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小鼓とウラとオモテと?

『小鍛冶』の謡を練習している。
今週はヤマトタケルが出てくる部分である。

宿題になった部分の節読みをする。ツヨ吟では、中音から下の中音に行くときだけ下がり、それ以外は下がらない。しかし、ひっかけ問題もあって、時々だまされそうになる。気が付けば「あれ?、違う」と独り言が増えている。

ところで、私が習っているのは素謡というもののようだが、これにお囃子が入ると全く別物である。映像を見ていると、ドライブ感がすごい。節も伸び縮みしているようだ。と、思っていたところ、小鼓の音に耳を澄ませた瞬間わけがわからなくなった。

地謡も裏で始まっている部分があるのか、そこへ絶妙な感じで小鼓が入り、いつの間にか謡も表に戻っているように聞こえる。どういう仕組みになっているのだろう? 何度も巻き戻してそこだけ見る。それでもわからないので、自分で謡いながらどこで小鼓が打たれるかを紙に書いてみる。それでもわからない。ルールはなんだ? 誰がリードしているのだ? と、頭の中が???でいっぱいになる。節まわしの練習をしなければならないはずが、そんなことで先週はいつまでたってもヤマトタケルは出てこなかった。

お稽古のときに、これはどういうことでしょうか、といつもの暑苦しい調子で聞くと、先生は爽やかな笑みを浮かべながら八つ割りという仕組みやら、小鼓の方のお話をしてくださった。まだそれでも全部はわからないのだけれど、入門したばかりの私には早いのかもしれない。ともかく、今の私にはまだわからない、ということはわかった。
そして、プロは謡だけでなく、仕舞もお囃子も全部知っていないとだめだということもわかった。そうでないと対応できないからだろう。


お稽古ではヤマトタケルのお蔭で平穏が戻り、少年は夕雲の稲荷山に消えていった!


何年かして、この日記を読んだら「ああ、そんなこと考えていたのだな」と懐かしく思うことがあるだろうか。その時には、節まわしで迷子になることのないようになっていたいものだなあ。

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