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トロトロの生クリームの渦

さて、前回の投稿から何ヶ月か経った。今回は前回の投稿で楽しみだと言っていたライブの感想を書こうと思う。

ライブでは、みんな静かに彼女の言葉を聴いて、意味を紐解いていた。彼女の紡ぐ擬態語・擬音語に、時には直接的な表現に耳を傾け、ステージ上の彼女を優しく見守り、そして彼女の人生と自分の人生に思いを寄せていた。そんな空間だったと思う。

しっとり、ゆっくりとした時間が流れていた。

と同時に、自分の人生観の闇の部分が丸裸になってしまう恐ろしさも存在していた。

アコースティックギター1本で紡がれる曲がほとんどだったが、自作のインストに合わせて歌われる曲もあった。なるほど、アーティスト活動って自由なんだなと、ふと思った。

ライブは去年の11月27日。感想を綴るには時間が経ちすぎているが、それでいい。ライブを聴いてからしばらくはトロトロの生クリームの渦の中に埋もれているような、何と言っていいのかわからない感情にしばらく支配されていた。真っ白ではなくちょっと色付いた、でも何色かわからない感情。少しヌメっとした、でも不快ではない、もう少しこの感触に触れていたい、仄かに甘い、そんな感情だった。

私は日本語があまり上手ではないので、抽象的すぎる感想はこの辺にしておいて、ライブ後に起こった具体的な話をしようと思う。

ライブには、付き合って2年半経つ彼と一緒に行った。彼は自分のことを具体的に語る人ではない。過去のことや人生観などは尚のこと語らない。その彼が、ライブ後の食事中に、中学時代に様々な人と触れるなかで感じた複雑な心中や、今でもわからないことなどを堰を切ったように話してくれた。そして、不思議なことに私は彼の心中が手に取るようにわかった。

これも音楽の力なのか、と驚いたのを覚えている。

ライブ前は、「生歌からどんなパワーをもらえるのか」とワクワクしていたが、今回の答えがこれだったのだ。予想外すぎた。


日記のようなもの。今日はこれで終わり。

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