見出し画像

第27話「目の前が真っ白に」

「1年以内に結婚したい方限定の婚活パーティー」で知り合った女性は、ロングスカートが印象的な、痩せている大人しい感じの方でした。名前をロンスカさんとします。
 ロンスカさんと何度かLINEのやりとりをして、お互いピクサー映画が好きということが発覚しました。飲み会の時に、「『インサイド・ヘッド』を観た」と言っていて良かったです。そしてちょうど良いことに、その時東京都現代美術館で、『ピクサー展』が開催されていました。「ぜひ行きましょう」ということで、『ピクサー展』へ。

 当日、清澄白河駅の出口付近で待ち合わせです。
 季節は5月。天気は快晴で、とても気持ちの良い絶好のお出かけ日和でした。
 待ち合わせ時間5分前に到着すると、すでにロンスカさんが待っていました。その日もロングスカートでした。ロンスカさんの雰囲気にとても合っています。私はと言うと、白シャツにジーンズ、ジャケットを羽織って、ザ・王道の爽やか男子を演出。服のセンスは皆無ですが、清潔感だけは心がけております。

 13時に待ち合わせしたので、お腹が空いております。お昼食べましょうと、途中にあったハンバーガー屋さんに入りました。
 さすが美術館の近くです。なかなかオシャレな感じのお店でした。お店のチョイスも成功。ハンバーガーも美味しいですし、会話も弾んでいます。とても良い感じ。完璧です。

 お店を出て少し歩くと、美術館が見えてきました。美術館に近づくにつれて、私は違和感を覚えました。最初はちょっとした違和感でした。入り口まで来て、『ピクサー展』の大きな看板を見て、そこでようやく違和感の正体に気づきました。

 今日休館日だ……。

 目の前真っ白になりましたね。
タクヤ「ちょ、ちょっと待って。あれ? あ、今日って……。あれ?」
 動揺しまくりです。妙に人が少ないと思っていたんです。「人気無い訳ないよなぁ……」と疑問に思っていましたが、謎が全て解けました。休館日! チェックするのを完全に忘れていました。
 ロンスカさんは優しい人で、「今日お休みだったんですねー。私も調べておけば良かったです」と言ってくれました。優しすぎ。100%私が悪いので、ひたすら謝りました。

ロンスカさん「どうしますか。映画とかでも観ます?」
タクヤ「良いですね! 調べます!」
 ロンスカさんのエスコートに必死に食らいつきます。
 すぐに観たい映画も決まり、駅に移動するとようやく落ち着いてきました。
タクヤ「事前に席を取っておきますね」
ロンスカさん「スマホでできるんですか? スゴいですね」
 褒められて「簡単ですよー」と余裕ぶって操作します。操作しま……、あれ? ちょっと待って。あれ? あれ?
 いつもPCでやっていたので、スマホ予約に苦戦しております。クレジットカードの登録がうまくいきません。ロンスカさんが「どうしました?」と問いかけてきます。「いや何でも?」と強がります。「逆にどうかしました?」と聞き返す勢いです。
 財布からクレジットカードを出して、打った数字を見比べ、「合っているはず……」とつぶやきます。この状況、何でもない訳ないです。完全にテンパっています。
 4度同じ操作をして、何故か4度目でうまく行きました。そういうセキュリティですかね(違)。

 観た映画は忘れてしまいましたが、微妙だったことは覚えています。
 その後近かったので東京スカイツリーに寄ることにしました。晩ご飯を食べて、スカイツリー内をブラブラ散策。
 ここで私は、スカイツリーに「どんぐり共和国」があることを思い出します。知らない人は「何言ってんだ」と思うかもしれません。「どんぐり共和国」とは、ジブリのグッズ店です。ずっと気になっていたんです。
 ロンスカさんに伝えると、ロンスカさんも行ったことがないとのことで行ってみることに。

 ジブリ好きにはたまらないお店でした。テンション上がりました。

画像1

 可愛いグッズがたくさん。

画像2

 一角にはこんな心踊る飾りまで!

画像3

 私だけでなくロンスカさんも楽しんでくれていたようなので良かったです。
 帰りに「またー」と言って別れましたが、本日大失態を犯してしまった私。はたして”次“はあるのでしょうか。
 震えてお待ちを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?