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属人化を解消するための最初の一歩は何か?【業務改善】

最近、マニュアル作成研修でも、ナレッジマネジメント研修でも、受講生から問題としてよくあがるのが属人化。大きく分けると、2つのパターンがあり、①ベテラン社員と一般社員のスキル格差が大きい、②業務をひとりで行っておりブラックボックス化している。

どちらの場合も今までは問題なかったのだ。一人の人間がより多くの業務をこなし、業務を経験する中で知識・スキルを獲得し、スペシャリストになった結果が属人化と言える。

ただ、ここには将来のリスクが潜んでいる。ベテラン社員の退職とともにスキルが社外に流出してしまったり、ベテラン社員以外は満足のいくサービスが提供できなかったり、ベテラン社員がいないと業務が停滞してしまったり。さらに悪化すると、ベテラン社員も一般社員もモチベーションが低下し、離職にいたることもある。

属人化を解消するための第一歩として、登場人物を整理してみよう。登場人物は3人(又は、3つのグループ)。1人目は、スキルを持っているスペシャリスト、「有識者」と呼ぶ。2人目は、知識・スキルが必要な一般社員。「継承者」と呼ぶ。「継承者」の中には、自分が「継承者」であることを自覚している場合と、自分は無関係だと思っている2つのパターンがある。3人目は、担当者や役割分担を決めている「管理者」。

では、属人化を解消するためのたった一つの方法とは?それは、属人化の当事者である登場人物を特定し、3者間で、属人化の問題を解決したいかどうか、合意することである。

属人化の多くの場合、「管理者」は今までと同様、「有識者」と「継承者」に丸投げ。「有識者」は業務が忙しくて「継承者」の育成が自分の仕事だとは思っていない。「継承者」は、毎回「有識者」に質問しなければ自分の仕事が進まない状況にストレスを感じている、又は、隣の人の業務がブラックボックスになっていても無関心。このような状況になってはいないだろうか?

このままでは、3者のうちの一人が「属人化を解消したい!」と思っても、周りが動かず空回りでストレスをため込むことになる。3者間で、解決したいかどうかの合意がなければ、結局、誰かが現状容認しているということになる。「そうはいっても、人も足りないし、時間もない。」それでも3者間でリスクに対する共通認識があれば、3人(3者?)寄れば文殊の知恵。業務の棚卸をして、特にボトルネックになる業務を洗い出すなど、小さなことでも何かできることがあるはずだ。

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