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趣味という役に立たないし意味もないもの

ココロカケルというコミュニティ内の投稿で、運営を一緒にをやっているおかもっちゃんが、「趣味とは??」みたいなことを書いていたので、ちょっと整理してみました。
ということで今日のテーマは「趣味って何だろうね」です。

昨日のこちらの記事とも絡めて書いてみます。

さっそく本題ですが、趣味とは「役に立たないし、意味もないけど好きなこと」だと思っています。
ここだけ切り取ると、みなさん「そうだよね」と言ってもらえるんじゃないでしょうか。

じゃあ、趣味の写真をSNSにあげたり、趣味で作ったモノを販売したりするのはどうでしょう??

趣味をSNSで発信して趣味が充実するなら、趣味として大事な活動だと思います。
ただ、趣味の写真を発信することで友達を増やしたいとか考え始めると、それは「役に立つこと」としてやろうとしているモノであって、趣味とは違うモノになっていくイメージです。

趣味が高じて仕事になりました、みたいな人も、趣味をお金に変えればいいじゃん、とかいう考え方も、別に悪いことじゃないけど、そうなった時点で「役に立つこと」に変身して、純粋な趣味とは違ってきちゃう。

元プロ野球選手の宮本慎也さんが引退の時に「好きで始めた野球なんですけども、プロになった瞬間に仕事になって……。よく最近、“楽しむ”“楽しむ”というんですけど、僕は一回も楽しんだことはない。」
みたいなコメントをしていました。

仕事だから楽しんじゃいけないということはないんですが、趣味を仕事にするというのは、そのくらい違いがあることなのかなと思います。

あとは、「趣味でやってるこの活動が人の役に立ったら嬉しい」とか言い始めると、「意味があること」に変身しちゃいます。
一度そのレールに乗って人に認知されちゃうと、意味のないことをやりたくなったとき、自分の趣味のはずなのに本当に自分がやりたいことを出来なくなったりします。

趣味を発信すると、このように趣味なのに自分の本当にやりたいことから離れていってしまうリスクがあるんですよね。

さて、ここで有名なクイズを出してみましょう。

「内的誘因」の力

自分が子供たちの一人だったら、と想像しながら考えてみてください。

<状況>
オジサンが自分の家の塀のペンキを塗っていました。
すると町の子供たちが寄ってきて、「面白そう!僕たちにもやらせて!」と言いました。
ペンキ塗りはなかなか重労働なので、オジサンは大助かり。
子供たちも楽しみながらペンキ塗りをしました。

そこでオジサンは言います。
「明日も手伝ってくれたらお小遣いをあげるよ!」

それを聞いた子供たちは大喜び。
次の日もみんなそろって元気にペンキ塗りをしました。

終わる頃、子供たちがオジサンに聞きます。
「明日も手伝ったらお小遣いくれる??」
するとオジサンは言います。
「いいや、明日はお小遣いは払えないけど、今日のお小遣いの内と思って手伝ってほしいな」

真面目な子供たちは3日目もお手伝いに来ましたが、誰も喋らず、つまらなそうにペンキ塗りをしました。

<問題>
子供たちのペンキ塗りに対するモチベーションを1〜3の3段階で表すとしたら、1日目、2日目、3日目でどう変化したでしょうか?

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少し長かったですが、こんな問題です。
みなさんもよければ考えてみてください。

3日目はめちゃくちゃ低そうなのは明白ですね。

これ、多くの人はこんな回答を書きます。

好きでやっていたときと、お金をもらっているときはモチベーションが高いだろうと。

でもこれ、いずれも不正解と言われています。

2日目は、お小遣いを貰えるのでめちゃくちゃモチベーションが上がりそうです。
でもこれ、ペンキ塗りに対するモチベーションではなくて、お小遣いに対するモチベーションなんです。

なので、この問題の正解はコレと言われています。

2日目の時点で、ペンキ塗りに対するモチベーションは最低レベルまで落ちちゃってるんです。

これ、心の内側から来るモチベーション(内的誘因)が最強で、そこにお金とか褒められたいとか認められたいとかいうモチベーション(外的誘因)が入ってくると、その活動自体へのモチベーションは下がるよね、ということを言っている話です。
もし家の壁に落書きされて困ってる人がいれば、一度お金を払って書いてもらって、「次はお金払わないけどまたよろしくね!」と言えばいいということですね。

さて、だいぶ遠回りしましたが、なにを言いたいかというと、、、
趣味でやってるものは、趣味のままにしておけばいい、と思うのです。

誰にも発信もせず、一人で楽しめばいい。
それこそが「趣味」な気がします。

役に立つ必要もないし、意味がある必要もない。
むしろそんなことを完全に無視して、ただただ時間もお金も浪費するから趣味と言えるんじゃないかと。そんなことを思うのです。

情報を効率的に得られるようになって、発信もマネタイズも簡単になって、生活の時間効率もよくなってしまったからこそ、逆にみんな余裕もないし、生活に遊びがなくなっていませんか??

そんなときこそ、趣味と名付けて"クソみたいな時間の使い方"をしてみたらいいと思います。

あ、でもそんな時間の使い方をすることで生活を豊かにしよう!とか、こんなくだらないコトしたぜ!とか発信しようと思っちゃダメですよ?

役に立てる気も無いし、意味を持たせる気も無い。
そんな時間の使い方。それが趣味の醍醐味だと思います。

なんでも発信・シェアする時代だからこそ、一人で楽しむ趣味の時間が、あなたの可能性を広げてくれるかもしれませんし、まったく広げてくれないかもしれません。
でも、そんなんどーでもいいや!って言えるような「好きなことをする時間」。
そしてそれを「一緒に楽しめる仲間」。
このふたつが、あなたの人生をきっと豊かにしてくれるのではないでしょうか。

Author:小林慶志郎
BiSEの企画、ドッドいっぽの運営の他、有料コミュニティを複数運営中。
主な事業はIT・経営のコンサルティング。
大手企業向けのITプロジェクトの企画構想、業務設計、PMO支援を行ったり、中小企業向けの経営支援を行っている。
中小企業診断士、合同会社KBC代表

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