね。事業を成功に導いている方々のポジティブなマインド、それまでの私にはなかった視点や考えに触れて、とてもいい刺激を受けています。

(岩瀬)
ブラウブリッツ秋田にはフロントと現場がありますが、YURIホールディングスさんも言ってみるとフロント(戦略部門)と現場(工場)があり、私たちの組織と似た構造になっているように見えます。そのような中で、フロントにいる須田さんが現場との意思疎通を図っていくために、何か意識されていることはありますか?

(須田)
一方通行ではなく、互いに何でも話せる雰囲気の醸成でしょうか。そのためには会社と社員のエンゲージメントを高めていく必要があると思うので、努めて面談等に時間を割くようにはしています。理想はどの製品の裏にも哲学があり、あらゆる過程で質の高いコミュニケーションが行われる組織。私はYURIホールディングスを、数字だけを追いかける会社にはしたくないんです。

(岩瀬)
シンパシーを覚えます。プロスポーツは数字と結果がすべてという見方もありますが、私は試合の勝ち負けに関わらず、サポーターの皆さんに何かを伝えることができるプレー、次に期待を抱かせるゲーム内容を評価するようにしていますし、より良いチーム作りのために現場とのコミュニケーションを大事にしています。話は変わりますが、須田さんが今、最も可能性を感じているビジネスの分野は何ですか?

(須田)
秋田県全体の可能性の話になりますが、再生可能エネルギーです。秋田は恵まれた風況、広大な森林、全国有数の地熱賦存量、豊富な水資源と、再生可能エネルギーに関するポテンシャルが非常に高いエリア。今後この分野で先行することができれば、人々の注目を集められるだけでなく、ノウハウや知見を学ぼう、共有しようと世界中から才能も集まってくると思います。さまざまな分野で残念なデータが並ぶ秋田が一発逆転を狙うには、うってつけの材料だと思います。

(岩瀬)
それも踏まえて引き続き秋田で事業を展開していくにあたり、何か障壁になりそうなことはありますか?またそれを解消していくビジョンをお持ちであれば、ぜひお聞かせください。

(須田)
人手不足につきますね。ただそれも今まで人がやっていた作業を高性能なロボットに置き換えることにより改善し、人がもっとクリエイティブな部分に注力できる環境を築けば解消できると考えます。また逆転の発想で県外出身者や外国人を積極的に採用していけば、多様性のある企業文化を強みにできます。新しい環境のもとからは、今まで誰も考えつかなかったようなアイデアが生まれる可能性も出てくるでしょう。ですから秋田で事業を続けていくことに、不思議と不安は感じません。

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(岩瀬)
秋田にも御社のように力強く前を向く企業、そして希望が持てる分野があるということを、もっともっと広めていきたいですね。ところで人材の採用にあたっては、どういった評価基準をお持ちですか?

(須田)
人間性や価値観などを特に重視しています。知識やスキルについては、あとからいくらでも高めることができるので。新しいことに臆せずトライする気概を持ち、そして決断したら真っすぐ突き進んでいくタイプの人は、どんどん採用していきたいです。

(岩瀬)
臆せずトライする気概。我々ブラウブリッツ秋田の"AKITA STYLE"と一緒ですね。須田さんとはお酒がなくても、こうした話をずっとできる気がしますが、ここは酒どころ秋田です。次はぜひ美酒を酌み交わしながら、秋田の未来について語り合いましょう。

(須田)
ぜひぜひ。お誘いお待ちしています。

(岩瀬)
本日は組織の運営に関するヒントが随所に散りばめられたお話を伺うことができ、大変勉強になりました。この地でブラウブリッツ秋田も前へ前へと突き進んでいきますので、ぜひ須田さんも秋田へ希望の種をまき続けていってください。そしてともに秋田の魅力度を高めていきましょう!本日はありがとうございました。

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YURIホールディングス株式会社
秋田県由利本荘市西目町沼田字新道下2-659
電子部品製造、機械加工・装置製造、基板実装・EMS、航空機部品製造の4つの事業とものづくりをサポートするソリューション事業の計5つの事業を行う。
https://yuri-hd.co.jp/

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