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小さな物語。

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2022年11月の記事一覧

【掌編小説】忘れていた秋の色

【掌編小説】忘れていた秋の色

 ぷちん、と呆気なくそれは切れた。使い始めて初日というのに、動揺も苛立ちも感じなかったのは、それが三百円均一で買った安物のネックレスだったからだ。三十歳過ぎて三百円均一? あり得ない! 友だちの直子はそう言うだろう。いつだったか、SNSで「大人になればなるほど、安物の服が似合わなくなる」と呟いていたひとがいた。わたしはチェストの上に置いた鏡を(これも三百円均一)手に持ち、鏡の前で口をいーっと真横に

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