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失恋にカーペンターズが効いた話

今日、4月22日はカーペンターズの日とのこと。

世界中に熱いファンがたくさんいるカーペンターズ、私はファンといえるのかわからないくらいの、端の端くれなのですが、
そんな私がカーペンターズの歌をひたすら聴きまくって、救われた話をさせてください。

タイトルの通り、失恋したときのことです。
数えてみたら、もう10数年前だった(遠い目)。

失恋したときのこと

当時、浮かれた女子大生だった私は、半年ほど付き合った彼氏にフラれました。

先方からは、非常によくある経緯でお別れを告げられ(好きじゃなくなった)、
それに対し私は、非常によくある感じにごねて(他に好きな人ができたんでしょ)、
喧々諤々やりあった結果、お付き合いを解消するに至ったわけです。

10数年たった今思えば、まあフラれるよねと思う理由は多々あるのですが、
当時はただただ悲しく、心細く、悔しく、怒りに満ちた気持ちで、とにかく悶々としていたのでした。

あのエネルギー、すごかったな。

失恋ソングにひたれない

失恋したら失恋ソングを聴く、で思いっきり可哀想な自分を満喫する、
というのは割と定番な手順だと思う。
形から入るタイプの私もその手順を踏もうとしたのですが、
当時よく耳にした失恋ソングは、どうも自分の気持ちとしっくりこなくて、いまいちひたりきれない。
(以下は個人的な感想です)

西野カナはとても聴いた。
別れるか別れないかみたいな、瀬戸際では共感できたんだけど、実際別れてからは、なぜか少し引いた目線になってしまった。

たぶん、私としては、お別れした瞬間に「別れた」っていうのは動かない事実になって、
そこをどうこうしよう、って気持ちにはならなかった。
その点、西野カナ的なものと齟齬があったのでは、と思う。

ドリカムも聴いた。
ドリカムの失恋ソングは数多あって、どれも好ましいのだけど、ひたれるところまではいかなかった。

一番心情的に近かったのは「すき」かな。
でも、私は別れた直後に友だちの家で大泣きしたから、ちょっと違う。
かといって、「サンキュ。」ほどカラッとした気持ちでもなかった。

浜崎あゆみも勧められた。
しかし、あゆがかわいすぎて、共感する前にあのビジュアルがよぎってしまい、ひたれなかった。
HANABIとか、いい歌詞だなと思って聴いてました。

あとは、HYとか、ポルノグラフィティとか、加藤ミリヤとか、青山テルマとか、いろいろ聴きました。
どんだけひたりたいの、私。

カーペンターズに出会う

なぜそこでカーペンターズに出会ったのか、全く覚えてないんだけど、
そんな私の心にぐっさり刺さったのが、カーペンターズだったのです。

中でも、

I Need To Be In Love


を聴いたとき、
「これだ!これだよ!」
「やっと巡り会えた!!」
という気持ちになったのを覚えている。

邦題は「青春の輝き」とつけられてるんだけど、私には少し違和感があって、原題が好きです。

特に初め心にずどんと来たのが、サビの

I know I need to be in love
I know I've wasted too much time

という一節。

カレンのあのしっとりした優しい声で
「私、ほんと時間を無駄にしすぎちゃったわね」(拙訳)
って言われて、

ほんとそうだよ!そうなんだよ!それだよ!

頷きまくった。
その瞬間から、この曲はただのヒットソングじゃなく、私のための曲になったのでした。
少なくとも私が聴いていたあの瞬間は、確実に。

その前の歌詞も、あるあると思う内容で、

I used to say, no promises
Let's keep it simple
But freedom only helps you say goodbye

わかる、わかるよ。

若い頃ほどかっこつけたくて、こういう傾向があったように思う。
独占欲を口に出せなかったなぁ。

歌詞が素晴らしい、そして、それを淡々と低めの美しい声で歌うカレンが素晴らしい。
失恋してからの数ヶ月、何回この曲を聴いたことか。

未だにこの曲を聴くと、10数年前の自分の部屋、古いコンポ、カーテンの色、ベッド、当時の情景が蘇ります。


ちなみに、このとき、この曲以外にも、
いくつかやさぐれた私の心に突き刺さった曲がありますので、余談としてご紹介。

I Won't Last a Day Without You

当時、カーペンターズばかり聴いてると言ったら、友だちがカラオケで歌ってくれて、号泣した曲。

歌い出しが神。

Day after day, I must face a world of strangers
Where I don't belong, I'm not that strong

この寄る辺ない感じ。
そこからのサビの、

When there's no gettin' over that rainbow
When my smallest of dreams won't come true
I can take all the madness the world has to give
But I won't last a day without you

どんなに辛くたって、あなたがいれば、あなたがいなかったら、
っていう健気さが、胸に痛い。

Rainy Days And Mondays

月曜日と雨の日ってほんと嫌だよね!!!(今日)
という曲。共感しかない。

ただ嫌ってだけじゃなくて、

Nothin’ is really wrong
Feeling like I don’t belong
Walking around
Some kind of lonely clown
Rainy days and Mondays always get me down

なんかあったわけじゃない、でも思考がぐるぐるしてしまって、おかしいってわかってるのに、
ひたすら気分が沈んでしまうっていうのが、まさに。

社会人になってからもよく聴いてます。月曜日に。

結論: 失恋にカーペンターズは効く


数ヶ月のリピートののち、失恋の傷もそこそこに癒えて、
あの経験は完全に過去のものになったわけですが、
相変わらず私のプレイリストにカーペンターズは健在です。

カレンの歌声って、押しつけがましくなく、凛々しすぎることもなく、
そっと寄り添ってくれるんですよね。
励ましてくれる、っていうほど親身な感じではなくて、ただそこにいてくれて、でもなんとなく温かい感じ。

私の失恋には、その距離感が絶妙でした。

カーペンターズの日に、10数年前の化石のような記憶を掘り起こせてちょっと楽しかったです。
お読みいただいてありがとうございました。


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