今日の伊吹山は
こんにちは
琵琶近江商店のひろもりです。
滋賀県といえば真ん中に琵琶湖があり
さらには盆地なので山にも囲まれています。
湖北地方に住んでいる人にとって山は身近な存在。
横山、小谷山、虎御前山、山本山…
ここら辺の山は、歴史が好きな方なら名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
滋賀県にはいろいろな山がありますが
やっぱり伊吹山が有名だと思っています。
(※ひろもり個人の感想です)
#今日の伊吹山
たまにインスタグラムに「 #今日の伊吹山 」というタグで伊吹山を載せています。
雪が降った日などはうれしくてせっせと載せていました。
角度によって違った山に見えるのも魅力です。
桜で有名な奥琵琶湖パークウェイのつづら尾崎展望台からも伊吹山を堪能することができます。
写真の日はちょうどスーパームーンでした。
色々な伊吹山のお話
伊吹山誕生
伊吹山は今から2億6千万年前に誕生したといわれています。
赤道付近で活動していた伊吹海山と呼ばれている海底火山の噴火し、この海山が地球の表皮であるプレートの移動で、現在の場所にやってきたそうです。
これが、サンゴ礁の島々だったといわれているのでびっくりです。
滋賀県には海がないので、なかなか想像が追い付かないのですがとんでもなく壮大な話ということはわかります。
小学校の頃に「伊吹山では海の生物の化石がとれるんだよ」と、教えてもらったとき「そんなわけないやん!!」と思っていましたが、こういうことだったんですね…
ヤマトタケルノミコトと伊吹山
今から2000年ほど前…
「日本武尊」こと、ヤマトタケルノミコトは、伊吹山の荒神を素手で退治しに伊吹山に来ていました。
山に登っている道中、牛ぐらいの大きさの白い大猪が現れます。
日本武尊は「この白い猪は神の使者だろうから、今は殺さず、帰るときに殺せばいいだろう」と、このイノシシを無視します。
ですが、このイノシシの正体が「伊吹の神」そのもので正身だったのです!
神は大氷雨を降らし、ヤマトタケルノミコトは命からがら山を下り、伊吹山の麓に湧き出る、居醒めの清水で正気を取り戻したといわれています。
伊吹山山頂には日本武尊の像が立っています。
芭蕉と伊吹山
松尾芭蕉も伊吹山をこんな風に読んでいます。
「そのままよ 月もたのまし 伊吹山」
伊吹山は月の力を借りなくても、毅然としていて飾らないそのままの姿が十分に美しい!
という意味だそうです。
奥の細道では、敦賀(福井県)→大垣(岐阜県)といった順番で向かっているので
長浜や関ヶ原を通ったと十分に考えられると思います。
道中だった伊吹山の景色をこんなに粋に…
ちょっとうれしい気持ちになりますね。
お蕎麦の発祥と伊吹山
伊吹山の麓、伊吹が日本のそば発祥の地であり、ここからそばの栽培が全国へ伝わったといわれています。
木曽、甲斐、信濃などに伝わり、やがて北海道にまで伝わっていきました。
昼夜の寒暖差が激しい伊吹山山麓はそばの栽培に適した環境で、今でもおいしいおそばを食べることができるお店があります。
さらに、幻の大根といわれる「伊吹大根」があり、お蕎麦と合わせて食べると絶品です。
宇喜多秀家と伊吹山
宇喜多秀家とは、岡山県出身の安土桃山時代に生まれたいわゆる戦国武将です。
豊臣政権の五大老の一人で、秀吉にも重用されていた人物です。
関ヶ原の合戦では西軍の主力として戦い、東軍の福島正則隊と戦闘を繰り広げたのですが、小早川秀秋の裏切りで西軍総崩れとなり、宇喜多隊も壊滅してしまいました。
そんな宇喜多は関ヶ原を脱出し、伊吹山へと逃れることに成功するが途中落ち武者狩りにあってしまいます。
ですが、この際に落ち武者狩りの矢野五右衛門の自宅で40日もの間、匿ってもらったという話も伝わっています。
様々な人が行きかい、たくさんの逸話が残っています。
毎日見える山も、こんな風に思ってみるとなんだか少し特別な景色になる気がします。
余談…
手塚治虫先生の名作火の鳥を読んでいたところ
太陽編の中巻に伊吹山に住む天狗の長がでています。
長編作品なのでなかなか手に取りづらいかと思いますが
おうち時間が長くなるGWにぜひ読んでほしい作品です。
今後、滋賀県に関係するおすすめ本もどんどん紹介していきたいと思います。
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