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関西遠征 淀川を歩く

名前が変わる!?

「さて、2016年はどこへ?」と、訪れた書店で見つけたのが『この道歩こうベスト40 関西周辺』という本。そこで紹介されていたのが、琵琶湖から流れ出す淀川に沿って歩く80km弱のコースでした。

読んでビックリ!淀川と宇治川は同じ川で、さらに滋賀県では瀬田川と呼ばれているらしい。名前が変わる川があるなんて知らなかったし、川は湖に流れ込むものだとばかり思っていました。疑問が渦巻きながらも行き先に決定。川の一生(?)を見るって、おもしろそうです。

1日目 行って良かった!延暦寺

京都駅前から乗り込んだバスがくねくねと曲がった山道を登って高度を上げると、眼下に琵琶湖が現れました。「おぉ~デカい!」感動しているうちに延暦寺到着です。

東塔エリアにある『根本中堂』は見事でした。燈明の光だけでぼんやりと照らされる内部は厳かで、京都の街で食べたかったあれやこれやの煩悩を振り切って訪れた甲斐があったというものです。

根本中堂は描ける気がせず、文殊楼をモデルに

坂本の町は美しい石垣が随所に見られ、石垣好きな私には歩くだけでも楽しい町でした。古くから栄えた場所で史跡もたくさんあり「延暦寺のこと、もっと勉強して来れば良かったな~」と反省。

ここで自分用に買って帰った、お菓子が忘れられない・・『大人のチョコボール』くらいの大きさで青のりがまぶしてある美味しいヤツ!

京阪電車に乗るつもりだったのに、素通りしてJR湖西線の駅まで行ってしまい表示板を見て「?」となりました。駅員さんに尋ねると「あれに乗って山科で乗り換えて!」とホームにいる電車を指さされたのでダッシュ!よくわからないまま、無事石山駅に到着です。
駅から少し歩けば広い瀬田川が目の前に。川岸にたくさん並んだ大学ボート部の施設を見ながら快適に遊歩道を歩きます。途中、紫式部とゆかりがある『石山寺』に寄りたかったのですが、暗くなり始めていたので立派な山門だけを見て先を急ぎました。坂本でゆっくりし過ぎたか!

2日目 平等院のち伏見の夜

宿を出てしばらくすると『鹿跳渓谷』という景勝地になります。広かった川幅もキュッと狭まって水が岩にぶつかりながら勢いよく流れていきます。
そこを過ぎ、宇治に近づくにつれ川はまた広くなってきました。

コンビニないと書いていますがコースから10分くらい外れたコンビニに寄ったのでした
ちょっとの寄り道も時間がかかる歩き旅です

天ヶ瀬ダムを過ぎて快調に下っていたところ、道路脇の斜面の下の方から子どもたちの歓声が聞こえてきました。樹々の間に目を凝らすと渡るはずだった吊り橋が見えています。ダムからすぐの分かれ道を曲がり損なっていたようで、このまま直進しても宇治の町には着くけど吊り橋は捨てがたい、でも戻るのは大変・・しばらく考えた結果ガードレールをまたぎ、急斜面を下りるという荒業で軌道修正。

宇治のあたりで川の表情が変わりました。「風光明媚ってこういうことか」と感じられ、もともとは別荘だった平等院がこの地に建てられたのもうなずけます。平等院のことは少し勉強しておいて良かった!いよいよ足を踏み入れ、まずはミュージアムへ。展示室には雲中供養菩薩像がふわふわと浮かんでいて(あくまでもそう見えただけです)その姿にすっかり魅了されてしまいました。描きたかったけどスケッチ禁止の注意書き有り。
平等院を後にして宇治川に戻ると、この辺りの川岸はきれいな砂地で林もあり独特な雰囲気でした。ひとつの川の色んな顔を楽しんで伏見に到着。

酒屋さんなのでもちろん購入、発送です
駿河屋さんのご主人が昔の周辺の様子を話してくださいました

3日目 伏見稲荷大社と石清水八幡宮

ホテルをチェックアウトする前に伏見稲荷大社に行ってみると、平日の朝から参拝客でにぎわっています。商売繁盛や五穀豊穣に御利益ありとのことなので、各方面の(?)実りを願って手を合わせました。

この日の昼食は『石清水八幡宮』で・・と軽く考えていましたが、川を渡る国道の橋のたもとにたどり着くのに一苦労。宇治川と合流が近い木津川、ふたつの川をまたぐ御幸橋を渡るのですが、この橋がまた長い!渡り切るのに10分くらいかかったでしょうか。ようやくたどり着いた八幡さまはこの年の2月、国宝に指定されたばかりのようでお祝いムード。なるほど立派な造りで見応えたっぷりです。

3つの川が合流してさらに増幅した淀川、この先今日の宿泊地の枚方まで橋が1本もなく、どの辺を歩いているのかわからないことが予想外に私を苦しめました。薄々感じていたつま先の痛みも本格的になり、良かれと思って履いていた5本指ソックス(ランナー用のいいヤツ)も脱ぎ捨てて普通のものに履き替え、午後はひたすら無心に歩き続けました。あと少し!と思えたのは枚方駅近くにある関西医大の建物が見えた時でした。駅前のホテルに到着後、すぐバスタブに水を張って足を冷やしましたが明日が心配です。

4日目 大阪湾へゴール!

心配していたつま先の痛みはずいぶん軽くなり、これなら大丈夫!いよいよ最終日、大阪湾目指して歩きます。

この日楽しみにしていたのはガイドブックに載っていた『赤川鉄橋』という歩道のついた鉄道橋。線路脇を渡れるなんてステキ!と思いながら着いてみると無情にも『閉鎖』の文字が。どうやら3年も前に閉鎖されていたらしいです。雨に降られながらも淀川河川公園は快適に歩けましたが、公園を出ると橋に出会う度になかなか苦労しました。どの橋も下をくぐれるわけではなく「こんなとこ通る!?」というような鉄橋の下も果敢に攻め、都会の橋の下のなんだかウラっぽい雰囲気も感じてできるだけ足早に通り過ぎ・・
どうにか淀川にかかる最後の橋『新伝法大橋』を渡って右岸の先の『矢倉緑地』突端まで歩いたところでゴール!!
バスで梅田まで移動しホテルにチェックイン、シャワーでさっぱりしたら夜の街へ。大阪在住の友人が乾杯につき合ってくれることになっています。

5日目 梅田周辺をウメグルでめぐる

「はて、この日の朝食どうしたんだっけ?」と思ってホテルのHPを見たら記憶が蘇りました。ホテルのロビーでビジネスマンに混じってクロワッサンやコーヒーを頂いたのに、不覚にも絵はありません。

ずっと歩きだったので自転車のスピードが新鮮

旅のシメをたこ焼きにするか豚まんにするかでしばし悩みましたが「福岡では買えない」という理由で豚まんに軍配。満足して帰路につきました。新幹線でビール片手に旅先の美味しいものを食べる幸せ・・早く復活させたいものです。

歩いてみたら

こうして振り返ってみると神社仏閣巡りを楽しんだ様子です。マニアックな場所に心惹かれる習性がある私は超有名な延暦寺や平等院に行きたいと思ったことはありませんでした。今回、近くを通るなら・・と行ってみたら「有名どころにはそれなりに人を惹きつける魅力がある」ということに気づくことができました。それがこの旅の大きな収穫だったように思います。

ごほうび到着!


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