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愛とは何か。その3

さて、最終回です。

前回までのお話を踏まえて、僕が経験し感じたことを書き連ねてみます。


今、僕が働いている職場に一人の新人が配属されました。
27歳で結婚もしている彼は、ぱっと見たイメージは余裕ある振る舞いとトーンで、落ち着いて見えます。
しかし、会話を続けていくと、気になるポイントが出てきました。
会話を横取りするのです。こちらが例示を話しているのに、
「わかります、僕なんて・・・」と言ってすぐ自分の話をし出します。
そして、耳の痛い内容は途中からシャットアウトし聴いてるフリでやり過ごします。
それでいて褒めるとすぐ得意げになってなぜそうしたかと自ら話し出します。
承認欲求が強いのです。
マズローの五大欲求というものをご存知でしょうか?
人間の欲求には5つの段階があって、最初が生命保持のための睡眠や食欲です。
それが満たされた時に求める次の段階が安全の欲求です。雨や風をしのげる場所や天敵のいない場所、などですね。そしてそれらを満たされると3段階目として所属の欲求が出てきます。
人間はこんな根っこに孤独を嫌う本能がいるのです。これも面白いですね。
そして、何らかのコミュニティに所属すると出てくる欲求が承認欲求です。
その中で認められたい、という欲求です。
彼はこれがすごく強い。それは愛の渇望です。愛してくれ!と心が叫んでいるのです。

彼は幼い頃に父親を事故で亡くし、それにより母親が重度のうつ病に。
二人兄弟の兄は障害者で、母親にも兄にも愛されず、むしろ自分がしっかりしないとと頑張ったそうです。
そんな彼は友達に救われて生きてこれた、と言っていました。
なので子供にも、親は大事にしなくてもいいけど、友達は絶対に大事にしろ。と教えているそうです。
本質とはずれていますね。
しかし、彼の境遇を聞いてその人間性がよくよく理解できました。
彼はまだまだ、餓鬼だったのです。
そして餓鬼は、嫌われることを極度に恐れます。飢えているのに嫌われては生きていけないのです。

それはすなわち、自分の判断基準が外にあるということであり、自分の評価を他人に預けてしまうのです。自分ではコントロールできない他人の評価を上げようとするから、嘘をつきます。
餓鬼は嘘つきです。言い訳も多いです。それもすべて、承認欲求の裏返しです。

少し愚痴っぽいないようになってしまいましたね。

はてさて、3回に渡りお話しした、愛とは何かと云う問答。
これは詰まるところ、絆、と呼ばれるものです。

生物の根源、種を残すためのエコシステムです。

愛はそういう意味で、生きる上での最大の意味、と言えます。


そして、動物としての根源、自分の遺伝子を存続させるための最重要プログラムであるというお話です。

つかみどころのない、愛なんてなんとなくの概念の輪郭が少しは浮き出してきたのではないでしょうか。

ぜひ明日からは、愛しい人に「好きだよ」と思いを伝えてくださいね。

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