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「"役に立つ"より"意味がある"」に続く「意味がない」という価値

「BiSEのこばさん」こと、小林慶志郎です。
最近(?)「役に立つ」よりも「意味がある」を目指そう!ということがよく言われていて、ちょっとその辺りについて考える機会があったので、せっかくなのでここに残しておこうとおもいます。

よく言われるのが、日本車はとっても高性能。めちゃくちゃ役に立つけど値段はそこそこ。
高級外車は性能は大きく変わらなくても、値段がギューンと高くなります。

高級外車が日本車の10倍も「役に立つ」訳も無く、これは「車として役に立つ」のではなく、
「持ってることに意味がある」から日本車とは違う値付けができる、というやつですね。

製品の製造技術が上がって、高品質なものをどんどん安く作れるようになってきています。
高品質なものが出来たとしても、あっという間に似たような商品を作られてしまいます。

そうなると、品質はある程度どれも一緒で、その中でどれを選ぶか?という話になってくる。

ということは、品質(役に立つかどうか)ではなく、その商品を選ぶ理由(意味)をどうやってお客さんに提供するか?
という勝負になってくる、というのが「意味がある」を目指す理由です。

ここまでは、ずいぶん前(1年以上前?)から言われていたことです。

これを通り越して最近言われているのが、「意味がないもの」へのシフトです。

「意味がない」という価値

みんなが「意味がある」ことを目指すあまり、高尚な理念だったり、自分の苦労話をぶら下げて商品やサービスの宣伝をする手法が広まりました。
実際にやろうとしているサービスにどこまで実態があるかよりも、「私の考え、ステキでしょ?」「私、頑張ってるよ?」が前面に来てしまう感じです。
表現を変えると、「意味しかない(役に立たない)」という状態かもしれません。

こういったものがクラウドファンディング市場でも溢れています。
それでお金を払って満足する人がいるのであれば、それはそれでいいのかもしれませんが、「この活動なんなの?」みたいなものもあり、なんとなく気持ち悪さもありました。

そんなことを考えていったときにふと思ったのが、「役に立つ」「意味がある」というふたつの言葉と、「価値」という言葉の位置づけでした。

お客さんがお金や時間を使うのは、何らかの「価値」を感じるからです。
じゃあ「価値」とこのふたつの言葉の関係はどうなっているのか?

役に立つ = 価値がある?
意味がある = 価値がある?
役に立たない = 価値がない?ほんとに?

みたいなことを考えていました。

そして気づいたのは、これは並列で並べるものじゃないということです。

おそらく価値を考えるのであれば、この二つに分けられるんだろうと。
・役に立つという価値:機能的価値
・意味があるという価値:意味的価値

高品質の商品が世の中にあふれて、機能的価値が一定になっているからこそ、意味的価値を提供しないとお客さんに選んでもらえないということですね。
一方で、意味的価値さえあれば、機能的価値なんて無くてもいいのかもしれません。(だから(機能的に)役に立たないクラファンが目標達成する)

もっというと「"役に立たないし意味もない"けどそこにお金を使うという意味がある」みたいな言葉遊び的な"意味的価値"を提供することも一つの価値提供の形なんだろうなと思います。

つまり「"意味がない"という価値」ですね。大人が全力でふざけるような面白さ。後に何も残らないけど、ネタになるようなものとか。そういったものにもニーズがあるんだと思います。

結局のところ「価値をどうやって提供するか」という太古の昔からの問いに立ち向かってるだけなんですが、時代の流れや流行り言葉をきっかけにいろんなことを考えてみています。

これまでBiSEやドットいっぽをやっていくうえで、「意味がある」を目指して、社会的意義とかをアピールしてHPやnoteにつらつらと文章を重ねてきました。
が、それも一つ前の時代の方法になりつつあるのかもしれません。

役に立つかも分からないし、それに社会的意義があるかどうか分からないけど、何らかの形で価値を発信し続ける。それが、受け取る人にとって意味があるものになればいい。
人にとっては「役に立つ」かもしれないし、人にとっては「楽しければいい」かもしれない。
「意味がない」を目指す必要は無いけど、「意味はないけど面白い」というのは一つの目指すべきカタチかもしれない。
そんな風に、いろんな形で受け取ってもらえるものにしていく必要があるんだろうな。

言うは易く行うは難し、実現方法は霧の中ですが、一歩ずつ勉強していこうと思います。

ということで、今日はここまで。

Author:小林慶志郎
BiSEの企画、ドッドいっぽの運営の他、有料コミュニティを複数運営中。
主な事業はIT・経営のコンサルティング。
大手企業向けのITプロジェクトの企画構想、業務設計、PMO支援を行ったり、中小企業向けの経営支援を行っている。
中小企業診断士、合同会社KBC代表

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