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二黄卵とカメラのこと

朝ごはんで二黄卵がでました。何年ぶりに見るのだろう。
初めて見たのはたぶん大学受験で浪人をしていた頃で、
当時京都に住んでいた友人の家に泊まりに行ったときの朝ごはんでした。

当時は一眼レフにハマって写真を撮り始めたころで、
嬉しくて写真に撮ったことをよく覚えています。

作った彫刻を記録として残しておくことが目的で、
母が昔使っていたペンタックスの一眼レフを使い始めたのがきっかけで
写真にハマりました。
当時仲の良かった友人がいつも首からカメラを下げていて
かっこいいなあと思っていました。

一時期はモノクロのフィルムで撮影をして
暗室を作って自分で現像をしていました。

シャッターを切った時に体に感じる振動や、
過去に見た光景が小さなネガに焼きつけられているのを確認できた時の喜び、
外の光を一切遮断した暗室で、フィルムに光を当てて印画紙に焼きつけた像が
液体の中で浮かび上がってくる瞬間の感動は今思い出しても胸がざわつくほど
美しい光景でした。

写真が一番美しく感じるのは液体の中で像が浮かび上がって来た瞬間だった。
乾燥して仕上がったプリントは干物としての良さはあるけれど
やっぱり刺身がいいんだよなあ、見たいな気持ちがありました。

フィルムの写真は撮ったその場で見ることができないし、カメラは重たいし、
薬品を作って色々なプロセスを経てようやく見ることができる
面倒臭いシロモノなのですが、だからこその面白さがありました。
デジタルカメラを使い始めてから写真を撮ることへの興味を失ってしました。

デジタルカメラで写真を撮ることは自分にとって、
フィルムカメラと油絵を描くことの違い、
格闘技をやることと格闘技ゲームをやることの違い、
くらいの違いがあると思っています。

スマートフォンでも本当に綺麗に映るし、その場で簡単に見ることができて
本当に便利で質も高いけど、

ファインダーを覗いた世界をフィルムに焼き付けて、
暗室で印画紙に焼き付けるその過程の全てが
「写真」を撮る楽しさだったんだなあと改めて思いました。

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