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夏休みの宿題はいつやっていましたか?

あなたは、夏休みの宿題をいつやっていただろう?

仕事でいつも納期がギリギリの人に対して、「夏休みの宿題は最終日にやっていたタイプ?」と言ったりすることがある。

僕は夏休みの宿題をいつやっていただろうか?52歳になった今となっては、思い出せない。

現在の僕は仕事に関しては、余裕を持って取組む方だ。納期が10日後なら、受注当日でアイデアが鮮明なうちに取り掛かる。しかし、仕上がるまではいかない。そこで、途中までやって他の仕事に取り掛かる。この他の仕事というものも、仕掛りの仕事である。だから、常に複数の仕事が並走している状態になる。

世間ではマルチタスクと言われることもあるが、おおよその仕事は終わったら次という具合に都合よく進むものではない。

で、納期が3日後に迫ってきたら、ほぼ完成にまで持ち込む。そして、前日に手を加えて、当日の朝に見直してから提出するというのが、大体の仕事の流れである。

原稿を書いたり、企画書の作成をする仕事が多いので、仕事時間と完成度は比例するとは限らない。サクサク書いた原稿の質が高かったりすることもあるけど、文章が先に進まず、何とか書き終えたというものもある。多分、僕は、納期ギリギリに仕事をすることを好まない人間である。

知人で、とにかく仕事をギリギリにする人がいる。その人にも、「夏休みの宿題は最終日にやっていたタイプ?」と聞いたことがある。答えは、「違う」と言うものだった。彼の答えは、「9月3日頃にやっていた」というもので、どういうことかと言うと、新学期が始まって、最初の授業の前日に宿題をするというのだ。ここまでくると大したもので、彼は毎度、納期ギリギリ(一般的には遅れている)で仕事をしている。

彼がこうした仕事をしても許されるのは、たいていの場合、「発注者」であるからだ。僕から見ても彼は発注者(要はお客さん)であるから、原稿を書くためにもらわなければならない情報が遅れても、僕は文句を言えない。社長でもあり、社員さんも仕事を頼まれる立場なので、僕と同じ感覚だろう。

その彼が最近熱心に読んでいるのが手塚治虫さんの評伝漫画である。そこには、締め切りを超えても作品にこだわる姿が描かれている。こう話せば、好意的な印象があるが、締め切りを守ってもらえない編集者や印刷会社のスタッフは大変である。

世の中、勝てば官軍だなと思う。名を残せば、仕事のやり方は称賛される方に向かうのだ。

僕は納期を優先するタイプなので、時間切れと共にこだわりを捨てる。

締め切りと仕事へのこだわりに関して、世の中には4つの種類があるようだ。

1:締め切りを守って、仕事へのこだわりがそこそこ

2:締め切りを守らずに、仕事の質が強烈

3:締め切りを守らずに、仕事の質が悪い

4:締め切りを守って、仕事の質が高い

当然ながら、4がいいわけだけど、手塚さんのような人もいる。でも、評伝を読むと仕事が遅いタイプではない。締め切りを守らない理由は、仕事の量が多いということではないかと推測する。

仕事は、時間×質×量という立体モデルになっているようだ。たぶん、仕事ができる人は、仕事を立体で捉えている。やっぱり納期は守ったほうがいいと思う。



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