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読書の効能について考える

私の書籍ライブラリーとして、一番多いのが岩波文庫です。その次が学術文庫、それ以外という感じでしょうか。

特に岩波の場合は、ジャンルがありますので、分類分けをしますと、赤・青・緑・白の順番でしょうか。

他に学術文庫も未読も含めてかなりの量の本があります。

特に若い頃は、安い古本屋で岩波を大人買いしていたものですから異様に増えてしまって・・・・現在も読み切れない状態に置かれています。笑

一部、戦記物のような本は処分したりしましたが、それ以外の本は残してあるので、文庫本とはいえ中々の分量になって小さな部屋のスペースを圧迫しています。

まぁ、そんな与太話はともかくとして、最近読み終えた本が以下のタイトル

「奉教人の死・煙草と悪魔他」という岩波文庫「緑」の本でした。

芥川龍之介という人は非常に頭の良い人であったことは前回にもお話ししたとおりであり、私のような凡人では到底足下にも及ばないわけですが、有りがたいことに、活字を通じてこうした人の知恵を借りることが出来るわけです。

こうした偉人の智慧はやがて自らの智慧と合体して、いわばブロックのように積み上げられていくわけです。

芥川龍之介は若い頃に複数の外国文学にも精通していたとも言われています。

恐らく翻訳ではなく原書で読んだのでしょう。

それだけに、よりダイレクトに著者の思想なりを吸収してそれを自らの智慧にしていったと考えてしまうわけです。

今回読了した本では、「奉教人の死」他は、キリスト教が日本にやって来た頃の異教を受け入れた日本人の話としての短編が十話ほど有るわけですが、芥川の中で上手く融合して物語風となっているわけですが、独自の世界観と言いますか。

物語りを構成していく芥川の知性にはいつもながら感服するしか有りません。

文学というのは、読まなくても人生にさほど大きな影響は及ぼしません。

むしろ、読んでもそれが金儲けに繋がるという物ではありません。

それなら、投資の本なりを買って読む方がよほど手っ取り早いでしょう。

しかし、

文学を読むと言うことは作者の智慧を自らの知識の隙間に埋めていってくれる

と個人的には考えてしまうわけです。

語彙は少ないより多い方が良いわけです。

最近は本すら読まない人が増えていると聞きますが(漫画すら読まない)、それではダメでしょう。

頭が画像を見るだけになってしまう。検索結果を見るだけになってしまう。
そこで解決してしまう傾向があるように思えます。

コスパが良いとか、タムパが悪いとかと言う言葉が流行っているようで、何でもかんでも効率化という風潮が見られますが、ちょっと待ってくださいねと言いたいわけです。

コスパを良くするために、無駄な物を削った・・・これもありかと思いますが・・・逆にその

無駄な部分を更に付加価値を付けたら、新しい何かが生まれるという発想も大事なわけです。


タムパが良くないと言うのであれば、その良くない部分を検証して、削れる物なのかむしろ、何かを加えることでより良い物に変わるもしくは全く別のサービスになるのか・・・そんな風に考えてみることもありかと思う訳ですね。

文学とは、そうしたタムパだとか、コスパという点では、一番かけ離れている物でしょう。

活字を読むのは時間がかかる、ましてその場面などを想定しながら読むとなればこれまた脳を更に使うと言うことで、コスパは最悪となるでしょう。

自分で最後は考えましょうと言われたら・・・今求めている答えを先にくれよという人からすれば、もう最悪ですよね。

でも、他人の言うことをそのまま信じてもそれは意味ないわけです。

だって、他人とあなたは同一人物ではないわけですから。

それ故に。敢えて若い人には、文学を沢山読むことをお勧めしたいわけです。
無理して難しい本を読まなくてもいいわけです、でも一冊より二冊、二冊より十冊、読めば読むほど直接何もあなたには変わらなくとも、そうした読書した智慧は、自身の血となり肉となりではありませんが、知識のアップデートを図れることになる訳です。

私自身がそれを痛感しているわけです。
何も学ばなければ、何も知らないままで、語彙も少なく、より少ない言葉で表現をしている野卑な存在となっていたかも知れないわけです、タムパ的には最悪であっても、愚鈍に黙々と色々なジャンルの本を読む、時には十分理解できないまでも学び続けることで、基礎が出来ていき、有るとき一気に道が開ける場合もある分けです。

そんな風に考えると、改めて文学を読むと言うことは人生を豊かにしてくれる最良の薬だと思う訳です。
「良薬口に苦し」では有りませんが、良い本ほど難解で難しいかも知れません。
しかし、そうした本であるからこそ、より体に良いと言えるのではないでしょうか。

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