自分についてきちんと考えるということ
「こんなはずではないのに」と思うことがあるなら、自分について深く考えるタイミングだと思います。
人生には偶然にうまくいくことがあります。宝くじに当たることは稀でしょうが、商店街のくじ引きに当たることくらいはあるでしょう。
こうしたラッキーはありがたく受け取り、私はついていると思えばいいと思います。
逆に、ついていないと思う時の考え方が重要です。
たとえば、出かける前に靴の紐が切れたら、不吉なことがあると思うのでなく、出かける前でよかったと思う。道を歩いていたら自転車とぶつかった。その時に、「車でなくてよかった」と思う。
どんなことでもプラスに考えれば人生は好転するという教えがあります。個人的な見解かもしれませんが、なんでもプラスに考えすぎると、反省がなくなります。用心もできなくなります。自転車とぶつかった経験があれば、次からは用心をする方がよいでしょう。
こうした信仰があるのは、人生を幸運と不運で考えるからでしょう。あまりに、幸運と不運で考えると人生をコントロールできなくなります。(運をコントロールできるという人もいますし、コントロールできる部分もあると思いますが、上級者編です)
自分について考えるとは、運を考慮しないで自分を理解するということです。
では、ついていない時に、どう考えればいいのか。
何かが起こった時に、自分に原因があると考えるということです。
上司の虫の居所が悪い時に居合わせて、八つ当たりをされたら不運です。しかし、あなたの他にも多くの人がいた中で、あなたが八つ当たりをされたとしたら、あなたにも原因があるのです。
自分に問題があるとか、人よりも劣っていることを自覚せよ的な話をしているのではありませんよ。
八つ当たりする上司なんてバカなのです。でも、バカに対して怒るとあなたも同じレベルになってしまいます。また、怒ったところで、社内的に上司に権力があるなら、さらにつらく当たられてしまうかもしれません。
ついてないと思う前に、バカな上司はスルーすればいいのです。
「すみません、以後気をつけます。」と言って、そのことは忘れてしまいます(そんなに簡単にはいかないかもしれませんけど)
他人からの圧力に関してスルーする能力は重要です。他人は、あなたの都合にいいようには動きません。期待しても無駄なのです。バカな上司は、何か大きなきっかけがなければ変わりません。
あなたがきっかけを与えようとするなら、パワハラで訴えることです。しかし、会社側が上司を支持すれば、あなたの立場が悪くなります。
人生、バカな奴について考えている暇などないのです。
人生は自分のことを考える時間を多くした方が建設的です。
他人について考える時間を増やしてしまうとこんな風になってしまいます。
「あなたが成功しないのは、自分についてきちんと考えていないからかもしれない」
で、自分について考える。
しかし、人は自分のことがわかないと言われます。確かに、他人よりも自分を理解することの方が難しい気がします。しかし、「人間、自分のことなんてわからないよね」と言ってしまうのは思考停止です。
もちろん、「わからないのがミステリー」と自分の神秘を楽しみたいのなら、わからないままの方がいいでしょう。
しかし、「こんなはずではないのに」「もっとよくなりたい」と思うなら、自分について考える必要があります。
自分のことはよくわかっていると思っても、予想する結果になっていないとしたら、何かの理解が違っているということです。
自分について考えるとは、自分の何がわからないのか、どこがわからないのかを具体的に考えるということです。
「なぜ、自分は満足できる状態にないのか」
「どうすれば、満足できる状態になるのか」
重要なことは、他人の存在を入れずに考えるということです。誰かが何かをしてくれたらうまくいくということを考えずに考える。
でも、難しい話ではないと思います。
たとえば、自分の能力よりも給料が安いということに不満があるとしましょう。
なぜ、満足できる状態にないのか?と考えた時に、周囲が自分の評価を間違っている(と思う)なら、どうすればいいのかは、周囲にわかってもらう実績を出すか、転職するか起業するかになります。
もっと自分はモテていいはずなのにと考えているとしましょう。
なぜ、モテないのか?と考えた時に、世の女性(もしくは男性)に見る目がないのだと考えたとしましょう。どうすればいいのかは、女性(男性)にわかってもらう行動をするか、モテる努力をするか、自分がモテる場所(国)に行くかなどになります。
なぜ、満足できる状態にないのか。どうすればいいのかは、割と簡単に思いつきます。
思いついても行動ができないのは、結果に相手を介在させるからです。上司が評価してくれればとか、彼女が自分の魅力に気づいてくれればと期待しても、上司は他の部下を評価し、彼女が他の人を好きになることを止められません。
満足できない状態を満足できる状態に変える方法は、自力でなんとかするのが圧倒的に確実です。
説教臭い話になりましたが、あなたは、そんなことくらい、わかっていると思います。わかっていることができない。またはわかっていることをやらない。
ここが問題なのです。
なぜ、自分はやればいいはずのことをやらないのか(できないのか)
その理由は、たったひとつです。
あなたが、ビビリだから。
なんと自分はビビリなのか。
この理解が自分をわかるということだと私は思います。
・他人に期待するのはビビリだから
・一歩を踏み出せないのはビビリだから
・彼女(彼氏)がいないのはビビリだから
・収入が少ないのはビビリだから
・ブラック企業で働いているのはビビリだから
・人を批判するのはビビリだから
・居酒屋で上司の悪口を言うのはビビリだから
あなたが満足できない人生を歩んでいる理由は、あなたがビビリだからです。
私は、自分がビビリだと認めることはとても重要だと思います。
ビビリにくせに、ビビリだと認めない人は、常に言い訳を逃げることを考えます。逃げていると思われるのもカッコ悪いと思うので、逃げていないふりをして逃げています。こうした態度は2人にはバレます。
プロボクシングのミドル級世界チャンピオンの村田諒太選手が、二度目のタイトルを手にした試合後のインタビューでこんな話をしています。
――不安はなかったか?
「不安がないわけないでしょ。不安がなかったら、ルーティーンなんてやらないし、こんな哲学的なこと考えないし。不安はあっていいと思う。不安があるから頑張るし、不安があるから成長していると思うし、不安があるから見ていただいて共感していただけると思う。自分はヘタレやし、それでいいと思う」
引用
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190712-00066706-theanswer-fight&p=2
ヘタレというのは、関西弁で「ビビリ」という意味です。
何でもかんでも前向きに考えたり、無理やりプラス思考をすることは、冷静な判断力をなくします。
ビビリな自分でいい。というか、ビビリなので仕方がない。ビビリだからがんばろう!という考えこそ、プラス思考だと思います。
自分はビビリだからこそ、がんばろうと奮い立つことこそ、自分についてきちんと考えるということだと思います。