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牧神の午後への前奏曲ピアノ黒田亜樹

ミラノで隔離生活も半ばを迎えました特派員黒田亜樹(通称クロアキ)です。陰性証明書をもって渡航したのに隔離生活義務という矛盾の中、買い出しに出かけることも、家事をすることも遠慮しなければならないので、書く時間はあるのです。

というわけで、ベルリン特派員チェリスト水谷川優子さんがボリュームたっぷりの記事を投稿してくれましたが、これからデュオのCD紹介、そしてライブ動画やデュオレパートリーについて書く前に、まずはそれぞれのソロ動画で引き続きnoteに慣れよう!

オーケストラの編曲物を弾くことに昔から夢中な私ですが、ドビュッシー作曲「牧神の午後への前奏曲」ピアノソロバージョンをご紹介。

このボルヴィックの編曲がとても素敵なのです。こちらの動画はミラノでもう十数年前に収録したもの。ミラノに移住したばかりで、指揮クラスの伴奏なども初めたころ。指揮者にとっては永遠の難曲かもしれませんね。指揮クラスでは必ず取り上げられるのがこの「牧神」ですが、指揮者の卵たちと楽譜に記載されたテンポについて喧々諤々となることしょっちゅう・・・。作曲家自身が書き記したテンポ指示にはかなり矛盾があるので、知恵の輪のように基準のテンポがなかなか見つからない。そこについていつまでも議論するイタリアの若者たち。イタリア人ってこうも理論的に融通が利かないのかと呆れたり感心したり。

指揮クラスでは二台ピアノやピアノ連弾で弾くのですが、この作品はラヴェルの編曲の連弾版が有名。独奏編曲は当時はなかなか見つけられなかった。図書館や楽譜屋を巡り、楽譜漁りをしているときに見つけたのがこの独奏版楽譜だったので見つけたときにはギャー――!っと狂気乱舞したものです。今はこういう珍しい楽譜もほぼネットで探せちゃいますね。この編曲もIMSLPで手に入ります。

↑今や簡単にネットで手に入る楽譜はこちら

この動画はイタリアのクラシックWEBチャンネルでの収録しました。
これとはまた別な録音は以下のCDでもお聴きいただくことができます。全曲20世紀のオーケストラ作品のピアノ編曲それも珍しいものばかり・・・・というオタクアルバムですが、イギリスのBBCマガジンで五つ星とかレコード芸術特選などになっています!

シェーンベルグの室内協奏曲をシェーンベルグの弟子シュトイアーマンがピアノソロに編曲した、超絶ゲテモノ編曲、これもある日古い楽譜屋で見つけてギャーっと狂喜乱舞してそれから10年弾きこんで録音した結構なオタクアルバム!世界にはオタクが沢山いるもので世界のいろんなオタクから今でもファンメールが届きます。先週もこのアルバム1曲目にはいっている「杉山洋一編曲マーラーアダージェットの超絶編曲スーパーアダージェット」の楽譜が欲しい、、、とトルコのピアニストから問合せがありました。国をまたぐ旅が簡単には叶わなくなってしまった今、CDが世界を一人歩きしてくれるとよーし次も面白いものを録音しよう!っていうエネルギーが湧いてきます。

このCDと同じODRADEKレーベルから今月末に水谷川優子&黒田亜樹のNEWCD「ブラック・スワン」が出るのです。そしてこのヴィラ=ロボス作品集にあたっても、世界の端まで楽譜を探しまわって録音が実現したわけです。

↓10月末日発売 ブラック・スワン よろしくおねがいします!


ミラノ特派員クロアキでした・・・


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