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日本の美しい風景

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日本は南北に細長い島国です。北から南までその土地ならではの自然があり、美し光景があります。その四季折々の美しい姿を一瞬切り取ってみました。いつもは気づかない風景も、改めて見るとど… もっと読む
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#日記

サラサラと時には急流に、奥入瀬の涼

青森県の観光名所といえば、十和田湖の子ノ口から焼山までの約14kmの流れ、奥入瀬川の流れが有名。澄んだ空気の中、緑の木々、勇壮な姿で現れる十数か所の滝、奇岩など、様々な美しさを見せてくれる流れが、素晴らしい景色を生み出しています。四季折々の楽しみはありますが、夏の濃緑いっぱいの景色から徐々に色づいてくる頃の奥入瀬は格別です。 幾つもの滝を見ながら歩きたいのなら、雲井の流れから銚子大滝まで9つの滝を見ることができる50分コース。 急な流れやサラサラとした流れなど、川の流れを楽

独特の形が愛らしいひょうたん

真ん中がくびれた独特のフォルムが面白いひょうたん。ヘチマ同様、夏の日よけ棚にからませて育てる植物です。棚のところどころに下がるひょうたんの実が何とも可愛らしく、その光景は、まさに夏の一瞬のアート。 果実は苦くて食べられませんが、完熟してぷっくりと膨れた果実をくり抜き、中を空洞にして乾かしたものを水筒代わりの容器として使いました。ひょうたんは日本だけでなく、中国、韓国、北米や南米、インドネシアやパプアニューギニアなどでもさまざまに利用していたようです。 かつて我が家の棚にも

夏の訪れを知る、半夏生

京都の庭園を歩いていると、葉の半分が白くなった植物に出会います。その名はハンゲショウ。 なるほど半分化粧したようなその姿から付いた名ねぇ。 と思いつつもよく考えると、七十二候の一つに半夏生というのがあり、夏至から11日目、7月2日ごろから七夕頃までの5日間の候、まさに季節の変わり目で、この頃から梅雨が明けます。農家は田植えを「夏至の後、半夏生に入る前」に終わらせるという、いい伝えがあり、これを過ぎると秋の収穫が減るのだそう。そんな半夏生の頃に花が咲くからという説もあるとか

ポン!と咲く?はすの花

大きくて丸い緑の葉が印象的なはす。6月から8月上旬には、大きくて美しいピンク色の花を咲かせます。 はすとは蜂巣の略で、花が落ちた後に花托、つまり花の中央の黄色部分が残り、穴に実が詰まっている様子がまるで蜂の巣のようだからとか。花は朝早く開いて昼頃に閉じ、この開閉を3~4日繰り返します。花が咲くときに、「ポン!」と音がするという話がありますが、それは、まだ聞いた人がいないようです。ふわっと見る間に咲いていく様子が、音が出るように感じるのではないか、ともいわれています。 仏教

7月の京都、祇園祭の風景

京都の夏はともかくムシ暑い。でもその暑さがたまらなく好きで、よく訪れるのです。 7月は日本三大祭りの一つ、祇園祭が始まります。祇園祭は千年以上の歴史ある八坂神社の祭礼で、 7月1日から1か月間に渡り行われます。特に有名なのは17日と24日の山鉾巡行。その数日前から宵山まで大勢の人々が訪れ、町は祇園祭の熱気で溢れかえります。 町を歩くと静かな路地に、祇園祭の粽が玄関先に飾ってあるのが目にとまりました。 粽の由来は、昔、スサノオノミコトが旅人に身をやつして一夜の宿を求めた際

祇園祭の提灯

7月の京都。祇園祭の月に京都へ行くと、町の軒先に提灯が下がり、なんとも独特の風情があります。 この軒吊り提灯は町内ごとで様々ですが、「御神燈」「献灯」「賽照」などの文字と、両側に八坂神社の神紋が描かれたものだそう。 八坂神社の神紋は、左三つ巴と五瓜に唐花の2種類です。この1つ、五瓜に唐花の神紋は、きゅうりを輪切りにしたときの切り口に似ているので、きゅうりを食べるのは恐れ多いといわれ、京都では7月にきゅうりは食べてはいけない、というしきたりがあるのだそうです。そういえば、似

祇園祭の灯り

7月の半ばになると、さらに祇園祭は賑わいます。 特に山鉾が立ち並ぶ山鉾町には、宵々山、宵山(7/15、16) に、山鉾の前に飾られる駒形提灯が灯り、祭りの雰囲気が盛り上がってきます。「駒形提灯」というのは、提灯を飾った全体の形が、将棋の「駒」に似ているからとか。山鉾に飾る提灯は、それぞれに形や大きさ、デザインなどが様々です。 町内の提灯もさまざまですが、祇園地域では「つなぎ団子」と呼ばれる赤いお団子が繋がったようなデザインの提灯が下がっています。地域によって違うデザインな

色鮮やかなラベンダーの畑

ハーブの中でも、ひときわ香りが良く、色も美しい紫のラベンダー。 自宅で育てても、なぜか色が淡く、花もまばらになってしまいます。ラベンダーといえば何といっても北海道が有名で、7月の下旬に満開となる富良野町のラベンダー畑は見事です。種類にもよりますが、ラベンダーはやはり北海道のような寒さには強いですが、高温多湿や暖地での夏越しが難しいとのこと。 富良野町のラベンダー畑は、その昔仕事で訪れたことがあったのですが、その時はまだ畑もさほど広くなかったはず。しかし最近は畑だけでなく、

黒石ねぷた

東北・青森の夏は短い。真夏は北国といえど猛暑日にもなりますが、その時期がとても短いのです。そしてちょうど暑さのピークがねぶた祭りの頃。 青森ねぶたは東北三大祭りの一つで、巨大な張り子のねぶたが大太鼓やお囃子、跳ねとと共に町を練り歩く、熱気ある祭り。青森の人たちはこの日ばかりは地元に戻り、思っ切り夏の暑さを満喫しながら盛り上がるのです。ねぶたとは、眠たいが転じた言葉で、秋の収穫の前に農作業をする人たちが眠たくならないようにと始めたもの。ねぶたいもねぷたいも地方訛りの違いだそう

紺碧の海に憧れて

じめじめとした毎日にうんざりとする長い梅雨が開けたとたん、驚くほどの暑さで夏がやってきました。 この夏、南の島へ行きますか? 海はここがオススメです。  鹿児島県、喜界島。ここは奄美大島から小さな飛行機ですぐ。その昔は島流しの島で、歌舞伎の演目、俊寛でも有名な島です。島の周囲はサンゴ礁を蓄えた紺碧の海。さりげないビーチでも、その美しさに感動します。島を車で走っていたら、誰もいない小さな絶景のビーチに出ました。 ハワイビーチは、ハワイ帰りのオジーが、ハワイのように美しい海