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【日記】有明/2023年4月8日(土)

※写真=記者席からの眺め。ラウンド中に視界を遮る観客多数。そのあたりの“教育”から、あらためてやらないといけないなと固く誓った

?:00 就寝
8:30 起床
 夜中にふと目覚めると、いつの間にやら腕まくりをしていた。無意識に暑さを感じていたのだ。上着を1枚脱ぐ。さらに、インナーの腕をまくる。ようやく望んでいた気温になった。でも調べたら、明日はまた5℃くらい下がるらしいが。

 心地好い快晴。ビッグイベントにふさわしい陽気だ。

13:00 出発
 東上するにつれ、なんだか雲行きが怪しくなっていった。今日は折り畳み傘を家に置いてきちゃったし、また例によって雨男発令となると困るなぁ…なんて思いながら東京に向かったが、幸い、降られることはなかった。時間帯によってはポツリポツリとあったらしいけど。

15:00 有明アリーナ着

 各試合ひと言感想。

阿部麗也は「絶対にここから先には踏み込まないぞ」という境界線を徹底的に守り抜いた。右が少なかったのはキコ・マルティネスの左フック対策か。あの左を生かす右、強い右リードがほしい。

勢いやパワーだけではない、佐々木尽の恐ろしさがついに爆発した。あの小原佳太ですら引っかかってしまったトリックがある。そして、最後に決めた右ストレート。レフトフッカーの印象が強すぎて、本人もそれのみにはまり込んでいた時期もあったが、右ストレートもまた、いままで隠されてた必殺ブローだ。

格闘技のすべてが体に染み込んでいるかのような、那須川天心のパフォーマンスだった。もう、相手が醸す雰囲気や微動作で、何が飛んでくるのか体がわかっているのだろう。「目がいい」という言葉で片づけられない「予測」の世界。間の取り方、間合いの築き方、足運びとどれもが独特で、ボクシングにはないものだった。

先出し、後出し、さらには敢えてリボリオ・ソリスに右を出させるよう誘発させての右カウンター。井上拓真はこの試合ではそこに徹底的にこだわり抜いた。そして独特でやりづらいソリスのテンポと攻撃を、いともたやすく回避していく技。ともに高い技術があるからこその、ハイレベルな攻防だった。

8ラウンド、またまた息を吹き返したアンソニー・オラスクアガの猛打を連続して食った寺地拳四朗。形成逆転と思われた続く9ラウンドのあの仕掛けには心底恐れ入った。おそらくインターバルで、加藤健太トレーナーが「先に仕掛けろ!」とけしかけたのだろうが、あの状態で行けるとは……。アンソニー・ジョシュアに終盤効かされたオレクサンドル・ウシクが、ギアを上げて盛り返した姿が重なった。勝負師の底力を感じた。それくらいギリギリの戦いだった。
 そしてオラスクアガ。何度も沈みかけながらその都度踏ん張って、KOの香り漂うところまで持ち込んでみせたのは心底感動ものだ。

0:00 帰宅
 クールを装いながら、その実、大興奮状態だったオレの体。帰宅して、ひとりになってその感情をようやく解放した。

 

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