2022ー23 プレミアリーグ 第15節 トッテナムvsリヴァプール 備忘録記事
トッテナム1-2リヴァプール
得点者(TOT)
70' 10ハリー ケイン
得点者(LIV)
11' 11モハメド サラー
40' 11モハメド サラー
両チームのフォーメーション
ハイライト
前節ボーンマスに逆転勝利を収め、ミッドウィークに行われたチャンピオンズリーグでもアウェイマルセイユの地で勝利したトッテナム。今節は、17―18シーズン以来勝ちの無い難敵リヴァプールと対戦した。
序盤からボールを握っていたのはアウェイのリヴァプール。キックの精度に優れた両SBを活かしつつ前進する時間が多かったように感じる。トッテナムとしては、そのSBをどう捕まえるかが鍵になっていた。
トッテナム目線の守備の仕方で言えば、両CFが外切りでGKにプレッシャーをかけつつ、ファビーニョはビスマが捕まえるアンカーにはアンカーを当てるいつものパターンを採用していた。気になるのは、その後ろの役割分担である。
ここに関しては、一応ではあるが、白紙の状態で臨んだユナイテッド戦に比べれば役割は決めていたように思える。
右サイドは基本的にベンタンクールが出て行き、左サイドはセセニョンが出ていくというのが決まりごとのように見えた。だが、それが上手く行っているかは別のは無しである。
前半はトッテナムの右サイドから押し込まれるケースが多め。リヴァプール自体、自分たちのSBを浮かすための手段を多く持っているため、上手くフリーになる場面を作られてしまっていた。
例えば、チアゴが落ちてくることでベンタンクールをピン留めし、エメルソンがロバートソンを見なければ行けない状況を作ったりしていた。
別の手段で言えば、シンプルに左右に揺さりをかけてトッテナムのスリーセンターがSBに間に合わないのであれば、それだけでフリーになる状況を作り出せる。
そんな感じで時間を与えられたSBから前進される時間が多く、そこから押し込まれる回数が非常に多かった。ここで、サイドに流れるヌニェスも厄介。対面するダイアーを置き去りにしていた。
迎えた11分。リヴァプールの右サイドでコナテからの楔を受けたサラーがエリオットに落とし、そこからフィルミーノと繋いで左サイドに展開。広い方でボールを受けたロバートソンのクロスをヌニェスが収め、ラストパスをサラーに決められてしまう。
ここもサイドでの揺さぶりに対応できなかった形。SBにスペースと時間を明け渡した状態で攻められてしまっている。その前のエリオットに入った時点で、プレスバックで潰せれば良いのだが、それが出来ないのが今のトッテナムである。
また厄介だったのはリヴァプールのポジティブ・トランジションである。カウンターになった際にアーノルドーが浮いていることが多く、そこから良質なサイドチェンジを入れられ、速い攻撃を受けてしまっていた。
対するトッテナムだが、攻撃の形が微妙。基本的にはWBのセセニョンが裏に走ってそこに当てるパターンが多かった気がする。だが、ハイラインの対応が出来るアリソンがGKのためなかなか上手くいかず。
2トップの役割で言えば、ケインが時間を作る係でペリシッチがフィニッシャーとして振る舞っていた。15分のシーンで言えば、サイドに流れたケインのクロスにペリシッチが飛び込むがポストに阻まれている。
リヴァプール自体ガンガンハイプレスをかけるのではなく、4ー3ー3でコンパクトな陣形を保つことが多め。そのため、ラングレがボールを蹴られる時間があったことはまだ救いであった。そこからライン間に立つ選手にボールを届けられた際は良い形で前進できていたと思う。
しかし、40分にミスから失点。アリソンのロングボールをダイアーが処理を誤り、最後はサラーに決められてしまった。正直ここで心が折れた感じはする。
後半、失点に絡んでしまったダイアーが取り替えそうと奮闘。右WBっぽいポジションを取りながら、そこから押し込める時間帯が増えた。49分には、そのダイアーのアーリークロスをファーサイドでセセニョンが折り返し、最後はペリシッチがシュートを放つがクロスバーに嫌われる。
このダイアー右サイドアタックを皮切りに、段々と両サイドから押し込んでエリア内に侵入できる回数が増える。だが、肝心の得点には結び付かず。
対するリヴァプールもカウンターで応戦する形。それでもこれ以上傷口を広げまいと、DF陣が何とか耐える。その強度を前半から保ってほしい。
すると68分にドハティと怪我から復帰したクルゼフスキを投入。その2分後。ダイアーのパスを受けたドハティがクルゼフスキに渡すと、カットインからスルーパスを送り最後はケインが決めて1点差にする。
ここで大きかったのはCFの役割分担が変わったこと。前半はケインが時間や溜めを作る係で、ペリシッチがフィニッシャーだったが、クルゼフスキが時間と溜めを作れるため、ケインがフィニッシャーとして振る舞える。ケインのような決定力のある選手がストライカーのタスクを担えるのは、反撃する上で重要だったように思える。
これで1点差となったトッテナムは終盤怒涛の反撃に出る。左WBに移ったペリシッチも良いボールをエリア内に送っていたし、クルゼフスキの投入によって右サイドからも多くのボールをエリア内に供給できていた。しかし、もう一度ネットを揺らすことが出来ず。
試合はこのまま1ー2で終了。ビッグ6相手の勝利はまたもお預けとなってしまった。
雑感
上位を追撃する上で痛い敗戦。ニューカッスルが勝利したため、順位も4位に後退してしまった。
序盤からプレスに行く姿勢は見えたがハマらなかったのが大きいし、後半あれだけ押し込めたことを考えれば決勝点に繋がったダイアーのミスはとても痛かった。
そもそもの仕組みに差があったし、リヴァプールは自分たちのストロングポイントを十分に出せていたと思う。そこで気になるのは、今のトッテナムに「強み」って何なのだろうか。そこが今ボヤけつつあるので、活かすことも出来ない現状なのかなと感じた。
ポジティブな要素で言えば、クルゼフスキが戻ってきたことだろう。とりあえずボールを持てば何か起こしてくれる選手であることは再認識出来た。
見返しツイート
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?