黒百合の幻惑剤

「お前に惚れたんだ
その跳ねた黒髪も
風を切る拳も
笑った顔も
凛とした目も
全部 全部
あの日からずっと好きだった、だからどうか、友達でいさせてくれ」

「…そんな事言わないでよ」

「…悪かった、こんな事言われても気色悪いだけだよな」

「そうじゃない」

「…?」

「そうじゃなくて…何か急に顔見れなくなった…心臓がうるさい…どうなってるのアタシ」

そう言った彼女の顔が赤く見えるのは

多分

夕日のせいでは無かった

「アタシも…きーちゃんが好きなの…?」
※続く




という世界線
百合百合してきたな
\アラー!/

画像1

(黒くないけど百合置いておきますね)

黒双子の百合世界線

これの百合関係のnoteだと思って下さい。



黒双子が妹、元気印の微褐色娘。
告白経験は無いけどされた事(女子から)は2度あるガールキラー。
攻められると弱い。1度目に告白された時は1週間悶々としてた。
2度目で遂に恋を知れるのか。
この記事ではきーちゃんと付き合ってたり無かったり。
恋人に後ろから抱きつかれてみたい。


黒双子が姉、ジト目の内気娘。
妹同様、恋はよくわからん。でも野郎からは割と告白された事ある。
妹によくくっつかれるのでスキンシップは慣れてる…わけでもない。
恋を知りたいお年頃。
恋人にお姫様抱っこされてみたい。

木菟森(つくちゃん)
双子のお友達、目が初見だとちょっとコワイ。
振った男はうん十人、許嫁がいるとかいないとか、恋愛経験バッチシ!
…なのかは木菟のみぞ知る。謎に包まれた心の内。
彼女の春はどんな光景でしょうね。
恋人に顔や頭を優しく撫でられてみたい。

牛鬼(きーちゃん)
双子のお友達、ヤンキーだけど今はそんなに喧嘩しない。
黒双子組で唯一の恋する乙女、だが百合だ。
ぶっきらぼうで感情表現が苦手だけど、愛にはちゃんと答えたい不器用な子。
この記事では双子妹と付き合ってたり無かったり。
恋人と色々したい。色々   色々

マリア(双子の中学時代の友人)
南の米の大陸出身の太陽娘。褐色肌。愛称はマリー。
神仕込みのアガペーで全生命体を愛する…
とは言ってもやっぱり人の子、今は親しき隣人が大好き。
べったべたのあっまあま、間っ子なのでどっちもカモン!
恋人と手を繋ぐのにドキドキ…するのか?この子?

アメリア(双子の中学時代の友人)
かつての日の沈まぬ大帝国、のお隣の島国出身。愛称はエイミー、メル。
モテる…かに見えて身長(175cm)がネックか、野郎共からは何とも言えぬ評価。どちらかと言うと女子人気高し。欧米の血には勝てん。
穏やかで照れ屋に見えるけど実はかなりの嫉妬深さ、マリーにやきもきしてそう。
手繋ぎで硬直、ハグで思考ショート、多分キスでは死ぬんじゃなかろうか。

蛍(木菟森さんの親戚、同い年)
木菟森さんの同い年の親戚、ねーさんと呼んで慕っている。
恋愛は2次元で充分、間に入ったら自分に殺される、と思ってるけど現実はそう逃してくれない。ほらそこに褐色の追跡者が…
木菟森さんへの愛は強すぎて少し歪んでる、組手で締めたいしぶん投げられたいとかいう衝動がたまに沸く。
甘々より血湧き肉躍る武闘を!いやそれより百合見せて

昭(牛鬼さんの小中時代の友人)
牛鬼さんの小中時代の友人、本人は親友以上に思ってる。
ナギが好きすぎる人、それがどういう意味合いなのか傍目からは判断しづらい。
もちろん(?)女子からモテまくり、男子からはもはや敵わないと諦められてる。いいんだけどたまに変人魂に火が点いてえっ…てされる。でもモテる。
恋人には馬鹿だなぁって笑ってもらいたい、これは割と切実な願い。


・プロローグ

T:透、牛:牛鬼、J:純、菟:木菟森
※続き
牛「…」
T「…///」

牛「…は!!!???」
T「うっ!! 耳がぁ…」
牛「あ、悪い…」
T「そんな大声出さなくても…いや出すか…」
牛「というか…お前それ本気で言ってんのか」
T「わかんないよ!わかんないけど…何か心配になったり話しかけたくなるのってそういう事なんじゃないの?」
牛「知らねえよ…というかお前がどうしたいかじゃないのか」
T「えぇ…それ友達でいてくれって言った人のセリフ?」
牛「別におかしくねえだろ」
T「いやだって…言い方悪いけどものにするチャンスじゃないの?」
牛「…別にいいんだよ、気持ちを言えれば良かった」
T「…卑怯者が」
牛「あ?」
T「こっちの気持ちガン無視しやがってよお…」
牛「な、何だよ」
T「このビビリがって言ってんだよ!あんな不良共を相手出来てこんな女子高生1人もまともにやれねえのかよ!」
牛(やっただろ)
T「最初っから負け戦と決めつけてでっけえ逃げ道作ってよお!あの時みたいに正面からかかってこいよ!」

こいつ…好き勝手なこと言いやがって…

ドンッ
T「!?」
牛「…いい加減にしろよ」
T「…何だよ」
牛「お望み通り、真正面からやってやるよ」

また壁に追いやる
そして胸ぐらを掴む

T「グッ…!」
牛「もう一度だけ言うぞ」

牛「お前が好きだ、私のものになれ」
T「ピッ!?//////////////」

掴んだシャツ越しでもわかる心臓の高鳴り
先程とは比べ物にならないほど紅潮した顔

…おもしろ
試しに放した手で頬を触る
…熱い

T「ゴメンナサイ…ナリマス…ダカラユルシテ…//////////」

もう完全に堕ちてた、流石にやりすぎた

牛「悪かった…流石にやり過ぎた…」
T「…グスッ」
牛「は!?いやスマン悪かったって!」
T「この…鬼畜がぁ…」

それから宥めるのにかなり苦労した
これからどうなるんだ…


J「あの不良がぁ…!」ギリギリ
菟「待ってください待ってください!喧嘩してるわけじゃないですから!」
J「またしても傷つけようとしてぇ…!」
菟「ちょっ力つよ!?止まって!止まってくださいいいいいいいい!!!!!!」


・何をするんでしょう

T:透、牛:牛鬼、J:純、菟:木菟森
T「お姉ちゃん…」
J「んー?」
T「そのー…あのー…」
J「はーいー?」
T「どっから…話せばいいのか…」
J「きーちゃんのこと?」
T「えっ、…まぁ、そうなんだけど」
J「告白された?」
T「!? なんでそれを…」
J「そして受けたと」
T「!?////」
J(まあ最初は勘違いしててつくちゃんに教えて貰ったんだけど)
T「うぬみえにゃ…///」
J「わからないことばっかりだとは思うけど、相談はのるからね」
T「うん…んじゃあ、早速なんだけど」
J「あい」
T「まぁその、付き合うことになったんだけど、なったのか?まあいいや」
J「ん?うん」
T「…付き合ったら何すんの?」
J「」
J「…」
J「お姉ちゃんに聞くかぁぁぁぁぁ…」(小声)
T「…本当にごめん」(小声)
J「んー…んー?んー…」
T「お姉ちゃん首もげそう怖い」
J「…スキンシップ」
T「」
J「手繋ぎ!ハグ!キス!」
T「うわああああああああああああああ!!///////////」
J「普段私にくっついといてその反応なの?」
T「いや違うじゃん…お姉ちゃんにするのは違うじゃん…それに後ろからしかやんないもん…」
J「じゃあきーちゃんも後ろから抱きつけばいいんじゃないの?」
T「んぬにゅにぇんなぁ…////」
J「それは違うと」
T「…というかそもそも向こうがしたいのかどうなのか」
J「…それは私じゃなくてきーちゃんと話すべきなのでは」
T「それは…そう」
J「んまあ聞きづらいのもわかる」
T「絶対怒るよ…」
J「でもダメです」
T「!?」
J「ちゃんと話し合いましょう、ね?」
T「…ハイ」

~後日少女話し合い~

菟「…今日お二人何か近いですね」
T「うぇ!?」
牛「!?」
J「…」
T「いや別に近くないけど!?」
牛「近くねーよ…」
菟「いやでも肩寄せあって
T,牛「そんなんじゃないから!」「そんなんじゃねーよ!」
J「…」
J(一歩前進したようでお姉ちゃんは何よりです)

とりあえず距離感を詰めてみることから始めた2人のようです

J(でも告白する時点でかなり近かったような)


・側で見守る人

J:純、菟:木菟森、T:透、牛:牛鬼
T「ねーさー」
牛「?」
T「今度組手やってみようよ」
牛「あぁ…まあいいけど」
T「いえー、ちゃんと突きから教えるから」

菟「…すっかり仲良くなっちゃって」
J「ほんとにね、あんな大喧嘩した2人とは思えない」
菟「その上付き合うだなんてねぇ」
J「それはほんとに驚き」
菟「何だか羨ましいですね」
J「ねー」
菟「私達も付き合っちゃいますか」
J「ますk…え?」
菟「ん?」
J「いまなんと?」
菟「私達もイチャラブしますか?」
J「何か進んでない?」
菟「そんなに変わらないですよ」
J「いやというか、え!?///」
菟「んふふー♪」
J「え、いや、あの、そn
菟「冗談ですよ♪」
J「ぅえ」
菟「冗談じゃない方が良かったですか?」
J「え!?///」
菟「可愛い反応してくれますね」
J「ぐぎぎ…///」
菟「純さんも初心ですねぇ♪」
J「んー…!///」
菟「純さんは好きな人とかいないんですか?」
J「ん?んー…そもそも好きってのがよくわからない」
菟「そっからですか…まあわかりますけど…」
J「あの2人見てるとそもそも対象がどっちなのかとか色々考えちゃって…」
菟「そうですね…」
J「まあ考えても仕方ないんだけどね」
菟「それもそうですね」
J「やって欲しいこととかも実はあるんだけど」
菟「あらー、何ですか?」
J「…笑わない?」
菟「もちろん」
J「…お姫様抱っこ」
菟「…あらぁ」
J「…///」
菟「…」
J「何か言ってよぉ」
菟「…試しにやってみましょうか」
J「え?」
菟「さあほら立って立って」
J「え?え?」
菟「せーの、はいっ」グイッ
J「うわっ!?」
菟「意外といけますね」
J「ちょっ!重いから!大丈夫だから!」
菟「大丈夫ですよ?それに私も鍛錬してますし」
J「ちがっそうじゃなくて!下ろして-!」バタバタ
菟「おっと、危ないからじっとして下さいねー♪」グッ
J「ぁぅぁー…///////」
T「…何やってんの?」
菟「純さんのご希望でお姫様抱っこの体験を」
J「頼んでないいぃぃぃぃ…//////」
T「むー…アタシだって出来るもん!こっち渡して!」
菟「はいはーい、よっと」
T「んっ、どう!?」
J「…モウコロシテ//////////」
牛「何やってんだお前ら」
菟「お姫様抱っこツアー」
牛「は?」
菟「というわけで次牛鬼さんですよ」
牛「は?」
T「まあ誰がやってもアタシの安定感には勝てないし?双子のマッチ感舐めんなし?あん?んじゃ渡すよ、落とすなよ」パス
牛「は?」キャッチ
J「ヒィン…////チョットタカイ…/////」
牛「は?」オロシ
T「どうだった!?アタシが一番良かったでしょ!?」
菟「私だってなかなかの抱かれ心地だったと思いますけど?」
牛「…」
J「…モウ」
T,菟「え?」
J「何かもうふわふわしてよくわかんない…////////」
T「んー…まぁ、ドローってことで」
菟「引き分けですか…まあ審判が言うなら仕方ありませんね」

牛「…何だったんだ」


・フロントアタック

J:純、T:透
速水家
T「おねーちゃーん♡」ギュッ
J「…」
J(いっつも後ろからなんだよなー)
J(うーん…たまには前から…)
J「ねぇ」
T「うん?」
J「ちょっと、一回」
T「んえ?」パッ
J「おらっ」ギュッ
T「ピッ」
J(…あったかい)
T「オアアアアアアア…///」
J「ねえ何でいつも後ろからなのよ」
T「え…いやだって…」
J「何」
T「んんん…///」
J「このまま締めるよ」ギリギリ
T「グエエエ!ギブギブ!」
J「言う気になった?」
T「言゛い゛ま゛す゛う゛…」
J「はいどうぞ」
T「…だって恥ずかしいじゃん」
J「それ透ちゃんが言うの?」
T「後ろからは違うの!」
J「んー」
T「だって顔見ながら近づくじゃん…///」
J「…ん」
T「あと…その…お姉ちゃんの…」
J「…」
T「お姉ちゃんのがでっかいおもちが悪いんだろー!!!//////」
J「…」ギリギリ
T「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
J「…♪」
T「ヒー…ヒー…シヌ…」
J「…いつものは背中はあったかいけどさ」
T「ハイ…」
J「顔見えないからちょっともやっとすることもあるの」
T「んん…」
J「…私も甘えさせろ」
T「…双子だもんね、たまにはお姉ちゃんなるか」
J「おら」ガバッ
T「おわっ」
J「~♪///」スリスリ
T「う~…慣れないなぁ…///」
J(…心臓の音、ちょっと早い)
J(…私のも、ちょっと早いかな)
T「んー…骨痛くない?アタシのは…ほら、そんなサイズ無いから…」
J「んー、結構あるよ、透ちゃんも」
T「そーなの?お姉ちゃんがでかいからよくわかんない」
J「ん」スリスリ
T「んー…はいもう終わり終わり!」
J「ん゛ー」ギリギリ
T「シヌゥ!ヤメロォ!」バシバシ
J「ふふっ♪」


・レッスン1:スキンシップ

T:透、牛:牛鬼
T「…」
牛「…」
T「…ん”ん”」
牛「…なんだよ」
T「…ちょっと手出して」
牛「…?」スッ
T「…ん」ニギニギ
牛「!?」バッ
T「あ、ちょっと」
牛「何だよ急に…」
T「…きーちゃんのスキンシップの練習」
牛「何でだよ…」
T「…したいんじゃないの、スキンシップ」
牛「…」
T「まぁいいならいいけど」
牛「…」
T「…え、ほんとにしたくないの」
牛「…したくないわけじゃないが」
T「?」
牛「どうすればいいか…わからない」
T「あーそういう…」
牛「…」
T「…とりあえず意味も無く触れればいいんじゃない、さっきみたいに」
牛「どうなんだそれは…」
T「まぁそりゃ機嫌悪いときは気に入らないかも知れないけど、基本好きな人なら嬉しいもんじゃないの?」
牛「んん…」
T「さっきとか」
牛「…っ///」
T「でしょ?」
牛「…あぁ」
T「だからまぁ、手ぐらいなら好きにしていいよ」
牛「…」
牛(手…)
T「ほれほれー」フリフリ
牛「…」
牛「~~~っ///」
T「んー…というかそもそも恥ずかしいのか」
牛「…」
T「いやアタシも恥ずかしいっちゃ恥ずかしいんだけど…」
牛「ウソつけ」
T「いやほんと…」
牛「じゃあ何で…」
T「そりゃあ…したいから…といいますか…」
牛「…そうか」
T「ん…」
牛(…こいつ意外とこういう感じなんだな、あの姉の双子か)
牛「…手出せ」
T「…ん」
牛「…」スリ
T「…やっぱ手細いね」
牛「お前だってそうだろ、空手してるにしては」
T「まぁアタシは蹴り主体だから…」
牛「そういやそうだったか、あん時も蹴りが多かった気がするな」
T「へへっ、まぁ手は大事にしなね」
牛「お前もな」
T「ん」
牛「ふっ」スリスリ
T「へへっ」スリスリ


・美しきかな百合の花

T:透、牛:牛鬼、G2:ゆるふわギャル2
G2「まったくもーよー、あの先公人使い荒すぎだよなー」
G2「空き教室に機材持ってってくれって、ふつー女子一人で運ばせるかってんだよまったくもー」ブツブツ
オイ…コンナトコデヤルノカヨ
G2「お?」
ココナラヒトコナイダロウシ…ツキアッテヨ
G2「?」
牛「だからって学校でやるこたないだろ…」
透「でも他無いし…10分ぐらいなら…」
G2(あれ透ちゃんとうっしーじゃん、何やってんだ?)
牛「…はぁ、ならさっさとやるぞ」
透「ん…」
G2(一体何が始まるんです?)
透「じゃあ…まずは手を…」スッ
牛「…ん」ギュッ
G2(…?)
透「…」ニギニギ
牛「…」ニギニギ
透「…///」スリスリ
牛「…~///」
G2()
透「…もうちょっと近くに」ジリッ
牛「!?ま、待て!」
透「…まだダメ?」
牛「あー…その…」
透「…」
牛「…ふー、大丈夫だ、今日は、やれる」
透「ん、その調子」
牛「ほら、来い」
透「ん」スッ
G2()
牛「ぅ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛…/////」
透「ちょ…うるさい…///」
牛「頭がおかしくなる…////」
透「グググ…////」
G2(      あ、百合だこれ)
G2(ウオオオオオオオオオオオオオオ!!リアル百合だ!リアル百合だこれ!?)フンスフンス
G2(しかもヤンキー×元気っ子!これは捗る!)
G2(え~やべえな、あの二人そうか~、なるほどなるほど~なるほど~)
G2(やっべえなぁ、永遠にみてらr)ゴトッ
透.牛「「!?」」
G2(この日、私は魂の死を実感した)
G2(いい、向こうへの土産が出来た)
透「え…何してんの…」
G2「すいませんでしたこれは墓に永久に封印しますあの世すら持っていきませんのでどうか許して」
透「いやそこまでしなくていいよ…というか…見た?」
G2「…ハイ」
透「そうかー…」
牛「…」
G2「スイマセンデシタ」
牛「いや…もういいよ…」
透「んー…というか普通逆な気も…」
牛「何がだよ…」
透「普通アタシらが黙っててーってお願いする方じゃない?」
牛「…どっちだって良いだろ」
G2「…確かにそうじゃん」
牛「あ゛?」
G2「」
透「やめい」
牛「…まぁ黙っててほしいのは本当だ」
G2「まぁそれは全然良いけど…てかそのつもりだったし」
透「ありがと」
G2「…その代わり一個だけお願いがあるんだけど」
透「エ」
牛「…」
G2「二人がイチャついてるとこ5分だけでいいんで見せて下さい」
牛「もう殴っていいだろ」
透「えぇ…」
G2「ナニトゾ」ドゲネ
透「…それで黙っててくれるなら」
牛「おい!?」
G2「マジ卍!?」
透「こうなりゃ丁度いいでしょ、強行療法だ」
牛「マジか…はぁ…」

牛「で、どうすりゃいいんだ」
G2「アッハイ、さっきの続きというか、まぁ、ハグで」
透「んあー…」
G2「それだけで満足です」(ほんとはいっそキスまで見たいけどそれは本当に死ぬ)
牛「あー…ならさっさとやるぞ!///」
透「おらぁ!行くぞ!!///」
牛「来いやぁ!!///」
G2(なんかおかしくない?)
透「っ/////」ギュッ
牛「~~~~~~っ///////////」グッ
G2(あ^~~~~~~~~~~~)
牛「…」スッ
透「んにぇ!?//////////」
牛「…」ナデナデ
透「ちょっ…まっ…ぅぁ…」ヘナッ
牛「うおっ」
透「頭…だめ…力抜ける…////」
牛「悪かった…というかそんな弱いのかよ」
透「あー…」
G2「」
牛「…おい、もういいだろ」
G2「」
牛「…?、おい」
G2「」
牛「!?、おい!?生きてんのか!?」
G2「     あ、はい、おはようございます」
牛「お前大丈夫なのかよ…」
G2「さぁ…多分大丈夫じゃない?」
牛「はぁ…」
透「へあぁぁぁぁぁ…」
牛「こっちもダメだな…ほらもう帰るぞ」
G2「かえんべーかえんべー」
透「あい…」
G2(…なんか…微妙に記憶が曖昧だけど…)

G2(…ま、いっか!)


・紫煙と夜にさよなら

T:透、牛:牛鬼
少し先の二人暮しの夜中
T「…ん」
…フー
T「…何してんの」
牛「…あぁ悪い、起こしたか?」
T「いやそれはいいんだけど…タバコ?」
牛「あぁ…」
T「…吸うんだっけ」
牛「まぁ…たまに…」
T「そう…」
牛「ん…」
T「…」
牛「…」
T「…きっかけって何かあるの?」
牛「え?」
T「吸うきっかけ」
牛「特別なわけは…別にない…ただ少し辛くなった時に吸ったら余計なことを考えずに済んだ、それだけ」
T「ふーん…」
牛「…嫌だったらやめる、別にそんな好きなわけでもないから」
T「…いーよ、きーちゃんそうでもしないと溜め込むから」
牛「…悪い」
T「いーって、理解のある彼女ですもーん」
牛「んふhゲホッゲホッ」
T「何やってんのもー」トントン
牛「…悪い」
T「んー…」
牛「?」
T「一本吸ってみたい」
牛「あ?別にいいけど…本当に吸うのか?」
T「何事も経験よ」
牛「…ほら」
T「ん、どうすればいいの?」
牛「こう、咥えて…火つけるからそのままいろ」
T「ん」
牛「で、火つけたら…」カチッカチッ
牛「…あ?」
T「何よ」
牛「…」カチカチカチカチカチ
牛「…ライター切れた」
T「えぇ…」
牛「…まぁいいや、そのままでいろ」ズイ
T「んぇ!?」
牛「タバコごと吸う感じで」
T「…スー」
T「ゲホッゲホッ!」
牛「だから言っただろ…」
T「初めてなんだからしょーがないでしょ…うぇ」
牛「無理して吸わなくていいぞ…」
T「でも高いんでしょ、もったいない」
牛「…」
T「というかさっきみたいな火のつけかたって普通なの?」
牛「…普通ではない」
T「あっそう」
牛「いわゆるシガレットキスってやつだからな…」
T「んん…」
牛「…」
T「…」
T「…んー、でもなんか落ち着いてきた」
牛「そうか」
T「まぁ、たまに吸いたくなるのも分かる気がする」
牛「…お前はやめたほうがいいぞ」
T「なんでよ」
牛「…せっかくの健康体がもったいないだろ」
T「それはこっちのセリフ、せっかく高校の頃よりかは血色良くなってきたのに」
牛「さっきはいいって言ってたくせに」
T「それはそれ、これはこれ」
牛「なんだそれ」
T「ふふ」
牛「…ふぁ」
T「眠い?」
牛「…さすがに」
T「…じゃあさっきのだけもっかいやって、火消えちった」
牛「ん、火のつきが甘かったか…ほら」
T「隙あり」スッ
牛「ん…?!」
チュッ
T「やっぱアタシも寝る」
牛「…」
T「ちゃんと寝なよ」
牛「…」
牛「~っ///」
牛(こいつ…!///)
牛「…はぁ」
牛「…タバコ…減らすか」


・再・親友

牛:牛鬼、昭:あきら
少し先の話
ピンポーン
昭「ん、来たかな」
昭「はーい」ガチャッ
牛「おう」
昭「いらっしゃい、迷わなかったか?」
牛「ん、あと買ってきたぞ」
昭「あぁありがとう、うまいもん作るから期待してくれ」
牛「とりあえず上がらせてくれ、さすがに寒い」
昭「悪い悪い、どうぞ」

牛「…」
昭「テレビでも見ててくれ、すぐ作るから」
牛「…意外と綺麗にしてるんだな」
昭「えー?意外って事は無いだろ~」
牛「本とか散乱してるかと思ってた」
昭「さ、さすがに無いよ…」
昭(片付けに三日かかったけど…)
牛(なんかベッドの下ごちゃごちゃしてんな)
牛「というか何作るんだ?」
昭「ん?それはお楽しみって事で」
牛「ん」

昭「よし、できたぞ」
牛「手伝う」
昭「ありがと、これ持ってってくれ」
牛「…なんだこれ」
昭「オムミート」
牛「なんだそれ」
昭「オムライスのライスの代わりに肉と炒めた玉ねぎ入れた」
牛「重そうだな…野菜も摂れよ」
昭「サラダあるから心配するな」
牛「あるならいいか、じゃあ食おうぜ」
昭「食べるかー腹減ったな」
牛,昭「いただきます」「いただきまーす」
牛「…」ムグムグ
昭「どうだ?」
牛「…うまい」
昭「嬉しいこと言ってくれるな、作った甲斐あったよ」
牛「お前料理出来るんだな」
昭「一人暮らししてると自然とな」
牛「ふーん」
昭「そういえば買ってきてくれたのにデザートも入ってたな」
牛「まぁ…作ってもらうから」
昭「ナギのそういうとこ昔から好きだぞ」
牛「うるせえ」
昭「照れ隠しするところまで好きだぞ」
牛「この野郎」ギリギリ
昭「ナギ顔赤いぞそういうtイダダダダダ!!」
牛「…お前も昔から変わんねえな」
昭「…変わったよ(頭割れるかと思った)」
牛「どこが」
昭「…ナギの知らないところでな、変われたんだよ」
牛「…良い方なら、良かったな」
昭「ん、ありがとう」
昭「ところで酒も入ってたけど…」
牛「飲むつもりで買ってきたが」
昭「にしては量多くないか?そんなに飲むのか?」
牛「お前のも買ってきたんだが」
昭「え」
牛「あ?」
昭「あ…そうか…言ったこと無かったか」
牛「まさか飲めないのか?」
昭「いや実は飲んだこと無いんだが…親が酒弱くてな…今まで一応控えてたんだ」
牛「あぁ…悪かった、聞けばよかった」
昭「いや、せっかくだから飲むか!」
牛「いいのか?」
昭「自分の耐性値を知るって意味でもちょうどいいからな、というかナギは飲めるんだろ?」
牛「まぁ」
昭「なら介抱役もいるしな」
牛「…しかたねーな」
昭「よし!じゃあ持ってくるか」
牛(大丈夫かな…)
昭「色々買ってきたんだな」
牛「一応ほろよいも買ってきたが」
昭「あぁじゃあそれにしようか、少しずつな」
牛「ん、じゃあ私は…サワーにするか」
昭「デザートも持ってきたし、それじゃ」
昭,牛「かんぱーい」「乾杯」
昭「…」ゴクッ
昭「…ん?」
牛「ん?」
昭「…これアルコール入ってるのか?」
牛「書いてあるだろ」
昭「あぁほんとだ…へぇ~飲みやすいな、いいじゃないかこれ」
牛「少しずつ飲めよ」
昭「過保護だなぁ、でもありがとう」
牛「ちょっとトイレ」
昭「そっちの右」
牛「こっちか」

~数分後~

牛「戻ったぞ」
昭「…」ボー
牛「昭?顔赤いぞ?」
昭「…え?」
牛「かなり弱いなこれ、もうやめとけ」
昭「…なぎぃ」
牛「ほら水飲め」
昭「…」
牛「昭?」
昭「やだ」
牛「は?」
昭「アキって呼んでくれなきゃやだ」
牛「はぁ…?」
昭「やだやだー!アキって呼んでくれなきゃ飲まないー!」バタバタ
牛(うわぁ)
昭「だって…私はナギって呼んでんのにずっと昭って呼ばれるし…」
昭「ナギアキ…ナギアキぃ…」
牛「わ、わかったから…呼ぶからその前に水飲んでくれ…」
昭「ほんと…?」
牛「ほんと」
昭「じゃあ飲む」ゴクゴク
昭「…はぁ、はいじゃあどうぞ」
牛「あぁ…」
牛「…あー」
昭「はーやーくー」
牛(くっそ、改まって呼ぶとなると何か気まずいな…)
昭「やっぱ私のこと本当は嫌いだったんだ…」
牛「あーもう泣くな!呼ぶから!アキ!ほらこれでいいだろ!」
昭「『アキ愛してるぞ』も」
牛「は!?」
昭「私は何回も言ってるんだからそっちも」
牛「…」
昭「ナギ顔あかーい」
牛「…」ガッ
昭「ぉぁ」
牛「…アキ愛してるぞ」
昭「…」
牛「…」カシュッ ゴクッ
昭「…ぉぇ」
牛「!?」
昭「…気持ち悪い」
牛「ちょっ馬鹿野郎!?ここで吐くなよ!?」
昭「といれ…」
牛「ほら行くぞ!」
昭「ぁ゛ 揺らさないで…」
牛「くそっ我慢しろ!」

ォ"ェ"エ"エ"エ"エ"ア"ァ"ァ"ァ"ア"ア"

昭「」チーン
牛「はぁ…」
昭「ゴメン」
牛「もういいよ…耐えただけ褒めてやる…」
昭「…もう飲まない」
牛「…そうしろ」
昭「…今日どうするんだ」
牛「こんなお前を置いて帰れねえよ」
昭「…ありがとう」
牛「はぁ…」
昭「ナギ…」
牛「なんだ」
昭「何だかんだ言ってこんな私に付き合ってくれるナギ、好きだぞ」
牛「…いいから寝てろ」
昭「おやすみ…」
牛「あぁ」

後日、幸い二日酔いは酷くなかった昭に土下座で謝罪された
別に気にしてはなかったがどうしても詫びがしたいとの事でまた料理作ってくれと言った
随分嬉しそうだった


・Please Kiss Me

M:マリア、A:アメリア、昭:あきら、蛍:ほたる
M「んーメルー」
A「はいはい」
昭「欧米ってさぁ」
M「ん?」
昭「キス文化あるだろ?、こう頬に」
A「うん」
昭「二人はしないのか?」
蛍(キョ)
M「家族にはするよー」
A「うちもそんな感じ」
昭「友人同士でもしたりしないのか?」
M,A「「アー…」」
昭「?」
M「こっちに来たばっかりの時にクラスメイトにしたら…」
A「結構大騒ぎになっちゃって…」
昭「そんなにか」
蛍(そんなやろ)
A「マリー…男の子も女の子も見境いなくしたから…」
M「ハンセイ…」スッ
A「それは反省猿…」
昭「まぁ日本人は特にそういうの気にするからなぁ」
M「でも私達的にはAmar、ラブだからするんだけどね~」
A「そうだね、親愛の証みたいな感じだから」
昭「でもアメリアもするのはちょっと意外だな」
A「私は…家族ぐらいだけどね」
M「そういえば昔私がしようとしたら逃げちゃったんだよね」
A「え、そうだっけ」
M「そうだよもー!」
昭「じゃあせっかくだからやってあげたらいいんじゃないか?」
A「エ」
M「!」
昭「新愛の証なんだろ?」
蛍(あ~~~~~~~~~)
M「ん!ん!」
A「んー…そうだね、家族ぐるみだしね」
蛍(あかん本当に鼻血出そう)
M「んー」
A「はいはい」
チュッ
M「ん~へ~へ~♡」
A「顔緩みすぎ」ツン
M「メル好き~」ギュッ
昭「本当にアメリアの事好きだよなぁ」
蛍「スーーーーーーーーーーーーーー」
昭「蛍どうした」
蛍「別に」
M「…」チラッ
A「?」
M「(マリアはね)」
A「(え?)」
M「(メルならね、唇同士でもいいよ)」
A「!?」
M「ね、もう一回」
A「え、あ、う」
M「それともまた今度?」
A「…また今度!!」
M「えー?」
A「もうダメ!!」
昭「どうした」
A「Nothing!!!!!」
昭「お、おう」
M「~♪」
蛍(チャドー、フーリンカザン、そしてチャドー…)

A「…」
LB(弟)「…おかえり」
A「…」
LB「…ねーちゃん?」
A「え!?あ、うん、ただいま」
LB「どしたの」
A「何でもない!」
LB「…?」
LB(…今日はしてこなかったな、まぁいいけど…)


・ドス黒オーラ

T:透、J:純、菟:木菟森、牛:牛鬼
「おーい透」
T「何?」
「先生が課題のノート持って来いって言うから手伝ってくんない」
T「へいよー、じゃ行ってくる」
菟「いってらっしゃーい」
「じゃあ半分持ってくれ」
T「アタシ一応女なんだけど」
「空手やってるんだろ?」
T「やってる、強い」
「じゃあ持ってくれ」
T「しょうがないなー」

菟「仲良いですね~、透さんって結構男子に人気あるんでしょうかね”っ”!?」
J,牛 ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菟(な、何ですかこの重く焼け焦げそうなオーラは…!?)
菟(普段温厚な純さんがこれほどまでに人を呪い殺しそうなオーラ出してる事初めて見ましたし…)
菟(牛鬼さんも少し冷えたオーラは出してますけど髄まで凍りつきそうなのは恐ろしや…)
菟「あの…」
J,牛「は?」「あ?」
菟「ウグッ、どうしたんですかそんな怖い顔して…」
J,牛「「してない」」
菟(してるじゃないですかぁ!!)
J「別にあの人と何話してるのかとか気になったりしないし…」
牛「あいつ何かしねえだろうな…」
菟(あぁそういう…)
菟「心配性ですね、二人共」
J,牛「「…」」
菟(そこで黙るのが二人なんですよね~)
菟(!)
菟「そりゃ心配になりますよね~、透さん可愛いですし最初はちょっと人見知りしますけど仲良くなったら結構気さくに話しかけてくれますし男女問わず人気あるんじゃないですかね~」
J,牛 ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菟「多分あの男子も実は透さんの事~みたいな事あったりなかったり?」
J,牛 ガタッ
菟「どちらに?」
J,牛「「…」」
菟「水を差しちゃ悪いですよ」
J,牛「「…」」
T「ただいまー」
菟「お帰りなさーい」
T「…何、どしたの」
J,牛「ねえ」「おい」
T「ヒッ、何…」
J,牛「「…」」
J「何話したの」
T「え」
牛「あいつとだよ」
T「うーん…ちょっと格闘技の話したかな、オススメの動画とか」
J,牛「「…」」
J,牛「「はぁ…」」
T「えぇ…聞いといて何よ」
菟「心配してたんですよ、あの人に愛しの透さんが取られるんじゃないかって」
J,牛「「違う!!」」
T「え、えぇ…?」
J「そんなんじゃないし!違うし!!」
牛「あいつが何するかわかったもんじゃねえからな…」
(えっ)
T「違うって!そんなんじゃないから!」
J,牛「「グギギ…」」
T「なんかよくわかんないけど…心配してるような事は無いって…」
J,牛「「…」」
T「お姉ちゃんも昔から変なとこ心配性だよね」
J「…だって」
T「?」
J「…何でもない」
T「…大丈夫だって、勝手に変わらないから」
J「…」
菟(どういう意味ですかね…)
牛「…」
T「…何かあったらちゃんと相談するから」
牛「…」
T「…はぁーあ、モテるのも辛いねえつくちゃん」
菟「そうみたいですねー」
J,牛「「…///」」

別の日

「なぁ速水」
T,J「「ん?」」
「いや姉」
J「何?」
「ちょっと相談があるんだけどいい?」
J「え?私?」
「ここじゃあれだから場所うつ…!?」
T「ここで出来ないってどんな話だよ」ズゴゴゴゴ
菟(あー双子)
牛(…この前の私こんなんだったのか?)


・去年より ずっと

T:透、J:純
T,J「「…」」ズズッ
T,J「「…はぁ」」
J「春、来たねぇ」
T「あったかいねー」
J「長かったなぁ…冬」
T「それ毎年言ってない?」
J「わかんないけど多分言ってる」
T「何それ」
J「ふふふ」
T「…」
J「ん〜」
T(毎年思うけど、春になるとお姉ちゃん綺麗だなぁってちょっとドキッとする)
T(ほとんど同じ顔だけど、どうしてこうも違く感じるんだろう)
T「お姉ちゃんさぁ」
J「んー」
T「なんていうの?アタシと何か違うなーって感じる時ある?」
J「ん〜?そんなのいっぱいあるじゃんね」
T「あーうーん、多分そういうことじゃなくて…」
J「?」
T「…なんでもない」
J「なーにーよー」
T「…」
J「…あぁ、そういえば」
T「え?」
J「初夏辺りになると、透ちゃんが綺麗で眩しく見えるかな」
T「えっ!?」
J「同じ顔だけど夏が似合うなって」
T「いや、その」
J「こんな感じでいい?」
T「…いーんじゃないでしょーか」
J「ちなみに透ちゃんはそういう時あるの?」
T「いやいいじゃんアタシは…」
J「私が綺麗に見えるとか、なんて…」
T「…///」
J「…まぁそんな事だろうと思った、考える事は一緒だし…///」
T「…春が来るたびに思ってる」
J「そういうのは言わなくていい…」
T「アタシなんかよりずっと美人だと思う」
J「同じ顔でしょ」
T「違う人だよ」
J「でも双子でしょ」
T「そんなに似てないじゃん」
J「似てる」
T「…」
J「だって、お互いに同じような事思ってた」
T「…」
J「でも、だから少しでも違うところに惹かれちゃうのかな」
T「それは…そうかも」
J「んふー」
T「へへ」
T,J「「…」」ズズッ
T,J「「…はぁ」」
J「春だねー」
T「あったかいね」

そういうお姉ちゃんの横顔は
去年よりずっと、綺麗に見えた


・白く輝く健康の証

T:透、牛:牛鬼
T「ん」
牛「ん?」
T「飴、いる?」
牛「いい」
T「ん」ペリッ パク
T「…」コロコロ
牛「…」
ガリゴリ
牛「!?」
T「…」ガリッ バキッ
牛「…」
T「…あに?」
牛「…歯ダメにするぞ」
T「大丈夫、昔からやってるし」
牛「歯は骨なんだから鍛えられねーよ」
T「いーだ」
牛「うわ犬歯なが、犬かよ」グイッ
T「んがっ」
ガブッ
牛「いっつ!!」
T「…」
牛「…おい離せっての」
T「…」ガジガジ
牛「いででで!おい離せって言ってんだよ!」グイッ
T「んがー」グイー
牛「何だってんだよ!」ゴッ
T「っで!!」
牛「くそっ…」
T「ごめん、なんか…ゴム遊びしてるわんこってこんな感じかなって」
牛「お前本当に犬かよ…いっつ…」
T「あごめっ!血出てんじゃん!?」
牛「いいよ別に…」
T「指貸して!」
ペロペロ
牛「んな!?」
T「とりあえずだけど…あむ」
牛「ひっ」
ガッ
T「っが!?」
牛「馬鹿かお前!!早く口ゆすげ!!」
T「いやそれより傷…」
牛「いいから!!」
T「うえ…うん」

ガボボ
ペッ

牛「お前なぁ…血から感染する病気だってあるんだぞ…」
T「いやぁ…大丈夫じゃない?きーちゃんだって別に病気あるわけじゃないでしょ?」
牛「万が一があるだろ」
T「…ごめん」
牛「いや…いいよ…」
T「というか血止まった?」
牛「とりあえず水で流したが…まだちょっと出るな」
T「…あっそうだ、これ」ゴソゴソ
牛「あぁ…」
T「絆創膏持ってたんだった」
牛「ありがと」
T「いーえ」
牛「…お前マウスピースとか使うの?」
T「んー空手の試合とかは使うよ」
牛「お前その感じだと顎の力も強いからあまり噛みしめ過ぎるなよ…」
T「はい…」
牛「…せっかく綺麗な歯並びしてんだから」
T「…」
牛「…」
T「ねっ」
牛「あん?」
T「にっ」
牛「…何してんだよ」
T「いい歯でしょ」
牛「…そう言ってんだろ」
T「そっちのはどうなのよ」グイッ
牛「がっ!?」
ガブッ
T「っでええええ!!!???」
牛「いきなり指突っ込むんじゃねえ!!」
T「いでぇ、歯形ついた」
牛「アホか」
T「へへ」


・お姉ちゃんとお姉ちゃん

M:マリア、A:アメリア、昭:あきら、蛍:ほたる
キーンコーンカーンコーン
ガラッ
A「はぁーッ…はぁーッ…」
M「ひえっ」
昭「どした」
A「でん…電車がゲホッゲホッ…」
蛍「あーもうほらお茶飲みなさい」
A「アリガト…」
昭「電車遅れたか」
A「…はぁ、そうなの、なんか人が線路に入ったとか」
蛍「冤罪の時線路に逃げるやつってまだいるのかしら…まぁ災難だったわね」
A「…そういえば先生は?」
M「あれそういえば」
ガラッ
「皆いる?今日先生休みになったんでとりあえず1限自習にしといてって」
A「…」
昭「…まぁそういう時もあるさ」
A「why…」
蛍「ところで髪どうしたのよ」
A「そうだった…走ってたらゴム切れちゃって」
蛍「じゃあほらそっち向いて、昭は櫛貸してくれない?」
昭「私をドラ○もんと勘違いしてないか」
蛍「でも持ってるでしょ」
昭「あるよ」スッ
蛍「ありがと」
昭「なん…こう…」
蛍「ゴムの予備はあるの?」サッサッ
A「うん」
蛍「じゃあ貸して」
A「えーっと…はい」
蛍「…はい終わり」キュッ
M「おぉ、すごいキレイ」
A「ありがとね」
蛍「別にいいわよ」
昭「随分手慣れてるように見えたが?」
蛍「なんか…昔の妹を思い出してつい」
A「…」
M「ねぇマリアもマリアも!」
昭「順番!」
蛍「…あぁト○ロか、というか貴女達結ばないじゃない普段」
昭「ゴムならあるぞ」
M「ちょっとだけ貸してー」
昭「しょうがないにゃあ」
蛍「えぇ…そのまんまでいいでしょ別に…」
昭「たまには変えるのもいいじゃんか、なぁ?」
M「ねぇ?」
蛍「自分でやりなさい」
昭「このねーちゃん愛が無いなぁ、なぁ?」
M「ねぇ?」
蛍「もう一回言ってみんか」
昭「ねーちゃん大好き」
M「大好き」
蛍「そこまでしろとは言ってない」

A「ねぇホタル…」
蛍「ん?」
A「…やっぱりもうちょっと下にしてくれない?」
蛍「え?自分でやればいいじゃない」
A「お願いっ」
蛍「えー…じゃあそっち向きなさい」
A「はーい」
蛍「一回取るわよ」
A「うん」シュルッ
蛍「もうちょっと…このぐらい?」
A「んー…うん」
蛍「…はい」キュッ
A「…」
蛍「?」
A「…やっぱもうちょっと上」
蛍「えぇ?もう…ちゃんと決めなさいよ…」
A「んへへ」
蛍「…はいもう終わりだから、今日はそれで我慢しなさい」
A「はーい」
蛍「もう」
A「ホタルも結んでみる?」
蛍「は、え?」
A「ほらそっち向いて」
蛍「ちょ、ちょっと」
A「〜♪」
蛍「なんなのよもう…」
A「はいっ出来上がり」
蛍「んー…」
A「可愛いね」
蛍「んなっ」
A「写真撮っていい?」
蛍「絶対駄目!」
A「えー可愛いのに」
蛍「何でそんなにテンション高いのよ…」
A「にへ」
M「…」プルプル
昭「マリー…これは私達も見せつけるしかねえな…」
M「うむ…」
昭,M「「チェンジ!マイヘア!」」
シャララーン
昭「よし」二つ結び
M「勝った」ワンサイドアップ
蛍「…」

蛍「何が?」
A「ふへへ」


・6.6と5.9

T:透、J:純、菟:木菟森、牛:牛鬼
T「ぶえっくし!」
菟「わっ」
T「ごめ…ズビッ」
菟「大丈夫ですけど…大丈夫ですか?」
T「さすがにこんな急に気温下がると体が追いつけない…」
菟「透さんでもですかー」
T「まぁ寒いまでいかないからまだいいんだけど」
菟「…」
J「…」ズゴゴゴゴゴゴ
菟「…いいんですか?」
T「まぁ…セーター着てるし…」
J「よかないわいどぐざれもんがぁ…」
T「はいはい人間カイロなりますんで」ギュ
J「良き哉…」
菟「透さんって平熱どれぐらいなんですか?」
T「えー?多分…36.6℃ぐらい?」
菟「やっぱりちょっと高いんですね」
T「軽く運動すると37℃行くんじゃない?」
J「じゃあ5kmぐらい走ってきて」
T「…自分で走れば良いんじゃないかなお姉さん」
J「汗が冷えて凍死したらどうするのよ」
T「気温10℃超えてて凍死しないでしょ」
菟「ちなみに純さんの平熱は?」
J「…36.1℃ぐらい?」
菟「0.5℃も差あるんですか…」
T「双子って何だろうね」
J「ねー」
牛「…」
牛(ジャケット着てても少し寒い…)
J「きーちゃん大丈夫?」
牛「え?」
J「ちょっと顔白いけど」
牛「…ヒートテックにすれば良かったって思っただけだ」
J「んじゃあこれ貸したげる」グイ
T「んぬお」
牛「いやいいよ…お前こそ死にそうだっただろ…」
J「私はこっち使うんで」ギュ
菟「え“っ」
J「ん〜良い感じにぬくい…」
菟「え、え〜…ちょっと恥ずかしいんですけど…」
J「つくちゃん寒くないの?」
菟「いえ別に…ってあれっ!?」グッグッ
T「あーあ…クラッチしてる…」
J「これで鳥籠のミミズク、私から逃げられると思うなーわはは」
菟「くっ…完全に油断してた…ならば」
J「んひぇ!?」
菟「ほらほら〜」コチョコチョ
J「ちょっ!やめっ!」
菟「よっと、純さんが脇腹弱い事知ってるんですから」
J「ぐぬぬ…」
牛「何やってるんだよ…」
T「あぁなるとお姉ちゃん意地でも暖取ろうとするから」
牛「はぁ…」
T「で」
牛「あ?」
T「寒いんでしょ、ほら」
牛「いや…別にそこまでは…」
T「遠慮しないのー…って手冷た」
牛「ちょっ」
T「うわ顔も冷えてるじゃん」ペタペタ
牛「おいやめっ」
T「背中とお腹どっちがいい?」
牛「は?」
T「あっためたいの」
牛「いやだからいいって…」
T「2択」
牛「…腹」
T「んん…そっちか…まぁいいや、じゃあちょっと失礼」ポスッ
牛「!?」
T「ほら手回して」グッ
牛「…」
T「どうよ、人間カイロは」
牛「…うるさい」
T「生き物なんだから寒いと色々と辛いでしょ、そうでなくてもきーちゃん体強いタイプじゃないだろうし」
牛「…」
T「平熱低いと免疫力も下がっちゃうらしいけどどうなの?」
牛「…」
T「…聞いてる?」
牛「…」
牛(人の熱っていうのを今までこんなに近くで感じた事無かったけど…)
牛(寒い日の人ってこんなに暖かいのか…)
牛(それに…よくわからないけど…)
牛(なんだか…気持ちも和らぐ…)
T「ねーえー」ペチペチ
牛「…あ、え?」
T「寝てた?」
牛「いや…」
T「本当…?まぁいいけど、平熱どんなもんよ」
牛「…36℃丁度ぐらい?」
T「えっお姉ちゃんより低いの!?そりゃ体弱いよ!」
牛「うるせえな、こんな体なんだから仕方ないだろ」
T「いややっぱ運動して筋肉増やして代謝上げないと、あと食え!」
牛「そんな量食えねえよ」
T「量じゃなくても回数増やすとか…」
牛「夜食という概念を理解できない時点で詰んでるだろ」
T「うがー」
牛「何でお前がキレてんだよ…」
T「…元気でいてよ、心配になるんだから」
牛「…」
T「それまでは…カイロでいてもいいから」
牛「…わかったよ」
T「素直でよろしい」
牛「…はぁ」

J「はぁ…はぁ…」
菟「ふー…」
J「…あっつ」
菟「それは…良かったですね…」
J「…なんかごめん」
菟「しょうがないですねぇ…」


・春待つ種

T:透、牛:牛鬼
牛「なぁ…」
T「んー?」
牛「…」
T「え、何、もしかしてアタシ振られる?」
牛「違うっ…違う…」
T「じゃー何よー、遠慮せんでいいぞーほれー」
牛「…お前って」
T「うん」
牛「…私の事好きなのか?」
T「…は?」
牛「いや、違う…違くないけど…順番が…」
T「…はぁ?」
牛「今のこの関係って…私が無理矢理始めたようなものだろ、透の気持ちをちゃんと聞いてないような気がして…そもそも本当に女を好きになれるのかとか…」
T「…あ〜」
牛「変な事言ってるのは分かってるけど…」
T「…正直に言っていい?」
牛「…嫌だったら別れてくれても」
T「待って待ってとりあえず聞いて。その、正直言うと」
牛「…」
T「正直、まだよく分かってない」
牛「…」
T「いや、あの時は何か勢いで言った感も無くは無く…そもそも今までの人生で誰かを好きになるとかときめくとか無かったから分かんなくて。でもこう…時々ね?きーちゃんがどんな顔してるかなとか、しんどそうじゃないかなとか気になるの。それで表情が柔らかかったら安心するし、辛そうだったら心配になるし。
まぁお姉ちゃんにもそんな感じではあるけど…お姉ちゃんは正直見なくても何となくわかるし、そもそも姉だしってのもあるし…うーん…」
牛「…」
T「何となくわかった?」
牛「…何となく」
T「うむ」
牛「…でも同性って事は」
T「う〜〜〜〜〜〜〜〜ん…」
牛「…別に男と扱ってくれても」
T「あーもーそうやってネガらないの。いやさぁ…そのさぁ…あのさぁ…」
牛「…」
T「…やっぱそういう事したい?単純にきーちゃんがしたいかどうかで答えてね」
牛「したいというか…触れ合って熱を感じたり香りを感じたり…透がそこにいるって感じたい」
T「ん“ん”っ、そういう恥ずかしくなる事言わないでよ…」
牛「何でだよ…」
T「んー…これも正直よく分かんないし…その時になってみないと分かんないけどさぁ…別にスキンシップ自体は嫌じゃ無いしそれだけが重要って訳でもないし…何となくわかって」
牛「…」
T「…ごめん、多分何も答えられてないと思う」
牛「いやいい、変に誤魔化されるよりはずっと安心できる」
T「そう…?」
牛「むしろ気を使われていつも喋ってくるんじゃないかとも…」
T「…今日調子悪い?」
牛「…若干」
T「家帰ったら休んでね」
牛「…」コク
T「…実はさぁ、前にも女の子に告白された事あるの」
牛「え」
T「中学の時にさ、好きです、付き合って下さいって。その時は同性にそういう好意を向けられるって事が分かんなくて、一週間ぐらい悩んで…」
牛「…」
T「待って罪感じないで。結局告白は断っちゃったんだけど、今思うと普通とか一般とか多くの人が調べ尽くした事とは違うまだ未開拓で分かってない事である事だから怖かったのかなーって。アタシ好きって気持ち自体もよく分かんない女だし」
牛「今回は二回目だからってか」
T「まぁ…そういう事になるのかな、好意を向けられるのは別に嫌じゃ無いけど…ね」
牛「…今更だけど私も正直これが好きって気持ちなのかよく分かってない」
T「えー」
牛「だから…少しずつだけど…二人で分かっていきたい」
T「そだね」
牛「はぁ…少しスッキリした」
T「そりゃなにより…ちょっと手貸して」
牛「ん?」
T「ん」
牛「ぅえっ」
T「ほっぺあったかい?」
牛「…あったかい」
T「ん、良かった」
牛「…」
T「あ、匂いはダメ。今日体育あったし」
牛(駄目か…)

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