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じっくり読書を。

去年、今年と本が読めていない。どれくらい本が読めていないのかというと、読書メーターに登録している今年の読書数を見てみれば、今年読んだ本の冊数は17冊。17? 月2冊程度ということになる。由々しき事態だ。

学生の頃、または事務員として働いていた20代半ばの頃は、もっと本を読んでいた。とはいえ、もともと読むのが遅いので、月10冊を超えれば大したもので、だいたいが7冊前後だったように思う。若い頃は、小説を書くのに「とにかく読んで吸収する」ことが必要だと感じていた。それくらい、手持ちの語彙やら表現力やらが足りていないという実感があった。

去年からグンと読むのが減ってしまったのは、単に読書に飽きたからというわけではなく、眼の疲れが深刻だったという理由が大きい。どれくらい深刻なのかというと、外に出ると、外の光か風にあたったせいか、目がずきんと痛み、涙がぼろぼろこぼれて視界が悪くなるくらいだった。当然、眼科にも行ったけれど、さして異常は見られず、眼精疲労とまではいかないただの「目の疲れ」だと先生に言われた。

目が痛みだしてからも仕事はしなくてはならないので、パソコン作業をしてはいたけど、代わりに小説を読んだり書いたりということを控えるようになった。とくに読書は注意深く見る作業なので、1時間も読めば目が疲れて使い物にならなくなった。

対策として、キューピー〇ーワを飲みだしたり、あとはリラクゼーションとしてヨガやら瞑想やらをやっていくうちに、次第に目の疲れが気にならない(でも多少はある)くらいに落ち着いた。これでやっとたくさん本が読める! という状態に近づいたのかもしれない。

目がある程度落ち着いたからといって、最近ではばかすかと図書館で本を借りてきてしまう。ぜんぶ読み切れないでしょ、とわかっているのに借りてしまう心理は読書好きの人ならわかる(?)かもしれないけど、図書館に来ると目移りし、あれもこれもとなる。けれど、借りたうちのはんぶんくらいは読み切れず、返してしまうことも多い。

もっと本を早く読めたら、たくさんの本が読めるのに……。そんなふうに感じる人は多いのではないだろうか。わたしも事務員だった頃、仕事終わりの時間と休日ではまかなえきれない読書量をどうしたらいいか、悩んで速読本の類に手をつけたことがある。けれど、その本の通りにやったとしても、きっと文字は拾えるけど、内容を心に落とし込むことはできないだろう、と思って、無理に速く読もうとするのをやめた。

研究によると、人間の読書スピード(言葉を認識する速さ?)は、すでに遺伝によって決められているらしい。高校時代、月に30冊の本を読む知の巨人みたいな女子高生がいたけど、あれは先天的なものだったのか……。遺伝子レベルの話になると、もう抗いようがない。

だから気になるところだけピックアップしてつまみ読みするのが効率良く、速く読める方法ですよ、みたいな話も出てくるのだけど、それが使えるのは実用書などのもので、小説には通用しない。結論を言ってしまうと、小説は速く読まなくていい部類の本ということになる。

でも、月2冊しか読めない現状は頂けない……。数がすべてというわけではないけど、蓄積される量というのはばかにはならない。仕事をしていて月に13冊(再読含む)読んでいた頃は、脳の回転速度が(気持ち)速かったなあ、なんてことを覚えている。それは保存されている知識量が多いと、現実の物事と関連づけやすいからなのではないか、と推測している。これ(起きた体験)はあれ(保存された知識)と繋がっている、というふうに。

とかく、できれば下半期の読書量を増やしていきたいところ。あともう少しで読書メーターに記録してある読了本が合計400冊行くので(たまにカウントしていない本もあるが)、400冊を目指し本をコツコツ読んでいこうと思う。じっくりコツコツと。



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