マガジンのカバー画像

25
拙い詩の数々
運営しているクリエイター

#詩のようなもの

【詩】星が月を追いかけるように他

【詩】星が月を追いかけるように他

「星が月を追いかけるように」

朝目が覚めると カーテンの下が光る
晴れた日なら君に会えると 僕は安心するんだ
あれから夜の星を いくつもの星を
僕は覚えて そのどこかに君はいるのだと
信じて 信じて 祈りのように
もし君があの夜 僕に電話をしたのなら
苦しいと ひと言でも言ってくれたのなら
言葉を尽くして 君にここにいてほしいと
伝えただろう たとえ無力に終わったとしても
夜が終わるのが怖いんだ

もっとみる
【詩】「冬の花の名」ほか

【詩】「冬の花の名」ほか

「青い記憶」

街や空や花の色がまた変わってしまったと
穏やかな日でも 戸惑ってしまう
手をすり抜けていく 記憶の糸を
手繰りよせるように 君を思い出しているのに
夜が来るたび 孤独がわたしをさらいそうになるたび
あの歌を口ずさむ
おぼつかない指で弾きながら 君が歌っていた歌を
どのような関係になりたかったのか 今でもわからない
喉を熱くする 強いお酒をあおったように
会えない事実が わたしを狂わ

もっとみる
「片隅の絵葉書」ほか

「片隅の絵葉書」ほか

「片隅の絵葉書」

透き通った朝方 ふいに目覚めて
あなたの夢で 目が覚めて
青く暗い部屋に ひとりでいる
自分自身が とても不憫に思えた
望むものは 多くなかったはず
ただあなたの部屋を飾るもののように
壁に留めた 片隅の絵葉書のように
ただ、そばにいたかった
初めから 予感がしていたの
あなたは いつか離れると
会話が途切れて 窓外の雨を見る
あなたの横顔が とても悲しかったから
誰も必要とし

もっとみる