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業務改善、個人の目的の先には何がある?【業務改善】

「業務改善」は、発祥はトヨタの工場で、昔から生産管理では言われていたが、日本から輸出された「改善」が「KAIZEN」として逆輸入され、事務部門まで広く適用されて、個人の評価にも取り入れられるようになったのは、ここ十数年のことではないか?

これは、業務がIT化されてひとりひとりの業務範囲が拡大化、複雑化し、部署のマネージャーが全部の業務を把握することが難しくなってきたからだと思われる。業務改善は、マネージャーが業務命令を下すものではなく、現場のひとりひとりが推進していく、完全にボトムアップの手法だ。

ここで注意すべきは、個人の選ぶ「業務改善のテーマが」、組織の目的である「健全な経営を行うための効率化」に合致しているかということ。例えば、「業務改善」が個人の年間目標に入っている場合。私は同僚からテーマについて相談を受けると、2つの条件を考える。ひとつは、通常業務の片手間で、時間をかけずにできること。もうひとつは、失敗せずにある程度の成功を収める目途がたっていること。個人の評価にかかわってくるので、評価を上げるにはどうすればよいかを考えると、この2つの条件を満たす案件を選ぶことが賢明。

結果、どうなるか?難しい案件よりも、簡単な案件を選ぶことになる。失敗する恐れのある業務改善には手をださない。これは、同僚にアドバイスする立場からの話だが、立場を変えて、管理職として、又は、コンサルの立場からはどう考えるのか?

個人個人が選んだ業務改善のテーマが、経営にプラスになるかどうかを判断する必要があるだろう。経営にプラスになるとは、経営目標やミッション、部署の目標と合致しているかどうか?一般的なテーマとしては、売上向上、顧客満足度向上、商品・サービスの価値向上、生産性の向上(時短、効率化)、コスト削減、従業員のスキル向上などに、直接結びついているかを検証する必要がある。

「ミスを減らしたい」、「システムを導入したい」という改善テーマがあれば、それがどのように経営目標に結びつくのかストーリーを考えてもらった上で、テーマを決定したいものだ。管理職としては、業務改善のテーマ選定を現場、部下まかせにするのではなく、俯瞰的な視点から、経営目標に合致しているかどうかを判断するべき。現実には、業務改善がまったくの部下まかせになっていて、やっている感を出すことには成功していても、大きな業務改善効果が出ていない会社もあるのではないだろうか?

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