見出し画像

介護をとりまく課題をどう可視化できるか?「介護課題デザインマップ」が公開

介護をとりまく課題の構造を可視化する「介護課題デザインマップ」を図解総研で作成協力させていただきました。Ver.0ということで発展途上のマップではありますが、こうして課題を可視化し、オープンにすることで、少しでも課題解決をするための議論の土台が整い、コミュニケーションツールとして活用されることを期待しています。

介護課題デザインマップとはなにか?

介護課題デザインマップは、介護をとりまく課題の構造を可視化するマップです。複雑な因果が相互にあるなかで、どこに負の連鎖があるのかを中心にマッピングしていきました。

介護課題デザインマップの全体像

全体としてみるとこのようなマップになります。文字が細かくて見えにくいと思うので、それぞれの領域の拡大版をのちほど並べています。右下にある説明書きだけを大きくしたものが以下です。

介護課題デザインマップについて

介護関連の課題を俯瞰するため作成した本マップからは、想像以上に複雑な要因が絡み合う現状が見て取れます。なかには課題同士が相反するものもあり、課題解決のむずかしさと、だからこそ俯瞰の必要性を感じさせるものもあります。本マップは自由に改変可能です。多くの目を通じ、より多くの課題とその関係性が可視化されることを期待します。

こう書かれているように、このマップは改変可能なものとして、さまざまなひとに見ていただきながら、こんな課題もあるのではないか、こんな視点も加えられるのではないか、といった参加型のマップになっています。むしろ、まだ生まれたてのマップで、足りていない観点の方が多いと思うので、こうして公開することで多様な方々をまきこみ成長していくようなマップにしていきたいです。

また、課題を3つの領域に分けています。需要、供給、環境の3つです。介護を受ける本人や家族といった「需要側」をとりまく課題、介護事業者や職員といった「供給側」をとりまく課題、そして介護に関する法律や政策といった「環境側」の課題をそれぞれ可視化しています。

需要側の課題(画像を押すと拡大できます)
供給側の課題(画像を押すと拡大できます)
環境側の課題(画像を押すと拡大できます)

課題の構造を網羅的に表すことは困難でも、需要、環境、供給という大きな分類のなかで相互に関係しあう複雑な課題の一端を感じていただき、ここからどう解決していけばいいか考えるツールとして活用され、介護をとりまく課題が少しでも解決されていく構造を生み出すことを目的としています。

なお、この介護課題デザインマップは、「ヘルスケア・ニューフロンティア・ ファンド」のインパクトレポートに掲載するためにつくられました。

ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド
インパクトレポート2021

↑こちらを押すとレポートが見れます!
レポートそのものも面白いのでぜひ。

ヘルスケア・ニューフロンティア・ ファンドの説明は以下、本文から引用させていただきました。

ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド(HNF)は、ヘルスケアに特化したベンチャーキャピタル(VC)である「キャピタルメディカ・ベンチャーズ(CMV)」が運営するVCファンドです。世界に先駆けて超高齢社会に直面している日本では、政府による成長戦略「未来投資戦略2017」のなかで、とくに保健福祉分野における企業へのインパクト投資の取り組みを促進させることを目標のひとつとしています。こうした国の方針を背景に、当ファンドは神奈川県のヘルスケア・ニューフロンティア政策*の一環で企画されました。

ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド インパクトレポート2021より

このレポートの出版元であるヘルスケアに特化したベンチャーキャピタル「株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ」と、インパクトレポートを制作した「一般財団法人社会変革推進財団」を発起人として、介護課題デザインマップが生まれました。図解総研は、マップをどのように形づくっていくかの企画部分、ワークショップのファシリテーション、出た意見や課題をどうとりまとめて実際に図にする部分を担当しました。

本記事で画像内の文字が見えにくかった方のために、介護課題デザインマップのPDFファイルを置いておきます。よろしければご覧ください。

また、介護課題デザインマップのかんたんなアンケートフォームがありますので、マップを見ていただいた方はぜひ、回答をおねがいします!

さいごに、介護課題デザインマップの作成に携わり可視化をしてみると、これはどの業界においても必要なものなのでは・・・と切に思ったので、◯◯課題デザインマップとして、もしことなる業界や社会構造を可視化したいニーズがあれば、図解総研までご相談ください!

以上です。


最後までお読みいただきありがとうございます。サポートは「図解総研」の活動費として使わせていただきます!