107~Another Story~

あなたが背負っているものは重たいね
結構重たいね

私は空っぽ
何も入ってないから重たくない

思い出す
初めてはなした時ドキドキした

あなたに恋心を抱いてしまったのは
完全なる誤算だった
何年も前に味わったような苦くて、
食べにくいものだった

電話を切って
自分の家に帰る事は考えていなかった
だから私はほぼ荷物はなく
ハンカチなどは持ち合わせてなかった

それなのに神様っていうものは
めんどくさい課題を当ててくる

雨なのに傘を持ってくるのを忘れた
子どものように
土砂降りの雨

残念、私は雨上がりの
アスファルトの匂いが大好きなのだ

なかなか終わらないね
私のこと置いておくんでしょう?

私は本当に環境に恵まれてこなかったのを
わかってくれたのは
確かあなただったような気がした

置いていかないで
手をつないでいて
お願いだから

踏みはずしてもいいから
部屋も狭いし、少しは綺麗にしておくからさ
だから前のように遊ぼう

どうしてこんなにも執着する
執着してもいいことなんてない

やっぱり私の事、置いていくんだね
その前に手紙置いておくね
悲しいけどサヨナラだよね
どうしようもなく

こういう感情を持っているうちは
生まれてきたことが罪
生きていることが罰


私みたいな人間は性格が悪い
そう相場が決まっている



そう思いたくなくても先天性なんだ

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