見出し画像

つわりしんどいなと思ってたら入院になった話

妊婦になりました。現在妊娠15週、もう少しで安定期というところです。

まだまだ出産までは半年もあり、道半ばにも程があるのですが、ここまで来るのに正直とても!とても!!!とても!!!!!しんどかったので、記憶が鮮明なうちに文章に残しておきたいと思います。

重かろうが軽かろうがつわりに苦しんでいるすべての妊婦諸君、貴女はひとりではありません。一緒につわりのある世界を恨もうな。


妊娠がわかった日

妊娠が分かったのはクリスマスも目前という頃、夫の一言がきっかけでした。

夫「なんか生理遅くない?」

やっぱり????

面倒くさがりな私は自分の生理周期もまともに管理しておらず、夫の方が前の生理がいつ頃だったか覚えている始末。でもそんな私でもなんか今月穏やかじゃね?と思う程度には生理が来ていませんでした。

まあ多分あのセックスかな?だとすればまあそろそろクスリでも反応出る頃やろ、と思い検査薬を試したところ、

3秒でこの通りでした。
(後ろに映ってるのは私のきったねえ寝巻きなので無視して)

画像1

線くっきりすぎんか?
なんかこう、1分くらい経ってから見ろとか書いてあるやん。薄ら線の場合でも陽性とか説明書きにあるのに、びっくりするくらい同じ濃さで線出とるやん。

と思いましたが、Twitterで調べたら適切な時期の検査だと秒で出るらしいですね。すげえな検査薬。

あまりにくっきりすぎて検査薬のエラーを疑いながら医者に行きましたが、淡々と妊娠5週であること、胎嚢が見えていることを説明されました。確定です。おめでとう私と夫。

この医者の帰りに同僚と約束をしていてもつ鍋を食べたのですが、しれっと頭痛薬を飲んだことにして酒を控え、大好物の鰤の刺身を自然とスルーした己の行動で、自分が妊婦となった実感を得ていったのでした。

吐き気いきなりすぎワロタ

もうね、びっくりしますよ。つわりの始まり方。

ほんの数日前まで普通に食ってたトマトパスタを秒で吐くようになるんです。妊娠がわかって1週間も経つと、気持ち悪すぎてもう身体を起こすことができなくなりました。

正直、覚悟はしていました。
何故なら実母がつわり激重だったと聞いていたから。これだけは食べられると思ってやっとの思いで買ってきたツブ貝の握りを父に食われて(どんな神経してたらそんな所業に走れるのかは不明)一生恨んでるって話は死ぬほど聞かされていたので、それくらいのレベルのことはわたしにも起こりうるんだろうなと想像はしてたんです。

でも知識として知っているのと、身をもって体験するのとは全然違いました。

何せ毎日夜通し日本酒飲んだんか????みたいな気持ち悪さがずっと続きます。(酒飲みにしか伝わらない比喩)
それが1日2日でもしんどいのに、毎日毎日毎日毎日毎日毎日続くわけです。

な、なんかわたし悪いことしたか!?!?!?
って毎日叫ぶレベルでソファとトイレを往復してました。

しかも、世間はね、お正月なんですよ。おせちとかお雑煮とか鰤の刺身とか、楽しみにしていたご馳走たちをもう羨む気にすらなれないこの身体。全然ハッピーニューイヤーじゃねえわ、ブルーニューイヤーって感じ。

ただ一方で、仕事がお休みというのには物凄く救われました。普通に仕事ある時期につわりを抱えて戦っている皆様は本当に偉い、偉いです。本当ノーベル賞モノ。

ホンッッットに動けない状態で過ごした年末年始でしたが、上長には妊娠発覚時点で報告を入れていたのが幸いして、年明けからは病院で吐き気止めを処方してもらいつつほぼ在宅勤務をキメることになったのでした。

にゅういん!

年明けすぐにここで産むぞ!と意気込んででかい病院にかかったのですが、時はコロナで緊急事態宣言待ったなしという情勢下。そのせいか医者もそれなりに淡々としていました。

「つわりひどくても治せないので、飲食ができないとかよっぽどの状況になったとして、入院して点滴して静かに"時"を待つしかないんですよね。まあ余程の事態であれば電話かけて病院来てください。」

つわりに治療薬はないというのは当然ながら知っていたので、そうだよなー。とそのまま吐き気止めだけ処方してもらい病院を後にしました。

この時はとりあえず果物とかゼリーとか焼きおにぎりとか、なんとなく口にできていたんです。1日2〜3回吐くけど。
ポカリだって何やかんや飲んでたし「余程の事態」までにはなっていない状態でした。

この日から1週間ほど経って、1日「今日楽じゃない???吐いてない!」という日が来ました。
あれれー、おっかしいぞぉ?(コ●ン君風)等と思っていたら、やっぱり来るんですよね。揺り戻しが。

ひたすら吐く。吐き気止めを飲んでいるのに、何を口にしても吐く。秒で、というわけではないけど何か食べた1時間後には吐く。

そんな日が2日続きました。で、なんとなく気付くんです。

「あれ、私トイレの回数少なくない?」

1日1回しかお小水がないんですよね。元々膀胱でかい系女子(初めて使った呼称)なので普段からあまりお小水の回数が多いわけではなかったのですが、明らかに頻度が少なくなって、量が少なくて、あと色と臭いが濃い。

後から気付いたことですが、「口に物を入れる」ことが吐くトリガーになることが多かったので、無意識に飲み物の量も減っていたんです。そして吐く頻度も増えていたので、見事に脱水を起こしていました。

さすがにお医者に相談か、と思うのですが、ここで淡々とした医者の言葉が蘇るわけです。

「余程の事態になったら電話して来てください」

.......

余程の事態って、どういう状態??????

一応食べて飲んではいるんですよね、この時点でも。だから、たしかにキッツイつわりではあるけれど、「きつい」レベルと「重症」レベルの違いがわたしには分かりませんでした。
というか、年末からずーーーーっときつかったので正直年末の症状とこのときの症状の差なんてあってないようなもんだったし、何より長期間つわりと戦って体力も無くなっていたから思考力落ちてた部分もあると思います。

夫も側で見守ってくれていろいろ助けてくれていましたが、そもそも私が上手く辛さを言語化できていないし(辛いまじ無理、しか言えない自分の語彙力のなさ......)コロナ禍で医者に一緒に行けたわけでもないので、大病院に電話かけなきゃいけないかどうかの判断は結局のところ自分でせざるを得ません。

結果、立つのもやっとにもかかわらず、とりあえずネットで予約できて行きやすい婦人科に駆け込むことにしたのでした。

息も絶え絶えで「余程の事態ってどの程度なんですかね......」と尋ねる私へ気の毒そうに「その感じだとかかりつけに行ってもらっていいと思うよ、このクリニックじゃ点滴とか何もできないしさ......」と答えてくれたあの時の医者には本当に感謝しかありません。

ぶっちゃけまわり道でしかなかったし、お医者の受け答えのそれは医者というよりほとんどカウンセリングの域だったわけですが、あの時優しく対応してもらえてなかったら家で脱水症状で死んでたと思うので。
いやまじで。

クリニックで電話する勇気を貰い、またその帰りの道すがら5回くらい吐いて半ば夫に抱えられながら帰った私は、翌日分娩予定の大病院に電話してかかり、検査をすると見事にケトン体プラス3。

重症妊娠悪阻の診断が下り、そのまま入院となったのでした。

点滴&病院食さいつよ

幸いにも入院すると、みるみるうちに私の症状は良くなっていきました。

私の場合、脱水症状がとにかく色んな不調の源になっていたようで、24時間点滴でとりあえず脱水状態から早々から抜け出せたのが大きかったです。

看護師さん曰く、脱水症状でつわりが重くなることがあるとのことで。水分取るの苦手な人は1日●mlは絶対飲む!とか決めた方がいいかもしれません。

また、病院食が毎回出たというのも大きなポイントでした。これをきっかけに「実は食べづわり説」に気づけたからです。

気持ち悪い時ってつわりに限らずシンプルに、食べやすいものを食べたくなりますよね?果物とか、ゼリーとか。
医者の通常の指導でも「食べられる物を食べられるだけでいい」という話でしたので、当然夫から「何食べたい?」と聞かれたらそのあたりのものをピックアップしていました。

一方、入院するととりあえず病院食が出てきます。
(絶食という場合もあるようですが、私の場合は食べるリハビリも兼ねて、食べられるものは食べてみてねという方針でした。)

画像2

出てきたら、気分が悪いなりにとりあえず食べてみるわけです。すると、意外とこの「家では絶対にチョイスしなかった食べ物たち」も食べられるんですよ。私の場合、匂いや味的に食べられないものはあるのですが(例えば写真の鶏南蛮は肉の匂い強すぎてだめだった)、匂いが混ざっていない白米とかシンプルな具のお味噌汁とかは口にできました。

で、しかもちゃんと食べるとお腹が安定して、気持ち悪くならないんです。ずっと水風船のようにふよふよしててすぐ決壊して吐く、を繰り返していた胃がお米の重みで下に重心を持つようになった......感覚的にはそんな感じでした。

そして、最終的には8割方食べられるようになり、予定よりも短い3日で退院することができたのです。

振り返ってみると、いちごとかを中途半端に食べても胃の重しにはなってくれなかったんで、そのまま吐いていたんだなあと思います。

お陰で退院後は何を食べればいくらか気持ち悪さが収まるのか、逆に何を食べると気持ち悪くなるのかが分かって、気持ち悪いなりに対処ができるようになった気がします。

その後

まるでつわりへの対処法を得てハッピーエンドを迎えたかのように書きましたが、以後も定期的にぶっ倒れながら今に至ります。

入院に至ったために職場では私の体調不良は周知の事実となっていましたし、現時点で特段妊娠を公にはしていませんが大体の人は私の妊娠には気付いていることでしょう。

幸いにもマタハラ等は思いつきもしない善良な人間が多い職場なので、退院後はたくさん助けてもらいながら仕事を続けていますが、表立って言わないだけで不満を抱えている人も絶対にいると思います。
そして助けてもらってもなお、日々調子が変わり思い通りにならない身体とそれに伴う仕事の質の低下に涙する日も多いです。

悔しい。本当に悔しい思いをしています。

ただ、だからといって私の場合はやっぱり妊娠しない方がよかったとは思わないし、あのまま無理して病院にも行かずに仕事をし続けていたら冗談抜きで私か子ども、あるいは両方の命が危うかったとも思います。

辛い時に辛いと言い、頼る時に頼ることは難しいことです。周りの環境次第でそのハードルの高さも異なることでしょう。
でも、妊娠とかいう超ハードモードミッションをこなしているときは、そこが思い切ってできるかどうかは結構大きな分かれ目になってくるのかもしれない、と思う、入院を経ての今日この頃です。













この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?