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“色”や“空気”を伝えたい。ボクシングカメラマンに求めること、自分がそうありたいと思うこと

※写真はすべて今月14日、畑中ジム(愛知県名古屋市)で行われた田中恒成の公開練習より

「ボクシング記者になりたい」「ライターになりたい」という声を、ある時期からさっぱり聞かなくなった。SNS全盛の時代だ。「匿名で好き勝手書く」ことで満足する人が増えて当然だし、これで生活を成り立たせるのが厳しいという現実を、しっかりと見つめている向きもあるのだろう。すっかり“単なるブロガー”となってしまった自分の責任もひどく痛感している。

 そんなライター事情に反して、「ボクシングを撮りたい」というカメラマンはどんどん増え続けている。実際に、関東でコンスタントに撮っているカメラマンをざっと思い浮かべただけでも6人。これに新聞各紙の持ち回りカメラマンや各地の人、希望者も含めると、敷居が高く感じられたひと昔前に比べれば、空前絶後の「ボクシングカメラマンブーム」である。ライター同様、ボクシング撮影だけでご飯を食べている人は皆無に等しいし、趣味で撮っている人も多し、だけれども。

 いちばんはもちろん、「ボクシングを撮る」魅力が大きい。これは、すでにボクシングを書いている“書き手”も同様だ。かつてのフィルム時代に比べ、デジタルになったことでカメラが身近なものになったこと、他の業界に比べ、ボクシングは入り込んでいく間口が広いということも大きい。

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