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芝を刈るときはいつもごめんなさいと呟く(芝刈りの頻度と高さ)

 芝生は均一性を重じて育てる植物です。同じ色、同じ丈、同じ密度。もちろん、シバの一本一本は同じものは一つとしてないので、綺麗に整えられた芝生はペンキでベタ塗りされた壁のようになるわけではなくて、織物のような細やかさを持って敷き詰められるようになります。

1.上には伸びられないことを芝生に言い聞かせる

 シバは上に向かって葉が成長するだけでなく、横に茎が伸びる性質があります。特に日本原産の高麗芝(コウライシバ)といった夏芝にはこの性質が顕著です。短く刈り込むと上に成長できないものだからどんどん横に伸び、このために芝の密度が上がります。密度の濃い「緑の絨毯」を作りたかったら芝刈りを頻繁にせよ、というのはこのためです。差し詰め「上には伸びられないんだから、横に伸びなさい」と芝生に言い聞かせているような気になります。

2.綺麗な芝生の絨毯が作りたければ短く刈る

 3cmほどの低さで刈り込むと、上に伸びる前に刈り込まれてしまうので、主に横に成長することなります。つまり密になります。うまく育てられると本当に綺麗です。ところが、丈が低いので地面に陽が当たりやすく雑草が生えやすいという難点があります。この高さをキープするためには夏の間はほぼ毎週の芝刈りが必要になります。丸坊主の男の子はしばしば散髪が必要なのと同じです。

3.イージーメンテを優先するなら長めに刈る

 一方で5cmほどの高さにすると、葉が長い分、実際の密度以上に庭の緑色が濃いように感じられます。また地面には陽が当たりにくいので雑草の育ちも幾分抑えられます(それでも奴らはどんどん生えてきますが)。短く刈りそろえられた芝生には敵いませんが、メンテが楽なので私は4−5cmの高さで育てることにしています。刈り込みも2−3週に一度で大丈夫です(もちろん毎週でも可)。

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2020/7/18 電動芝刈り機でざっと芝刈りしただけでこんな感じです。4cm高

4.芝生育ては自然をコントロールするゲーム

 いずれにせよ、芝生は「好き放題に伸びないように抑制する」ように育てることが基本です。何年芝生を育てていてもこれがちょっと申し訳ない気持ちになります。人間の育て方では「本人の気持ちを尊重して自由に伸び伸びと育てる」なんてのが良いとされていますから、いつも「ごめんね、チョキチョキ刈ってばかりで」って思いながらも、綺麗な庭の魅力には勝てずに芝生を刈るのです。

 でも、園芸というのは多かれ少なかれ「自然をどれだけコントロールできるか、というゲーム」だと思うのです。人間がエゴを通して綺麗な庭を作る。その分、自然を畏怖する気持ちは忘れないということが大事なんだと思います。


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