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今後世界的な流行が危惧される「BA.2.86」について

新型コロナウイルスが流行し続けています。
2023年9月20日時点で、日本を含め世界中で流行しているウイルスはオミクロン株に含まれる「XBB」系統のウイルスです。
新型コロナウイルスはこれまでも変異を繰り返してきましたが、2023年8月に現在流行している「XBB」と比べて30以上のアミノ酸変異がおきた「BA.2.86」と名付けられた変異株に注目が集まっています。

「BA.2.86」はBA.2から変異したウイルスで、以下のような特長があります。

  • 伝播力がXBB.1.5やEG.5.1といった第9波で流行している株より高い

  • 感染性はEG.5.1より低いが、BA.2と同等

  • 流行当初から使用されていた新型コロナワクチンや、オミクロン対応2価ワクチンで誘導された中和抗体の効果が期待できない

  • 「XBB」に感染して誘導された中和抗体に対して、高い抵抗性を示す

https://doi.org/10.1016/S1473-3099(23)00575-3

BA.2.86の特長


すでに東京都が公表しているゲノム解析では、1%で「BA.2.86」が検出されていますので、秋以降流行の中心となる懸念があります。

2023年9月20日から始まるXBB.1.5対応ワクチンは、「BA.2.86」に対して中和抗体を誘導し一定期間の感染予防効果や、重症化予防効果を期待できます。

モデルナ製XBB.1.5対応ワクチン接種後の中和抗体価

新型コロナウイルスは、一度感染すれば生涯感染しないようなウイルスではありません。
新たな変異株の流行がみられても、感染対策は変わりませんので、マスク・換気・手洗い・ワクチンといった感染予防にご配慮ください。

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