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オタール・イオセリアーニ監督の映画をテーマごとに紹介していきます(2)🎬

いよいよ公開まで1か月を経過した「オタール・イオセリアーニ映画祭 ~ジョージア、そしてパリ~」。
宣伝スタッフが監督の作品のうちテーマ毎におすすめ作品をご紹介していくこの企画。ご鑑賞の参考にしてみてはいかがでしょうか?🎶

今回は…「人生を見つめ直したい時」


『月曜日に乾杯!』

フランスの小さな村に家族と暮らすヴァンサンは、毎日工場に通って単調な仕事をこなしている。
平凡な日常にあるささやかな幸せに気づかせてくれる極上のリラックス・ムービー。

月曜日から金曜日、毎日同じことの繰り返し…
「あくせくした日常にさようなら!」
そんなストレス社会を生きるあなたに観てほしい。

きっと心まで洗われて、明日も前向きにいけるはず!
水の都・ヴェニスの風景がなんとも美しくて、癒されますよ。
鑑賞後には、旅がしたくなること間違いなし。

『四月』

物質的な豊かさを求めるうちにケンカを繰り返すようになった若い男女が、愛の大切さに気づくまでを、セリフを使わず音(楽)と映像だけでコミカルに描く。

例えば、スマホで連絡を取るのが当たり前の現代かもしれません。
元を辿れば「愛さえあれば何もいらない!」のです。

主人公たちがキスをすると電球が灯ったり、翻訳不可能のデタラメ語が飛び出したり…イオセリアーニ監督の遊び心を存分に味わいながら、
私たちが物に執着しがちな日常を過ごしている中で忘れてしまった、大切な価値観を問いただしてくれます。
(各シーンも、とても可愛いです!)

『ここに幸あり』

現代のパリ。突然大臣の職を追われ、仕事、妻、家…すべてを失ったヴァンサン。
思いがけず訪れた、自由気ままな人生の休暇。
大切なのは、お金や物、肩書きじゃない、本当の豊かさに改めて気づく。

物があふれ、情報は氾濫し、あらゆる欲がうずまく現代だけど、
お金や物に捕らわれず、心の豊かさを大切にしよう。
『四月』に続いて、本作でも「本当の人生の豊かさ」をイオセリアーニが教えてくれます。

舞台は現代のパリ。美しい街並みの中で、人々も、車も、悠々自適にフレームの中を動いています。なんて贅沢…。
時には、ちょっとだけ立ち止まってみるのも大切です。
(主人公・ヴァンサンの母親役を演じる名優、ミシェル・ピコリの女性になりきった愛嬌溢れる名演技と、イオセリアーニ自身が劇中でイラストを描いたりピアノを弾いたりしている姿にも注目です!)

『田園詩』

公用語と異なるメグレル語が話されるジョージア西部の温暖湿潤な農村で
夏合宿を行うトビリシの四重奏団の音楽家たち。
寄宿先の少女は自由で都会的な音楽家たちに憧れ、交流を深めていく。

『ここに幸あり』とは打って変わって、舞台は昔ながらの牧歌的な農村。
主人公のエデュキ(イオセリアーニの娘、ナナ・イオセリアーニ!)をはじめ、近所の子供たちは都会からやってきた自由な演奏家たちに憧れ、目を輝かせています。

劇中には、チェンバロ、チェロ、ヴァイオリンが織りなす音楽や、ワインを音楽と共に楽しく飲んでいる様子がたくさん登場…思わず仲間に入りたくなってしまうほど。

そこには都会と農村、分け隔てなく人々は自由に生活を営んでいます。
同時に、ジョージア出身、後にパリに拠点を移したイオセリアーニの祖国への愛情を感じるのです。

オタール・イオセリアーニ映画祭は、2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて劇場初公開含む21作品一挙上映!

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