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人には聞けないお寺とお金のこと 3

元葬儀社 1級葬祭ディレクターがお答えします。

第三話 僧侶にいくら払えばいいのか?


<お布施のはなし>  こちらは無料版です




   
  1. 「御布施」

  2. 「御布施」に決まりはない

  3. 仏教宗派のちがい、etc

  4. まとめ 全国平均額

「御布施」

 本当によく聞かれるのが、
この「お寺さんにはいくら包めばいいですか?教えて下さい」
というものです。
 
 実はこれ、答えがないんです。
 
「御布施」というものは、布施、つまり坊主にたいする寄進、物やお金をあたえてやることで、多くは「お経代」「読経料」として取り扱われます。
 つまり、ここでお客さんに聞かれているのは、
葬儀の時に、いくらの金額をお寺さんに渡していいのか?払う金額を教えて欲しいということです。
 
さきほど、答えがないといったように、布施は、いくらでもかまわないのです。
それこそ、昔はお金ではなく、お米や食べ物をわたしていたくらいです。
(相当、むかしですが)
 
 渡す、袋の中に入れるお金の金額はその時により変わります。
本来は、その時に、支払える金額です。
だから、金持ちはたくさん、貧乏人はすこし、その人の気持ちで、せいいっぱいだせるもの(金)を包みます。

「御布施」に決まりはない


 
 つまり、その金額が1万円でも、100万円でも価値は同じ、意味合いは同じになります。
 
まあ、そんなことを言うと、{具体的にいくらなんだよ!}という話になりますね。
 
  実際、いわゆる相場というものあります。
同じお寺に、ある人は1万円で、ある人は100万円で、というのも困ります。
そして、お寺さんも、いくらでもいいからと言って、もらった袋を開けたら、千円札一枚では、お寺の運営もできません。

ですから、いくらかかるのか?直接、住職に尋ねる人も多くいます。
かっては、「御布施」の金額をお寺に尋ねるということはとても失礼な行為とされていました。
 でもいまは、それでは困るというわけです。

私の印象では、良いお寺、立派な住職ほど、お金の金額は答えません
「お気持ちで結構です」
と。
 ただ、皆さんもそれでは困りますし、恥を忍んで聞いたのに、、、となってしまいます。

 お寺としても、まったく相場の分からない人が多いですから、最近は、金額を一覧にして喪家に提示するお寺もたくさんいます。
 ただ、気をつけたいのは、お寺から聞かされた金額が、思っていた以上に高くてもその分のお金を用意しないといけません。
 ”100万円”と言われれば、100万円を払わないといけないのです。
だから、昔の人は聞けなかったので、お寺に詳しい年寄り(檀家総代をしているような人や、長老みたいな人)に聞いたわけです。

 もちろん、不当に高すぎる「御布施」を何が何でも払わないといけない、というわけではありません。
 今はそんな時代ではありませんから、、、
 
 困るとすぐにネットを検索するのも今の人たちです。
でも、ネットでみても、なかなか、具体的な金額は載っていません。
そう、載せないようにしているのです。
全国的にみると、共通している金額というものはないからです。
 
うっかり載せた金額をうのみにして、それをお寺に払い、後から、足りなかった、払いすぎたとなれば、そのネットの人物や会社も訴えられかねません。
それほど、この御布施の金額というのは、まちまちで、正解がないのです。
 
葬儀社のなかには、自社で寺院を手配するようなところもあり、一律料金を掲示しています。(後で、具体例をここに書きます)
 
 正直、その価格は都市部の価格で、地方ではもう少し安いような気がします。(私の印象ですが)
 
 ちなみに、この御布施以外にも、いろいろな名目でお金を包むことがあります。
例えば、「戒名料」「御車代」「御膳料」「志」「御仏前」などなど
田舎に行くと「色代」「野菜料」とか聞いた事のないような名目でお金を包んだりします。
当然ですがその中身、金額もろいろです。
 
 表書きにこの「御布施」と書き、その下には「施主」の名前が書かれます。
この「施主」と皆さんの知っている「喪主」という表現も意味は違います。
「施主」と「喪主」は、ほとんど同じ意味でつかわれることが多いのですが、実は、べつものです。これはまた別の機会にお話しします。

 また、基本的に、僧侶の数だけ「御布施」は包みます。
一人なら、一つで良いですが、二人なら二つ、三人なら三通の包みが必要になります。当然、金額も増えます。
 
 
こんな風になると、一般の方はもうついていけない、となるかもしれません。
 
 
ですから、よく「お寺さんに、いくら包めばいいか、教えてくれ」
                         「御布施の金額を相談したいんだ」
                         「葬儀屋さんなら、相場をしっているでしょう?」
 
とよく尋ねられるわけです。
 
 私たちは、まず「ご親戚の方に聞いてみて下さい」と答えるのですが、答えてくれる親戚の年寄りがいない場合が多く、
居ても、そういうことに詳しい親戚は、以前と違い、口出しをしない人がおおいのです。
そしてなにより「家族葬」の時代です。

 結局、「やはりわからないから教えてくれ」となります。
 
 そう、確かに、こういう仕事をしていると、包む金額の相場や、場合により、その寺の具体的な金額をしっていたりします。
 
 ただ、会社からはお客さんに絶対に答えないように、厳しく言い渡されます。
それは、なぜか?
 
 さきほど、ネットの話でしたように、
この「御布施」の金額にぜったいはないからです。
「1万円も100万円もおなじ金額の世界」といったように、決まりが無いのです。
 
そして、もう少し、細かく言うと、
亡くなった人とお寺の関係で金額も変わります。
住んでいる地域でもかわります。
宗派でもかわります。

仏教宗派のちがい etc



  宗派といのは、仏教でいうところの、真言宗、曹洞宗、日蓮宗、浄土真宗天台宗、臨済宗など18宗派のことです。
 ちなみに、キリスト教にも、カトリック、プロテスタント、そのほかのキリスト教系列の新興宗教と、いろんな宗派が存在します。
 若い人は、自分の所が仏教だとわかっていても、なんの宗派ということまでは知らない人もたくさんいます。

 御布施の金額は、どこの宗派でもだいたい同じです。
ただ、浄土真宗はすこし、他の宗派よりも「御布施」の金額が安いです。

 昔から。「門徒のものいらず、金いらず」などと言われて、他の宗派よりも簡単でおかねもかからない、などとよくいわれました。ここでいう「門徒」とは、壇信門徒といい、「浄土真宗」の信者の事をいいます。
 また、浄土真宗では、いわゆる「戒名料」というものがいりません。他の宗派ではふつうにお経代の「御布施」以外に、良い戒名をつけてもらうと戒名代として「戒名料」がかかります。
しかし、浄土真宗では一般的に、「御布施」の中に含まれていると考えています。
 
 ちなみに、浄土真宗ではこの「戒名」をつかわずに「法名」といます。つまり特別な場合をのぞいて、「法名料」がかからないということです。それだけでも他の宗派よりはお金がかかりません。
 この、「戒名」ではなく「法名」という表現には、浄土真宗の意味合いが深くかかわっているので、住職がその理由、意味をとうとうと語る場面がよくあります。
まあ、それだけ他の宗派よりも優れている、違うんだということを言いたいわけです。
 
*(「浄土宗」と「浄土真宗」は別ですから、まちがわないでください)
 
 
 
 亡くなった人と、そのお寺の関係では、「家柄」というのもかかわってきます。
なかには、お寺がその家の資産を値踏みして、「御布施」の金額を決める事もあります。
 同じ曹洞宗の寺院でも、ずいぶんと金額が違う事はよくあります。
 
“地域で違う“ということは都市部と地方、というだけでなく、同じ県内、地域でも違います。
 
 ある町では、同じ仏教のお寺が集まり(お寺にも横の繫がり、組合のようなものがありあます)で、「御布施」お金のことが話し合われて、いくらにするか統一したことがあります。
 お寺同士で、金額がいろいろだと、寺としても困るということで会議がされたわけです。お寺によって金額はまちまちと言ったのは、先に話した通りです。
 で、結局どうなったのかというと?
金額の安い寺と、高い寺と、その中間で、決まり   では?
 残念ながら、ではありませんでした。
高い方の寺の金額に合わせられました。
まあ、確かに、安い方の寺に合わせては、高い寺から反対が出るのは想像の通りです。
こうして田舎なのに(私の偏見ですが)ずいぶんと高い「御布施」に決まったことがあります。
 
 
だから「あのお寺は○○円です」と答えても違う場合があるのです。
そうすると、もしもこの金銭でトラブルになったとき、必ず家の人は逃げて、葬儀屋がこういったからだ、と責任の転嫁をします。
まさにクレームのもとです。
 
お金がからむトラブルほど、厄介な物はないのです。
だから、会社としては、答えてはいけないのです。
 
 ただ、こんなふうに、お寺への金額に決まりが無い理由をたくさん述べても、金額を知りたいと思っている人には、答えにならないでしょうから、不満やるかたないですね。
 
それでは、私の知る範囲内でお答えしたいと思います。

まとめ 全国平均額


 
ただし、ここからは有料にさせていただきます。
誰でもみれる無料では、必要のない人も見れますし、不特定多数の人がみるということは、悪意を持ってみる人も出てきそうです。 
 
 こんなことで、訴えられてはたまりませんので、本当に参考にしたい人だけみてください。
有料金額は、あんまり安くても、高くてもね、、、と

一応、ワンコイン、500円に設定しました。
(500円で、5千円余分に払わないで済めば、安いかな?と
思ってもらえると嬉しいです)
 
ちなみに、こんな資料があります。

<お葬式のお布施金額の全国平均42万5千円>


葬式の際に寺院へ渡すお布施の相場は、地域によって30万円前後変動し、
全国平均42.5万円
となっています。

※ 出典:一般財団法人日本消費者協会「第12回 葬儀についてのアンケート調査報告書(2022年3月)」
だそうです。

 具体的には、どのような内訳、金額になっているのか、このあと詳しく説明をしていきたいと思います。
 
全国的な金額と、大手葬儀サイトなどで提示している
僧侶への金額と、あくまでも、私の住む地方都市の例をもとに説明をしていますので、それでもいい、参考にしたという人だけみてください。
この続きの内容は
第四話 <御布施と御仏前のはなし>(有料版)を見て下さい。

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