改めて感じた人の優しさ

大丈夫じゃないときほど「大丈夫ですか?」と尋ねられると「大丈夫です。」と答えてしまう。いつからついた癖なのか、日本人特有のものなのか、それは分からない。人に助けを求めることは恥じることではないと頭では理解していても他人を頼ることは私にとって難しいことなのだ。


昨日もそうだった。


夕方、支払いや引き落としのためにコンビニに向かった。外は涼しくなってきたかどうかぐらい。元々暑いのは苦手で、熱中症にならないよう自転車で出かけるなら基本夕方にしている。だから昨日もその時間帯にした。

いつも使う場所とは少し離れたコンビニ。歩道も整備されてる、もしかしたら1番安全かもしれない。そんなルートを選び目的のために自転車を漕いだ。


違和感を感じたのは支払いの最中。

レシートと支払いの伝票(のようなもの)を取り間違えそうになった。初めてだ。そんな事したことない。少し息が苦しい気もする。自転車に乗った後、すぐにマスクを付けたから…仕方ないな。早く帰ろう。

そんなことを考えながら買ったものをリュックに入れた。

外に出た瞬間マスクを取る。

やはり息苦しさが残ってる。でも幾分か楽にはなった。水分補給をして自転車の鍵を開ける。あれ?おかしい。違和感がある。立ちくらみをしたのだ。

「…貧血かもしれない…早く帰ろう…」と考える自分と冷静な自分が"もしも"のために帰宅ルートにある公園を探す。

まだマシなうちに帰り、リビングで倒れれば何をするにも手が届く。事故らずに帰る。それが今のミッションだ。



いま思えばこの時点で判断力はかけつつあった。しかし、まだ動けたため信号は渡りきったのだ。するとどうだろうか。急に目の前が真っ白になった。



あぁ…これは…貧血だ……



そう思った時には自転車ごと倒れていた。


場所は歩道。確実に車は来ない安全な場所。よかった。手を擦り、痛みはあるが無事である。


「とりあえず、自転車がこのままだと他の人が通れない。通れるようにしとかなきゃ…」その一心で立ち上がり、自転車を持ち上げた。持ち上げたはいいものの、ストッパーを下ろせない。

もういい。反対側に倒しておこう。ついでに座って回復したら帰ろう。今は動かない方がいい。危ない。


多少は思考力が回復していた。


座りながら傷を見ることにした。足は大丈夫か。痛みはあるが、ジーンズは破けていない。夏でも長く丈夫なものを履いていたために傷はないようだ。

さて、手はどうだろうか。左手は小指の付け根だけ。足の次き着いたのだろう。3本ラインの擦り傷か…うん、某スポーツ用品メーカーの靴のような綺麗な3本ラインだ。さて、1番頭のある右手は…あぁ、親指の先端がエグいな。手のひらは擦れたぐらいだが、先端の皮が…初めて見た…ここまでの怪我…まぁ、縫うまでもなく治りそうではあるか。

問題は見えていない顔に傷があるかどうかだ。怖いが、一応確認しておく。………あ…頬骨あたりが擦れてる…ただ、擦れた程度。後には残らなそうだ。


回復するにも30分ぐらいはかかりそうだ。経験でざっと時間を出す。日差しが当たり暑いが、そこまでの暑さは感じていない。夕方でよかったとこの時思った。



車通りの多い場所に座っているため、車の中から声をかけてくれる人はいた。「大丈夫ですか!?」と。本当に大丈夫とは言えないが「大丈夫です」と返す。心配してくれる有り難さと恥ずかしいと思う気持ちの葛藤だ。自転車で通る人にも声をかけて頂いた。返事はできる。毎回大丈夫と返す。少し経てば。少し経てば、回復する。本来は寝っ転がった方が良いのだが…と思った矢先、駆け寄ってくれる人がいた。


手にはスポーツドリンク。心配してくれたのだろうか。優しそうな雰囲気の漂う人だった。有難い。「よかったら飲んでください。」そう言って渡されたスポーツドリンクにはコンビニのテープが貼ってあった。いま1番有難い。神が来たのかと思った。終始「すみません。ありがとうございます。」としか言えなかった。


そのあと来た2人組の男女にもお世話になった。男性には鉄分入りのヨーグルトを貰い、女性には横になっている間横にいてもらった。途中、夕立に遭遇した際は車で雨宿りさせてもらった。




本当にいろんな人に出会った。みんな優しかった。心配をおかけしてしまった悲しさ、恥ずかしさはあるが、ここまで人が優しいのには正直驚いた。名前を聞けば良かったといまでは思う。



この経験から、見ず知らずの人が倒れていたら、助けて欲しそうにしていたら手を差し伸べられる人になろうと思った。



貧血は危ない。明日から食生活に気遣っていこうと思う。元々の体質もあるが、低血圧っぽい症状になりやすく、貧血気味でもあるので徐々に運動不足も改善していきたい。

今回は何とかなったが、次も安全とは言えない。むしろ、今回は潜在的な危機感が発揮されたとも考えられる。

・場所が良かった。

・人が良かった。

この2つ以外が分かれ道だった。普段使っている方のコンビニは歩道がほとんどない。そっちに行っていたら危なかったと思う。その場合怪我だけでは済まなかっただろう。



これを読んだ方、外出時の熱中症に気をつけてください。下手をすると車道に倒れ、事故に遭うこともあります。

様々な場所で言われてもいますが、今年は特に水分や塩分は適度に取ることをオススメします。


長文、失礼致しました。

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