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ばーちゃんの教え。

どもども。
なんだかんだしてましてアップしてなくて最早過疎化してたました笑

書きだめはあるんですけど出し惜しみですかね…上げてませんでした。笑

さてさて思い出した話があるので今日はそれを書きますね。

この日記?を読んでる方はご存知かと思いますが
うちはそんなに裕福な家庭ではなく、どちらかといえば貧乏な暮らしをしていたと思います。

それでも決して不幸に思ったことはなく毎日工夫の中で幸せに暮らしていたと思います。

 じぃちゃんとばぁちゃんは畑をしてくれていていつも出来た野菜や果物をくれていました。
虫食いもあるけど自然の恵みをたっぷり浴びて育った野菜たち。ワイルドみの強い香りが特徴的な野菜たち。今はなかなか出会うことないですね。

そんな野菜をいつも食べておりました。

ばーちゃんはいつも「たべもんは大事にせんとバチ当たる。残したらダメや。」とよーく言われておりました。

食べ物で遊ぶとよく怒られたものです。

育つ過程でダメになった野菜をばーちゃんが野焼きしてる時に枝に刺してBBQごっこ(その当時はそんな言葉なかったけどね?)してるときになにか破裂して太ももに火傷した時は心配もしてくれたけど「ほら言わんこっちゃない!!食べ物で遊ぶからバチ当たったんやぞ!!!」と言われたものです。

 ばーちゃん子で育った私は平成の時代にはそんなに珍しくもないけど昔からの教えみたいなものを守る子だったと思います。

話すのは私の保育園時代の話です。

夏になるとご近所さんからの差し入れて毎年スイカが届くのです。

保育園ではみんなで味わうのですが、ある年
その前に体育館?お遊戯室?にブルーシートをひいてスイカをどんっとおいてスイカ割りが始まりました。

プラスチックの棒に目隠しした友達たちが3回ゆっくり回ってみんなの声援にスイカを目指す。

わたしも声を出して応援しました!

こっちだよー!

さがって!!!

もっとまえーー!!!

キャーキャー言いながら盛り上がりました。

大きく振り下ろしてスイカをかすりもせず床を叩くとそれはそれは腹がちぎれるくらい笑ったのを覚えています。


なんて!たのしい遊びなんだろ!!とキャッキャして見守っていると

運動神経のいい友達が迷いなく真っ直ぐスイカをめざして大きく振りかぶりました!

ガコッ!とスイカにあたり プシッと果汁が飛ぶ

その瞬間 会場内はわぁーー!!と歓声があがる
拍手と歓喜の中 わたしもわぁ!!と拍手した。

そして先生が 少し割れたねー!やったねー!!
とその子をほめてあげた。

わたしもすごいな!!と思いスイカに目を向けると、ぺこりと凹んだスイカが目に入る。

そこでなぜか ばーちゃんの言葉がよぎる

「食べ物で遊んだらバチ当たる」

あ……これは遊んでる
バチ当たる……


そう思うとなんだかとってもダメなことをしているような気がして周りの歓喜の中私だけテンションが下がっていった。

みんな順番にやろうとなっていたので 次の子も叩けるようにと気合を入れてバットを持つ。
ぐるぐるぐると回って みんなの歓喜につつまれてスイカに挑む。

私はそれをなんだかわるいことをしてるような気がして戸惑う。

みんなを見渡すとみんなケラケラと笑顔で応援する。

えぇえ…と戸惑っていると バコッ!とまたスイカに当たる。

ひぃいい!!と思ってみると先程よりペコッと凹むスイカ。
割れるまではしないが傷が深くなる。

やった!やった!!と喜ぶ友達にトドメをさしてやりたかったと悔しがる友達。
部屋にはスイカの香りが漂う。

なんとも言えない複雑な心境。

先生が
「次びよちゃんやよー!」とよぶ。

みんなにがんばれー!!と言われながら立ち上がる。

とぼとぼ先生の手招きに歩く。

私も褒められたいけどスイカを叩くことはしたくない。
食べ物で遊んだらバチ当たる。

複雑な感情の中 目隠しをしてバットをにぎる。

薄暗い中みんなの声が聞こえる

先生がゆっくりとわたしを回す。

みんながいーちー!にー!と声を出してくれる


さーーん!はいっ!!と先生の手が離れて
私は ひとりになる。

みんながわーわー言う声が聞こえる。

私は 食べ物で遊んだらバチ当たる食べ物で遊んだらバチ当たる食べ物で遊んだらバチ当たる……その言葉が脳で反芻する

先生が

「ビヨチャンがんばれ!みんなも応援してあげて!」と声をかけてくれて

みんなの声援の統一化がされた

ビヨチャンがんばれ!
がんばれ!がんばれ!!がんばれ!!!

その声援に包まれる
本来はうれしいはずなのに
どうしても足が動かない。

今で例えるなら 踏み絵状態。

立ち尽くすしかない私の背中に暖かな手の体温が伝わる

先生が優しく背中に手をあてて前に進めてくれる。

本当に嬉しいんだけど


今は違う。
先生ちがうんだ!!!!

私が進めばバチ当たる!!!!

踏ん張りたくても先生ががんばれーーと声をかけてくれながら背中を押す力に私はずずずっと前に進む。

間違いなくこれはスイカへ一直線になる。

やばいまずいやばい

そう思うとあまりの恐怖にわたしは目隠しをしたまま




声を上げて



大号泣した笑


みんなの声援がぴたっと止まる。

空間は は?である。
私はワンワン泣いた笑

先生が
「あらら!怖かったかな?もういいよ頑張った頑張った」

しゅるると目隠しがほどかれた

わたしはとにかくパニックだったようでワンワン泣いた

違う先生が私を抱きしめて部屋の隅に連れていってくれた

「こわかったの?」の聞かれたから
「ううん食べ物で遊んだらバチ当たるもん」
とひっぐひっぐしながら話した。

先生は少し笑いながら ほんとやね。
といって泣き止むまで膝の上に乗せてくれた。

その日のおやつにスイカが出た。

それはそれは甘くて美味しいスイカ。
泣いたことも忘れておいしいねーとみんなで食べた。


保育園の手帳に 
スイカ割りをしたのですが、食べ物で遊んだらバチ当たると泣いてしまい参加できませんでした。でも最後はスイカを美味しく食べました。

そう書かれていた。笑
そして我が家にある保育園のアルバムに母の字で
初めてのスイカ割り
食べ物で遊んだらバチ当たると終始泣く。
参加出来す。しかしスイカは美味しい。

膝の上にぐちゃぐちゃに泣いた顔した座る私と割れたスイカをまえに笑顔のみんなとの集合写真が挟まれている。笑


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