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デジタル経済を読み解くための8つの重要なトレンド➋

新年、明けましておめでとうございます。

昨年末からスタートした連載ブログ「デジタル経済を読み解くための8つの重要なトレンド」、第1回目はプロダクトvsサービスでしたが、今回(第2回目)は、ハードウェアvsソフトウェアについて簡単に整理していきたいと思います。

ハードウェアvsソフトウェア

デジタルテクノロジーをはじめとする様々なテクノロジーの進化によって、ハードウェアとソフトウェアの融合化、またはその境界線が不明瞭になっていくのではないかというのが今回のテーマです。

ハードウェアとソフトウェアは、若干の意味合いが異なるかもしれませんが、メカニズムとアルゴリズム物理と論理OT(オペレーショナルテクノロジー)とIT(インフォメーションテクノロジー)と言い換えることができそうです。

ハードウェアとソフトウェアの融合化の最も分かりやすい直近のケースは、クルマの自動運転インフォテイメント(情報と娯楽の組み合わせ)に関連するものでしょう。今や、クルマはタイヤのついたコンピューターとも呼ばれています。

ハードウェアとソフトウェアの融合は、クルマ以外においても、プリンター、空調設備、工場内での機械設備、家電などの領域に拡大していくことでしょう。

また、クルマの部品に関するリコール対策コストは、1回につき数百億円にも上ると言われています。従来はハードウェアで制御していた部分をソフトウェアに置き換え、ソフトウェアのバグをOTA(無線ネットワーク経由)でアップデートすることで、このコストを劇的に下げると同時に、クルマ利用者の利便性の向上につながることが期待されています。

XOSというコンセプト

ハードウェアとソフトウェアの融合を促進するために、欠かすことができないコンセプトにXOSが挙げられます(この言葉は、私が考えたものですで、一般的ではないのですが)。XOSとは、Xという対象物に関するオペレーティング・システムを指します。

Xという対象物は、クルマのように1つかもしれませんし、複数あるかもしれません。また、典型的にはその対象物にはセンサーが装着されていることもあるでしょう。

オペレーティング・システムとは、コンピューターの基本的なオペレーション(操作、運用、運転)を司るソフトウェアです。パソコンの代表的なOSにはWindows、スマートフォンのOSにはiOSやアンドロイドがあります。

今後は、その対象物が従来のコンピューターだけでなく、クルマ(車載OS)キッチン家電や調理器具(キッチンOS)、さらにはスマートシティ(都市OS)などに広がりをみせています。

例えば、キッチンOSは、複数のキッチン家電や調理器具の操作や運用をつなぐことによって、食材の購買から始まり、レシピ検索や調理に至るまでのシームレスな調理経験に役立てようというコンセプトです。

米国の投資家であるマーク・アンドリーセン氏がウォールストリートジャーナル紙に寄稿した「ソフトウェアが世界を飲み込む理由」の中で、デジタル社会経済の進展の中で、ソフトウェアが伝統的な業界に及ぼす影響について言及しています。

日本のメーカーはハードウェア製造技術に関しては非常に高い評価を得ていますが、デジタル社会経済下においては、ソフトウェア、特にXOSの領域におけるデファクトスタンダートの構築が大きなテーマや課題になってくるかもしれません。

さて次回は、3つ目のトレンド、クラウドvsエッジについて整理していきたいと思っております。


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