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2022ー23 プレミアリーグ 第2節 チェルシーvsトッテナム 備忘録記事

チェルシー2-2トッテナム

得点者(TOT)
68' 5ホイビュア
90+6' 10ケイン

得点者(CHE)
19' 26クリバリ
77' 24ジェイムズ

両チームのフォーメーション

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ハイライト

 チェルシーとトッテナムによるロンドンダービー。昨シーズンの対戦成績はカラバオカップを含めチェルシーの4戦4勝。トッテナムは1点も奪えないまま、チェルシーに敗れている。

 (ちなみに昨シーズンのアウェイゲームについては記事を書いてるので、そちらを是非。)

 まさにトッテナムにとって相性最悪と言える相手との対戦となったこの試合は、案の定苦戦を強いられた。まずはチェルシーのビルドアップに対してプレッシングがかからない展開となる。

 チェルシーの保持は左サイドのククレジャ+スリーバックの4枚でボールを回すシーンが多め。そのため、トッテナムのプレス隊と噛合わせた時、3vs4の局面が生まれる。そこから左に立つククレジャにボールが入るシーンが多く見られた。

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 ここの原因はエメルソンがククレジャへのスライドの遅さが挙げられる。クルゼフスキが縦を切りながらクリバリに寄せていくため、その横に立つククレジャへのパスコースが常に空いていた。本来であればエメルソンが早めに出ることで潰せれば良いのだが、ここへのアプローチが非常に遅い。そうなるとククレジャは余裕を持ってプレーが出来る。

 また、チェルシーのCHとトッテナムのCHが対峙する中、その脇で顔を出すマウントも捕まえづらかったように感じる。中盤はトッテナムのホイビュア、ベンタンクールに対し、チェルシーはジョルジーニョ、マウント、カンテという構図になっていたため、3人の内の1人がフリーになるシーンが多かった。

 トッテナムが勇気を持って前から奪いに行こうとした時は良さそうな雰囲気はあった。ボールを保持するチェルシーにプレッシングをかけバックパスで下げさせる。その際、受け手となる選手をしっかり捕まえていれば上手くボールをカット出来るシーンがあった。

 このことから、浮いたマウントにはロメロ。ククレジャにはエメルソンが着いて行く機会を前半からもっと増やせればもう少しボールを奪い返す時間が増えたように感じる。

 一方で保持面はチェルシーの術中にハマる。チェルシーはボールホルダーを空けながら、受け手となる選手をガッチリ捕まえるシーンが多め。特に落ちてくるソンに対しジェイムズがマンツーマンで対応。そのため、ソンがなかなか前を向けなかった。また、左WBのセセニョンにはロフタス=チークが着いており、ここも前進出来ないキッカケになっていた。

 かと言ってケインに蹴ればチアゴ シウバに後ろからガツンと身体をぶつけられ、ボールを失ってしまう。今のトッテナムはDFラインで貯金を作るのでは無く、前の選手のキープによって時間を稼ぐ戦い方であるため、そこを潰されるとジリ貧になってしまう。

 そんな上手く行かない展開の中で、ククレジャのコーナーキックからクリバリに見事なボレーシュートを決められ先制点を許す。

 先制に成功したチェルシーはボールを保持し左右にボールを揺さぶりながら、トッテナムの守備陣形を横に動かす作業をしていた。この際厄介だったのがククレジャ。絞って対応するクルゼフスキを見ると、大外を駆け上がりボールを受けるシーンが多かった。

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 トッテナムも変化を付けるためホイビュアが列落ちを繰り返すも、それだけでは状況は変らない。結局ボールホルダーがわざと空けられ、蹴らざる負えない状態になっていた。

 前半はほぼほぼ良いとこ無しだったトッテナム。後半に入り、リシャルリソンを投入。ケインと2トップにしフォーメーションを4-4-2に変えた。

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 この際SHになったソンとクルゼフスキが絞ってプレーし、カンテとジョルジーニョの背後でボールを受けられるシーンが増えてきた。CHが遊び球を使い相手を引きつけてその背後を突く場面は非常に良かったと思う。

 しかし、守備陣は4バックになったのにも関わらず5バックのノリで守っていた。そのため、内側でサポートをしボールを引き取ったジェイムズと幅を取るロフタス=チークvsデイビスという局面をボックス内で作られていた。地獄である。

 それでも迎えた68分。ハフェルツに対しベンタンクールがスライディングタックルに行くもノーファウルの判定。その流れからチェルシー陣内に押し込み、最後はホイビュアがエリアの外からコースを狙ったシュートを決めて同点とする。

 何とか同点に追いついたトッテナムだったが、その9分後。5バックのノリで守っていた最終ラインがついに決壊し、ボックス内で余っていたジェイムズにロリスとの1vs1を沈められて勝ち越しを許す。

 その直後にトッテナムはベンタンクールとソンを下げてビスマ、ペリシッチを投入。再び3-4-2-1に戻す。

 そこからはチェルシーが決定機を幾つも作るも3点目を奪えない展開となる。トッテナムは終盤パワープレーでリシャルリソンとケインに目がけて長いボールを活用。そこから押し込むことに成功する。

 すると迎えた後半アディショナルタイム。ペリシッチのコーナーキックを二アポストでフリーになっていたケインが頭で触りゴール。再び同点にする。

 試合はこのまま2-2で終了。試合後に両チームの監督が握手交わした際に喧嘩へと発展。両指揮官にレッドカードが提示される大荒れの展開でチェルシーとのロンドンダービーは幕を閉じた。

雑感

 トゥヘルに現在解決できてない弱点を突かれてしまった。トッテナムのビルドアップ隊が運べない、剥がせないならば、出し手に持たせて受け手を潰せばOKというのは理に敵った戦い方である。

 そんなトッテナムはフォーメーションの変更とパワープレーで何とか乗り切った。「力業」での解決となったが、今の引き出しの少なさからしてこれが精一杯だろう。

 正直負け試合だったし、鬼門であるスタンフォードブリッジから勝ち点1を持ち帰ったことは胸を張って良いと思う。

 後は出来てないことを長いシーズン戦いながら、どのように出来るようにするかだ。守備の面は1人、1人の意識次第で解決できる余地はあるものの、保持の面は長い旅になりそうだ。

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