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可愛獣マオモの波瀾万丈のエピソード集【エピソード1~ニ度の宣告~前編~】

原作…黒猫ロデム
編集…可愛獣マオモ


私は過去に医者から
『余命1年』
『寝たきりになるのを待つだけ』と
ニ度の『宣告』を受けたことがあります。

この2つの宣告はそれぞれ別々の
タイミングでやってきました。

『余命宣告』は29歳の時
『寝たきり』の宣告は31歳の時でした。


あなたに残された人生は
「ここまで」と命に期限を切られる宣告と
真っ暗な人生の道のりが
「どこまで続くのか」という
苦しい命の無期限な宣告

どちらの宣告の時も本当に辛く
深く落ち込んだものでした。

これからどうしたら良いものか…
と途方に暮れる毎日でした。

しかし、どちらの宣告の場合も
ひどく落ち込みはしましたが

『日本一の医者でも治せない
ならば自分で治すしかない!』

と開き直る思いに至りました。

『最高の医師は自分の中にいる』

当時は知識としては知りませんでしたが
感覚的には分かっていたように思います。


はじめて「子宮がん」と
診断されたのは25歳の時でした。

不正出血がひどく、貧血が続いていました。

『これはどうもおかしい…』

診断は初期の『子宮体がん』でした。

「部位を取り除き、抗がん剤で
完治します」とのことでした。

子宮は残して抗がん剤治療を
することになりました。

完治するかと思いきや
27歳で再発…

当時、息子が一人いましたので
「子供はもういりませんので
子宮ごと摘出してください」と
担当医師(私が赤ちゃんの時に
取り上げてくださった先生でもあった)
に申し出ましたが
「大丈夫、初期だから摘出は避けましょう」
ということで押し切られてしまいました。

こうしてニ度の抗がん剤地獄を経験。

もう二度と罹患しないと信じたのに
29歳で再再発…

その時、子宮がんはすでに末期状態…
肺にも転移しており、胃には別のガン…

『だから子宮をとってと
お願いしたじゃない…』

虚脱感がひどく
もはや言い争う気にもなりませんでした…

先生から治療法についての
説明が始まっていました。

お腹を切って?
電気ノコギリで肋骨を切除?
そしてまた抗がん剤も?!

冗談じゃない!
もういい、何もしない!

『抗がん剤治療の地獄』を
ニ度も味わったうえに再再発…

もう信用できない!

先生は言いました。
「手術と治療をしなければ1年も持たない」

ということは…
1年ぐらいは生きていられるのか?…

私は腹を括った…

死ぬかもしれない…

残された時間内に子供に色々と
教えてあげなくちゃいけない…
まだやりかけの仕事もある。

当時の仕事は
市内でも一番有名なくらい
忙しいスナック2店舗を経営していて
次に3店舗目のオープンを
準備しているタイミングだった。

3店舗目の開店計画は中止…

しかも、夜になって寝てしまうと
ニ度と目が覚めないのではないかと
不安で寝れず、寝不足の毎日でした…

それ以来…
暗闇に引き込まれそうで怖くなって
部屋の明かりを消して寝ることが
できなくなってしまいました。

店は結局、更にもう1店舗も閉めて
残した1店舗だけを回して
なんとか毎日を凌いでいきました。

そんなある日のこと…
店の客のひとりが
化粧品やサプリメント等を売りに
開店前の店にやってきました。

その当時はお店がよく流行っていたせいで
少し貯金をすることが出来ていました。

しかしその金を持ったまま死ねないし…
少し投げやり気味にこう言いました。

「買うたるわ!
持ってきたモン全部おいていき(笑)」
 
私自身、賢かったな~と思うのが
そのサプリメントを全く興味が無かった
にも関わらず、飲んでいた事でした。

病院の先生とは、治療はしないが
定期的に検査して経過観察をするために
通院する約束をしていました。

そして何度目かの定期検診の時に
先生は私にこう尋ねました。

「何かどこかで治療をしているの?」

質問には全く心当たりがありませんでした。

次の検診時、またその次の検診時と
検査の回数を重ねる度に段々と
尋ねる先生の語気が強くなっていきました。

「何か治療をしなければこういう数値は
絶対に出ない、何かしているよね?」

本当に何もしていなかった私は
ただ首を横に振るだけでした。


結果的には
『宣告』から約十ヶ月間で
ガンは完治しました。

開きなおって「自分で治そう」と
思ったせいなのか…
あのサプリメントのお陰なのか…

しかしこの経験によって得た学びと気付きは
とても大きく私の人生に影響を与えました。

『命の期限を切られた時』に頭の中を
グルグルと回って時が経つにつれて
膨れ上がってきたモノがありました。

それは…

『やらなかった事に対する後悔』でした。

あの時どうして言わなかったのか…
あの時どうしてやらなかったのか…

失敗したりして人に迷惑をかけた事など
思い出すことはあっても
全く後悔はありませんでした。

結局、詰まるところ…
人は人に迷惑をかけながら産まれて
そして迷惑をかけながら死んでいきます。

そうです!
人は迷惑をかけないで
生きる事は無理なんです。

『迷惑のかけあい』というモノは
角度を変えれば『助け合い』ということ。

そもそもの話、所詮人は…
迷惑をかけずに生きることは無理なのだ。

「迷惑をかけない」事を良しとするより

「あなたの迷惑なら被ってもいいよ」

と言ってもらえるような
『生き方』をしようとその時

心からそう思いました。


次のエピソードは

【ニ度の宣告~後編~】

ニ度目に訪れた『寝たきり』宣告
についてお伝えしたいと思います。

股関節の痛みに耐えられず
色々な病院に通うも…どの病院でも
原因が分からずたらい回しに…そして…
最終的に特定疾患の難病である事が判明…


マオモの詳しいプロフィールはこちら↓

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