見出し画像

2022ー23 プレミアリーグ 第1節 トッテナムvsサウサンプトン 備忘録記事

トッテナム4-1サウサンプトン

得点者(TOT)
21分 19セセニョン
31分 15ダイアー
61分 オウンゴール
63分 21クルゼフスキ

得点者(SOU)
12分 8ウォード=プラウズ

両チームのフォーメーション

画像1

ハイライト

 2022-23シーズンの開幕戦となったこの試合。相手は、昨シーズン1分1敗と勝つことの出来なかったサウサンプトンである。

 キックオフから大きな違いを見せたのはホームのトッテナム。昨年はローラインで5-4-1のブロックを構えながら守り、そこからのロングカウンターを1つの武器にしていた。

 しかし、この試合では前から奪いに行くようなシーンが多め。キックオフの笛の合図からボールホルダーを捕まえに行き全体を押し上げて試合に入った。ここは、今季からの1つの改革と見て良いだろう。

 続く保持の場面。トッテナムは前から来るサウサンプトンのプレッシングを外しながらどう前進するかが肝になる。ここは、サイドを起点にしつつCHが真ん中に差し込んでから広い方でやり直す展開が多め。

 相手のスリーセンターがスライドすることで空いた脇にデイビスやロメロといった、スリーバックの両脇が侵入しながら大外のWBにつける。そこからクロスを入れようという形が序盤は強かった気がする。

 そのため簡単に押し込むことが可能。後はどうやってクロス攻撃を完結させるかである。得点までは時間の問題という雰囲気が漂っていた。

 そんな順調な出足を見せたかと思いきや、先制したのはアウェイのサウサンプトン。セカンドボールを回収しハーフコートで押し込むことに成功すると、ヴァレリのアーリークロスがサイドに流れ、ボールを受けたジェネポがエメルソンを剥がしてマイナスのクロスを入れる。最後はウォード=プラウズが難しいハーフボーレを叩き込んだ。

 ここで悔やまれるのはジェネポとエメルソンのマッチアップ。簡単に滑ったことで、クロスを上げさせるキッカケとなってしまった。

 試合の入り自体良かっただけに痛い先制弾を喰らったトッテナム。それ以降のサウサンプトンは前から行くというよりも撤退気味で守る時間が続く。5-3-2のブロックを組みながらトッテナムの攻撃を受けるような時間帯となった。

 引いた相手をなかなか崩せない!というのは昨年突きつけられた課題。ここをクリアしなければ同じ轍を踏むことになってしまう。

 しかし、ここでも上手くビルドアップの脱出口になっていたのはデイビスである。序盤から引き続き、右で作って左で脱出する形で押し込むケースを増やして行く。

 また、右サイドからのクロスも有効打になっていた。ベンタンクールやクルゼフスキがファーサイドに目がけてクロスを入れると、カイル・ウォーカー=ピータースにセセニョンが競り勝つようなシーンは幾つか見られた。

 そして同点弾も上記の形からである。右サイドに開いたクルゼフスキの十八番とも言えるインスイングクロスにセセニョンが頭で合わせてネットを揺らした。

 続く10分後にはコーナーキックの流れからソンが素早いボールを入れると、ニアサイドに走り込んできたダイアーが上手く頭で反らして逆転。前半の内に試合を引っくり返した。

 後半に入りサウサンプトンはスティーブスとスチュアート・アームストロングを投入。フォーメーションを5-3-2から5-4-1に変更した。

 これにより中盤のスライドを間に合わす算段があったはず。フリーになっていたデイビスやロメロを捕まえやすくするのが一つの狙いだったと思うし、それなら理に敵っている変更だと思う。

 それでもエンジンのかかったトッテナムはもう一つの強みである「カウンター」からゴールを狙う。

 前がかかりになったサウサンプトンに対してボールを奪ってから素早いロングカウンターへと移行。エメルソンがエリア付近まで運ぶと、ソンフンミンのラストパスに抜け出したエメルソンがゴール前へと折り返す。これをサリスが処理を誤りオウンゴールとなった。

 続く63分にはベンタンクールからの横パスを受けたホイビュアがワンタッチで相手を外してスルーパス。これに反応したエメルソンがマイナスに折り返し、最後はクルゼフスキが左足でシュートを決めて4点目が生まれた。

 ここで良かった場面はホイビュアが相手を剥がしてスルーパスを供給したこと。これまではCHの選手が攻撃の糸口となるパスを出せていなかったが、このシーンではホイビュアが起点ともなるパスを出せていた。

 落ちてくるケインに預けてのロングカウンターだけで無く、中盤でゲームを作れるようになっているのはポジティブな面と言えるだろう。

 これでリードを広げたトッテナムは新戦力を投入。66分には1枚カードを貰っているセセニョンに代えてペリシッチがピッチに入った。

 何とか1点を返したいサウサンプトンだが、1トップになって以降は陣地回復の手段が乏しくなった。それに加え、トッテナムの素早いネガティブ・トランジションによりボールを回収。そのためサウサンプトンはカウンターへ繋げようとする前にボールを失う展開となった。

 開幕戦ということもあるが、ここまで強度を落とさずにボールを握り倒せたのは強み。これまではどちらかと言うと相手にボールを押しつけてブロックを組みながら守る機会が多かった。

 そこを守りながらでは無く、握りながらゲームをコントロール出来るようになったのは成長と言えそうだ。相手からボールを取り上げてしまえば、失点することは無い。攻撃は最大の防御である。

 試合終了間際にはラングレとビスマが投入。ホームで新戦力のお披露目となった。

 試合はこのまま4-1でトッテナムが勝利。先制点を奪われながらも、昨年突きつけられた課題を解決し、「ボールを握り倒す」という新たな武器を手に入れたトッテナムが開幕戦を快勝で終えた。

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?