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NISAの図解

NISAを図解してみました。
この図解は「政策図解」という形式で書かれています。政策図解は、1枚で政策の基本的な情報をモデル化するものです。 

追記:
ついに「政策図解」が本になりました。これまでnoteで書いた記事を大幅加筆して生まれました。社会のしくみがみえてくる、50の政策を図解した本です。よければぜひご覧ください!


人生100年時代と言われる昨今、老後のための資産形成に興味のある人は多いのではないでしょうか。

今回は、そんな人が一度は耳にするであろう「NISA(少額投資非課税制度)」を紹介しています。「一般NISA」「積立NISA」の違いもまとめましたので、一緒に読んでいただくとより自身の資産形成についてより具体的にイメージできるかもしれません。

それではどうぞ。


NISA

一定の条件下において投資で得た利益を非課税にする制度

2019年、金融庁の報告書が発端となり「老後2000万円問題」が話題になった。

【老後2000万円問題】(※1)
2017年度の家計調査では、高齢夫婦無職世帯(夫が65歳以上かつ妻が60歳以上で世帯主が無職の世帯)では、平均収入と平均支出の差額が月5.5万円であった。
金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」は上記データに基づき、老後30年間生活するためには合計2000万円ほどが不足する、との試算を発表した。

 ※1 https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf


この試算は2017年度の平均値を用いているため、実際には各世帯の収入・支出によって不足する金額が異なってくるものの、人生100年時代と言われる現代において資産形成が重要であることは間違いない。

あなたは普段どのような資産形成に取り組んでいるだろうか?

日本は欧米諸国に比べて、家計における金融資産のうち預貯金の占める割合が高い傾向にある。
日本銀行が発表した2021年8月の調査(※2)によると、日本では現金・預金が54.3%、債券証券・投資信託・株式等は計15.7%に留まっている。
対照的にアメリカでは、現金・預金は13.3%、債券証券・投資信託・株式等は55.2%に達している。

※2 https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf


こうした背景を踏まえ、”貯蓄から投資へ”の流れを生み、より積極的に資産形成に取り組める人が日本で増えるよう、NISA(少額投資非課税制度)が2014年にスタートした。

NISAは個人投資家のための税制優遇制度である。
株式・投資信託などへの投資から得られる配当金・分配金・譲渡益には通常、約20%程度の税金(所得税・住民税など)が課せられる。
一方でNISAを活用すると、一定の金額・期間までは非課税になる。非常にお得な制度だ。

NISAは、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類がある。
ジュニアNISAは19歳までの制度のため、今回は一般NISAとつみたてNISAに絞って解説しよう。

一般NISAとつみたてNISAでは、投資対象商品や非課税となる金額・期間が異なることがお分かりいただけただろうか。

幅広い株式・投資信託等が対象で金額の上限も高い一般NISAに比べ、つみたてNISAは手数料が低水準で、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、金額の上限は低く、期間は長い。
より長期間にわたってコツコツと投資するスタイルに向いている。

一般NISAとつみたてNISAは併用できないため、こうした特徴を理解したうえで選択することが大切である。

2021年6月時点(※3)で、開設されている口座数は以下の通り。
 一般NISAの口座数:1,237万2,998口座(2021年3月末比+1.0%)
 つみたてNISAの口座数:417万5,430口座(同15.5%)
つみたてNISAの伸び率が高く、その内訳を年代別に見ると、特に若い世代が積極的に活用していることがわかる。(20代は約81万口座(同+21.9%)、30代は約118万口座(同+15.9%))

※3 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20211008/01.pdf

一般NISAの投資可能期間は2023年までだが、2024年からは制度を一部改定した「新NISA(仮称)」が開始される予定である。

今後も制度の動向をチェックしながら、
ぜひ自分のスタイルに合った資産形成の方法を探してみてほしい。

説明は以上です。

今回の記事以外にも、様々な事例を図解で紹介しています。「政策図解シリーズ」というマガジンでこれまでの政策図解の記事がまとめられているので、よければ見てみてください。フォローもしていただけると嬉しいです。

https://note.com/bizgram/m/mb0dcc005d7c0

以下、今回の記事のクレジットです。


図解&原稿:光武佳寿美
レビュー:沖山誠、近藤哲朗
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