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課題解決、業務改善を成功させるための手順

課題解決、業務改善を成功させるための手順「問題解決研修」や「業務改善研修」は人気がある研修だ。この研修では、まさに「問題解決をするための手順」を学ぶことになる。

問題解決の第1ステップは、「問題の発見」。ビジネス上の問題としては、顕在化した問題、潜在的な問題(リスク)、目標未達の問題、の3つがあるが、どの問題を解決するのか、問題を分析し、優先順位をつけて解決すべき問題を決定する。

ここで、問題を構成する3つの要素を言語化することが大切。「問題とは何か?」という定義から言うと、問題とは、現状と理想の状態のギャップのこと。したがって、3つの要素とは、①現状、②理想の状態、③そのギャップ、ということになる。①の現状だけを見て、問題を語るなかれ。なぜ、それが問題だと思ったのか、と自分に問いかければ、自分が思っている②の理想の状態が見えてくる。ただ、②については、関係者の人たちも納得できるかどうか、慎重に吟味する必要がある。①~③を言語化し、③のギャップを埋めるべく、①の現状から、②の理想の状態へ向かうのが、「問題解決」ということになる。

問題解決の第2ステップは、「現状と原因分析」。問題は、①の現状の中にある。現状がどうなっているのか、それが業績や生産性にどのような影響を与えているのか?現状も業績や生産性に与える影響も、どちらも「事実」に基づくものだ。ここで、個人の価値観や解釈が入ってしまうと、問題解決の方向性がぶれやすくなり、関係者のベクトル合わせが難しくなる場合があるので要注意。

原因分析は、真の原因を追究する。「ロジカルシンキング研修」も人気の研修だが、この研修で学ぶ「ロジックツリー」や「もれなくだぶりなく」、「なぜなぜ5回」などを駆使して様々な角度から根本的な原因をすべて考えてみることだ。現在の業務は高度化、複雑化しているので、複数の原因が絡み合っている場合もあるからだ。

問題解決の第3のステップは、それぞれの原因に対して、課題・目標を設定すること。問題の根本的原因が複数ある場合には、どれを最初に解決すればより効率的に問題を解決できるのか、という優先順位付けも必要になる。

問題解決の第4のステップは、それぞれの課題・目標に対して、解決策を考えること。1つの課題・目標に対しても、複数の解決策がある。こちらも、影響度、コスト・時間、実現可能性、難易度、短期・長期などの視点から、優先順位をつけて解決策を選択することになる。

このあと、次のステップである実行に移行していくことになるのだが、「問題解決」と言った場合に、第1ステップから第3ステップを飛ばして、いきなりステップ4から始める人たちが多いように感じる。そして、その人たちは「問題がどこにあるか、わかっている」と言う。「何が問題なのか、説明してください。」と質問すると、「なぜ、そんなわかりきったことを聞くのだ」と言わんばかり。このような状態では、周りの協力を得るのに苦労する可能性が高い。

問題解決に向かってうまくいっていればよいのだが、うまくいっていない場合は、第1のステップに逆戻りをせざるを得ない。例えば、「ミスをなくすためには、どうすればいいか?」と聞かれたとしても、「なぜ、ミスがあることが問題なのか?どこに影響があるのか?(顧客の信頼?手戻りによる時間超過?)」「どういう状態が理想の状態なのか?(ミス0を目指す?ミスを見つける仕組み・仕掛けを作る?)」という第1ステップからやり直しになる。そもそも、現状でそのミスが業績や生産性に直接影響していないのならば、ミスをなくすことの優先順位が高いとは言えないかもしれない。そうなると「ミスをなくすためには、どうすれいいか?」と考えること自体が無駄な時間になりかねない。コンサルがいれば、そのコンサルが第1ステップへ引き戻す役割を果たしてくれるかもしれないが、自分で第4ステップから、第1ステップへ戻るのは、かなり難しい。

だから、問題解決に着手する最初から、この手順で行うことが、問題解決の成否を決めるといっても過言ではないと思う。そして、特に大切なのは第1ステップだと思う。問題を明らかにし、問題の要素ひとつひとつを言語化し、関係者を巻き込みながら進めていくのが、結局は、問題解決に向かうための近道なのではないか。急がば回れ。仕事をスムースに進めたいのであれば、それなりの手順を踏むことが必要なのだ。


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