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問題解決の「問題」とは何だろう?【問題解決】

どこの会社でも問題は山積している。ひとつが解決すれば、また新たな問題が発生してくる。安心して欲しい。問題解決は、人間にしかできない仕事だから腕の見せ所だし、プラス、新しい問題がでてくるのは、組織が進歩している証拠だから。

とは言っても、問題をそのままにしておくことはできないので、「問題解決」のスキルが必要となる。問題の定義からいくと、問題を語るには3つの要素が必要となる。3つの要素なくして、問題を語るべからず!

3つの要素とは何か?

問題の1つめの要素は、「現状」。人は現状だけを見て「問題がある」というが、ビジネスではもっと深堀が必要だ。「ミスが発生するのが問題だ」「システムがないのが問題だ」。コンサルでこの手の発言を聞いたとき、必ず、突っ込む。「ミスが発生するとなぜ問題なのですか?」「システムがないと何が起きるのですか?」と。企業経営の視点から考えると、経営に何の影響も及ぼしていないのなら、そのままで「問題ない」のではないか?

問題の2つめの要素は、「理想の姿(あるべき姿)」。なぜ、ミスが起きると問題なのか?それは、「ミスが起きないといいなあ。」と思っているから。なぜ、システムがないと問題なのか?それは、「システムがあれば、こうなるはずだ。」という期待があるから。「こうありたい。」という漠然とした思いがあるからこそ、人は現状を見て「何かが違う」と思い、そこが「問題だ」と言うのだ。「理想の姿・期待感」を是非、言語化してみてほしい。

問題の3つめの要素は、現状と理想の姿のギャップ。このギャップがあることが「問題」ということになる。そして、現状から理想の姿へ向かうことが「問題解決」。どこに向かうかわからなければ、「問題解決」もままならない。ギャップを埋めるために行うことが、「課題」となる。

もうひとつ、ポイントがある。「現状」とは「現実」であり「事実」であるということだ。現状には個人の意見の入り込む余地はない。頭の回転が速い人は、先に「解決策」を考えてしまう人が多い。「解決策」は、個人の価値観(意見)を強く反映している場合が多い。例えば、「システムを導入する」「マニュアルを作成する」など。周囲の人は、「システムを導入すると問題が解決するのか?」「マニュアル作成で問題は解決するのか?」との疑問があると、解決への道は険しくなる。

結局、「問題ってなんだっけ?」という状況にならないように、①問題を3つの要素で語る、②事実と個人の意見を混同しない、のが問題解決では重要。問題を解決するためのプロジェクトが進んでいるのに、まわりから「あのプロジェクトで、本当に問題は解決するの?」と言われないように。

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