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4/19発売開始 bitlock PRO開発の裏側 〜High Standard Interview #1 〜

ビットキーnote編集部です。
さて、今回から新企画がはじまります!「High Standard Interview(ハイスタンダード インタビュー)」です!

2021年はじめのキックオフで、代表の江尻から「心理的安全性が高い環境でハイスタンダードに仕事を進めていこう」というメッセージが伝えられました。「ハイスタンダード」とは、あらゆる場面で妥協をせず、常に最高の成果を追い求めることであると江尻は話しました。

このキーワードが台頭する以前を振り返ってみても、高い基準で仕事をすることはビットキーのDNAとして存在していたように感じます。約三年の間、描いた姿を完璧に実現できたわけではありませんが、その一瞬一瞬に、一人ひとりのハイスタンダードを目指す姿があったはずです。

この企画を通して、社員の皆さんとハイスタンダードの基準値をすり合わせつつ、未来の仲間には、リアリティをもってこのカルチャーを伝えていくことを目指します。

さて、前置きが長くなりましたが、今回は第一弾としてハードウェア開発責任者の藤山さん、クリエイティブチームマネージャーのダブロンさんにインタビューしました。二人は、2021年4月19日に発表開始となったbitlock PROの開発者です。開発ストーリーに秘められた、二人のハイスタンダードに迫りました。

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(左)藤山 祐介(ハードウェア開発責任者)

新卒で音響機器メーカーPioneerに就職。プロジェクトリーダーを務めたのち、大手自動車部品メーカー、デンソーへ転職。その後、コンサルティングファームに転職するも、経営者ではなく常に設計者でありたいという強い思いから、2018年12月にビットキーへ入社。
【note】https://note.com/fujiyamabitkey

(右)マルクス ダブロン(クリエイティブチームマネージャー)

幼少期からグラフィックとアニメーションに興味を持ち、独学でクリエイティブツールをマスター。ドイツの大学で経済学を学んだのちに日本へ。大手の広告・デザイン制作会社を経て、2019年5月にビットキーへ入社。

ーー新型のbitlock PROが公開されました。本製品の開発にどのような思いで取り組まれましたか。

藤山:ビットキーのすべての思いを詰め込んだ、こだわり抜いた製品をつくろうという思いで取り組みました。「これで後悔はないだろうか?」と常に自分に問いかけ、できることは全てやってきたつもりです。全社で課題を抽出したり、取引先様に率直なフィードバックをいただいたり、市場のご意見を反映したり、あらゆるプロセスを踏んできました。いいものに仕上がったと思っています。

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ーー振り返った時に後悔のない仕事をしてきたわけですね。ダブロンさん、デザイン面のこだわりを教えてください。

ダブロン:非常に洗練された、シンプルなデザインであることにこだわりました。スマートロックは日常に溶け込むデバイスなので、単体で目立つことは避け、できる限り扉や空間と馴染むデザインにすることを重視しました。

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ーーシンプルさの追求が今回のポイントであると。

ダブロン:ただその一方で、シンプルにしすぎて使い方が分かりづらいとなれば本末転倒です。誰でも直感的に扱えるような、人の心理に訴えるデザインであることも必須要件でした。カーブやくぼみといった細部にも試行錯誤を重ね、シンプルでありながらユーザビリティに優れた製品が完成したと思っています。さらに本製品は「タッチプレート型」を採用しています。一般的なスマートロックとは違った革新的なポイントです。

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藤山:タッチプレート型はデザイン性に優れていますが、機能面と両立させることが大変でした。従来製品とは全く異なるものなので、チャレンジではありましたね。

ダブロン:タッチプレート型に変更したとき、問題が100個くらい浮上しましたよね(笑)。

ーー100個!そんなに大変ならタッチプレートはやめよう、とはならなかったのでしょうか?

ダブロン:解決しなきゃいけないことが100個ある、ただそれだけ、という感じでした。これを解決すれば実際にプロダクトになるんだ、というワクワク感が勝っていました。

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試作品の数々

ーーデザイン面以外で、チャレンジだった部分はありますか?

藤山:電波ですね。今回のbitlock PROは、これまでいただいたお客様の声を反映し、利用される場所や環境などの想定領域を広げました。電波はスマートフォンの台数やWi-Fi環境など様々な要素で揺らぐので、どの状況でも安定して利用できるようにすることは難題の一つでした。CSチームで現場環境の情報を集め、知見や専用設備のあるお取引先様と開発方針をすり合わせ、社内外の総力で達成できたと思っています。皆様に感謝です。

ーーお互いに対して、「ハイスタンダード」だと感じたエピソードがあったら教えてください。

ダブロン:藤山さんは常に「設計のことは一旦頭から外して、とことんデザインにこだわってほしい」と私をプッシュしてくれました。本当にいい製品にしたいという藤山さんの熱量が伝わってきたから私も遠慮せずやりたいことを伝えられたし、高い基準で仕事をしようと自分を奮い立たせることができました。

そして、藤山さんは私に大切なメッセージをくれた人でもあります。「そのデザインが最高であると思えないなら、魂を込めていないのなら、やめたほうがいい」と。多くの人が関わるのに、自分が納得せずに弱い意志で仕事をするのは無責任だろうというメッセージだと受け取りました。それ以降、すべての仕事において「これは最高のデザインか?」と自問自答するようになったんです。人としてもデザイナーとしても成長する機会を与えてもらいました。

藤山:そんな強い口調で言ってないですよ(笑)。

ダブロン:そう感じました(笑)。

藤山:僕は、ダブロンさんと仕事をしていると「神は細部に宿る」という言葉をいつも思い出します。一般の人からしたら「そんなことにこだわるの?」という些細なことかもしれません。でも、見過ごしてしまうような小さな部分にまで魂を込めるのがダブロンさんなんです。

最も驚いたのは、「スマートロック内部の基板にロゴを入れられないか」と提案されたときでした。「ロゴを入れてもお客様には見えないだろう」と答えたら、「開発のパートナーはそこを見る。ビットキーのロゴが入っていることで、パートナーも我々と同じように熱量を持って仕事してくれるのではないか」と言うんです。こういった細部にまで目を向けたこだわりが、人の心を突き動かすんだろうと感じました。

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ーーここまで伺ってきて、お二人が一切の妥協なく開発に取り組んできた様子が伝わってきました。ハードウェアチームとクリエイティブチームはどのような関係性で開発を進めてきたのですか?

ダブロン:正直言って「仲良く手を繋ぎながらつくりました」というロマンチックなものではなかったです。最高のプロダクトをつくるために結構戦いました(笑)。

藤山:お互いの「なぜ?」が正しく共有できていなかったときは、双方ともに納得感が生まれなくてぶつかり合っていたように思います。

ダブロン:最初は私の考えが甘かったんです。ハードウェアはデザイン一つが変わると多くの部品に変更が生じ、エンジニアのみならず製造や部品業者にも影響するということを分かっていなかった。一つひとつのデザインに対して説明が不十分だったから、コミュニケーションが上手くいかなかったんです。それに気付けたことで、私自身も変われました。

藤山:開発側も十分に背景を伝えきれてなかったのが反省点です。

ダブロン:双方の意見をぶつけてきたことで、最終的には全員がこれしかないと思えるところまで辿り着きました。ゴツゴツした石のようなアイディアが、美しいダイヤモンドに変わるようなプロセスでしたね。ダイヤモンドって、強い力をかけてプッシュしたり、磨き上げる行程が必要ですよね。本気でいいものをつくるには、この行程が必要なんだと思います。めちゃくちゃ大変でしたが、めちゃくちゃ最高の体験でした。

ーーぶつかり合いながらも「同志」のような関係だったのではないかと想像しました。この製品ができあがった今、何を思いますか。

ダブロン:スマートロックが当たり前の未来になればデザインの自由度も増していきます。やりたいことはまだまだたくさんあるので、デザイナーとして夢を描きながら、その時々の最高品質のものをつくっていきたいです。

藤山:今回のタッチプレート型スマートロックは、スマートロック界では新しいものです。でも、一年後の自分たちは「もうこんなの古い」と言っているかもしれません(笑)。それくらいのスピード感で、これからもビットキーの思いを詰め込んだ製品を生み出していきたいと思っています。

ーー藤山さん、ダブロンさん、ありがとうございました。


◆編集部より

初回となるHigh Standard Interview、いかがでしたでしょうか。今後も、メンバーのインタビューを通して、ビットキーの「ハイスタンダード」を切り口とした様々なドラマをお届けしていきます。

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