【ドラマ】優作&ミワのように──そうなりたいし、そうありたい

 数々の名作を輩出しているテレビ東京の「ドラマ24」「ドラマ25」シリーズ。出演者が魅力的な人ばかりで観始めた『すべて忘れてしまうから』も心にくっきりと刻印された。
 燃え殻の同名エッセイが原作で、さっそく読んでみたのだが、うっすらとテイストは残しつつの、ドラマはほぼオリジナル。原作も独特の雰囲気で、なんとなく“あのお方”のことが頭をよぎったら、やっぱり最後の最後で登場(M.Sさん←なんでイニシャルにしてんだかようわからんがなんとなく)してきて驚いた。が、その着想からこういう話(だけじゃなく、ちょっとしたセリフのやり取りなど細部に至るまで)にしてしまうのは、天才集団としか思えない。

 以前から「心地好い癖のある脇役」として注目していた北村有起哉主演のBSテレ東『たそがれ優作』にもすっかり虜。こちらの原作は『深夜食堂』で知られる安倍夜郎のコミックス。やはり原作のテイストを生かしつつのオリジナルの模様だが、『バガボンド』の続きがいつまで経っても描かれない(井上センセ、頼んます!)ので、久々に漫画読んでみよっかな。

 BSテレ東といえばもうひとつ、『インターホンが鳴るとき』も欠かさず観ている。通常、この手(夫の不倫相手を排除していく)の作品には興味がないが、ひとえに主演の土村芳さんの魔力ゆえ。つか、やはり普段は手を出さないタイプのドラマ、日テレ『ブラックファミリア』(筒井真理子さん、森崎ウィンくん出演)といい、深田晃司監督『本気のしるし』出演者の“その後”を追いかけている形だ。北村さんもなかなかインパクトある役で出てたしね。

 日テレ『コタツがない家』は小池栄子ファンとしてはたまらんホームドラマ。吉岡秀隆のダメぶりは、なんだか自分を見てるようでくすぐったい。こちらはドラマオリジナルで、金子茂樹さんの脚本。小林薫、高橋惠子の元夫婦なんて、とても贅沢なキャスティングのスパイスが利いている。

 NHK夜ドラ『ミワさんなりすます』は、堤真一に引き寄せられて。山口紗弥加&片桐はいりの怪演もやみつき要素。しかし、どんな育ち方をしたら、あんな綺麗な目のままで大人になれるのだろう松本穂香ちゃん。
 こちらも原作はコミックスだそう。初回のレンタルビデオ店のシーンから『COFFEE & BLUES』のパッケージが目について、気になって色めき立って……ってのちに出てきたニコラス・シラー監督って、作品はジム・ジャームッシュ、本人はヴィム・ヴェンダースがモデルだよね。原作者なのか脚本家なのかわからんが、どなたかと趣味が近いようで、嬉しい小道具&サイドストーリーだ。

……って、数えたら現在、同時6作を追いかけてるのか。で、これ以外にも過去の作品やらなんやらをたくさん観ているのだから、これはもう、「脳みその引き出しの勝負」だ。開けるとこ間違えちゃうと混線しちゃうから。

 どの作品にも、誰かしらに自分を重ね合わせて観てる。最も共感してる(というか指針)のは北見優作(北村有起哉)と久保田ミワ(松本穂香)の誠実で実直な部分。自分もそうなりたいし、そうありたい。

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