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夫婦と親子は、まったく違う結びつきである

私にも家族があった時代があります。時代というか、20年間家族と暮らしていました。家族というのは、親と配偶者と子どもで構成されます。それらは、家族の一員として構成されるわけですが、まったく違う結びつきであると思います。

これは、離婚によって家族を壊してしまったからこそ、感じることです。

私が最初に始末書を書かなければならないのは、家族を壊してしまったことについてでしょう。

いつだったか忘れてしまいましたが、興味本位で占い師に将来のことを聞いたことがあります。その時に言われたことが、「家族の縁が薄い」ということでした。その時は、まだ学生だったはずで、私の家は家族揃って夕食を食べる家でしたので、全く実感がありませんでした。

今にして思えば、家庭に縁が薄いというのは当たっていました。

独身独り身(彼女がいないという意味)。ですし、両親を関西の故郷に残したまま関東で暮らしています。

親との縁も薄く、子供との縁は切ってしまいました。離婚をしてから二人の娘とは、5年以上も会うことができませんでした。高校生の時ですから、彼女らの大学生活については全く知りません。

一生会うことはないかもしれないと思っていました。

この話をすると、誰もが「いつかは関係が復活する」と言いましたが、気休めにしか聞こえませんでした。娘たちと会わなかったのは、離婚をする時に、奥さんだった人と「娘には会わない」と約束したからには他なりません。

結婚している時から、随分とひどい夫だったと思います。常に、彼女を見下げた発言を繰り返していましたし、気に入らないことがあると、反論できないほど、厳しい話をしました。しかしながら、理論的に納得がいくような話でもなく、チンピラが言いがかりをつけるようなレベルです。20年もの長期に渡って、我慢していたのだと思います。

結婚も離婚も書類1枚の関係ですが、結びつきという点では、案外と強固です。相手を自分の所有物のように感じてしまいますし、横柄な態度にもなります。恋人同士だと喧嘩が別れにつながることがありますが、結婚していると、よほどのことがない限り、離婚にまでは進展しません。恋人と配偶者は大きな違いがあるのです。

しかし、離婚してしまえば、他人です。

奥さんだった人は仕事をしていませんでしたので、家のローンは私が払いつつ、私が家を出ました。収入はありませんので、生活費も支払いました。金額的には、サラリーマンの平均年収よりも多い額だったので、時々、この話をすると驚かれました。

お金を振り込んでも、お礼を言われることもなく、離婚してしまった夫婦というのは、そんなもんかなと思います。

今でも毎月振り込んでいます。

世の中には、養育費を支払わない男性が多いと聞きますが、それはやってはいけないことです。自分のお金を我慢しても、養育費は支払うべきでしょう。これは私の持論かもしれませんが、結婚している間の負債はその後も続くのです。

離婚して何年も経ち、娘たちは社会人になっているのに支払いを続けていると、まだ愛情があるのだろうと言われることがあります。これは愛情ではありません。償いです。

法律的には何の義務もありませんが、捨ててしまった家族を無視して自分が幸せになるとは思えません。せめて金銭的に困窮しない状態にしておかないと、私の心が休まりません。

というような話をすると、随分と私が稼いでいるように聞こえるかもしれませんが、5年間の支払いで1200万円の借金をしました。

そして、その後に恋人になってくれた人にはセコい姿を見せつつ、何個かの恋をダメにしました。

多分、娘が心配だったんでしょうね。そして、娘にとって、かっこいい父親でいたかったんでしょうね。誰もが言った「いつか関係が復活する」というのを信じて。

でも、この時は、そんな日が来ることは想像ができませんでした。


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