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プロマネに必要な自問自答~4つのなぜ

最近、プロジェクトマネジメント研修や、クリティカルシンキング研修で、「4つのなぜを自問自答する」というのを勧めている。コンサルがいれば、コンサルが質問して考えを深めることができるのだが、コンサルがついていないプロジェクトマネージャーやリーダーは「自問自答」をして自分の考えを深めていく必要があるからだ。「なぜ?」の自問自答は、いろいろな場面で役に立つ。

プロマネやリーダーが自問自答すべき「なぜ?」は、以下の4つ。
① 目的を明確にする「なぜ?」
現在や将来、やろうとしていることに対する「なぜ?」。
「なぜ、それをやるのか?」と問えば、それをやることの目的が明らかになる。
プロマネやリーダーは、一緒に仕事をする人たちを動機づけし、人を動かして、目標を達成する。その時に必要なのが、「目的」。「なぜ、それをやるのか?」という目的が明確になっていなければ、人を動かすことは難しい。

② 原因を追究する「なぜ?」
過去に起こった現象や、現在、起こっている事象に対するなぜ?
この「なぜ?」は、その現象・事象の原因を追究する「なぜ?」
プロジェクトでは、常に予期しない何かが起こっており、それに対する迅速な意思決定が求められる。そのためには、現状把握、現状分析が必要。「なぜ、その事象が起こったのか?」を分析し、問題の本質を見極めて、問題解決に向かうための「なぜ?」

③ 自分の考え、行動、感情に対する「なぜ?」
「なぜ、自分はそう思うのか?」「なぜ、自分はこういう行動をとったのか?」「なぜ、自分は、こういう気持ちになるのか?」という「なぜ?」
これによって、自分の思い込みや、自分の限界を知ることができる。
プロジェクトは、チームメンバーや関係者との共同作業。自分の思い込みや、自分の限界を知ることによって、考え方の幅を広げることができ、周りの人たちの協力に感謝できるようになる。そうすれば、プロジェクトの成功が近づくはずだ。

④ 他人の行動に対する「なぜ?」
「なぜあの人は、こういうことを言ったのか?」「なぜあの人は、こういう行動をとるのか?」と考えることで、他者理解が深まる。他者理解を深めることで、共感力を鍛えることができ、より周りの人たちの協力を得ることができるようになる。ポイントは、自分自身への「なぜ?」と違って、他人の場合は「行動」限定だということ。事実に基づいて、考察するということだ。他人の感情や考えを推測してみても、確かなことはわからないので、考えること自体が時間の無駄になることがあるからだ。

②の原因追及の「なぜ?」については、問題解決研修や業務改善研修で、「なぜなぜ5回」ということで、受講者にワークでやってもらうことが多い。これは、トヨタが発祥で、製造現場や、業務改善、問題解決などの場面で使われる手法だ。例えば、製造現場で不良品が発生した場合など、「なぜなぜ5回」のフォームが準備されていて、根本原因を探るために使っているという会社もある。

次に私がやってみたいのは、①の目的を明確にする「なぜなぜ5回」。例えば、業務改善の目的が、「ミスをなくす」という場合、「なぜミスをなくしたいのか?」という質問。お客からのクレームを少なくするためなのか、それとも、手戻りの時間を短縮して時短(処理効率のアップ)を目指すのか、目的の「なぜ?」を深堀するための「なぜなぜ5回」も有効な手法だと思うのだが、どうだろうか?

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