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インタビュー:「クリエイターの夢を夢で終わらせない社会へ」、UnFRAME代表の423(シブサン)のビジョン

クリエイターになるには美大や専門学校に進まなきゃ、と思っている人もいるかもしれません。あるいは、美大や専門学校で学んでいないからクリエイターにはなれないとか。

「逆にそこから挑戦したり、スポットライトを当てる組織や社会があってもいいんじゃないかって思って」と話すのは、ジャンル不問のクリエイター集団「UnFRAME」(アンフレーム)代表の423(シブサン)。
423自身が一般大学へ進学し、独学でイラストを描き続けています。

UnFRAMEが描くクリエイターの裾野を広げ、価値を高めるビジョンとは。


原宿で合同展を開催

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11/1、原宿のデザインフェスタギャラリーで合同展「SCRAMBLE」が行われました。12名のイラストレーターや彫刻家が、それぞれの作品を展示し、丸1日かけて多くの来場者が訪れました。
展示者に共通するのが、プロのクリエイターを目指していること。また、美大や専門学校に通ってきたわけでない人がほとんどであることも特徴です。
この合同展を企画・開催したのがUnFRAMEでした。

UnFRAMEを発足させた思いとは

UnFRAMEが掲げるビジョンは「クリエイターの夢を夢で終わらせない社会へ」。
代表の423に聞きました。立ち上げのきっかけは何だったのですか?

物心ついた頃からイラストを描いていました。最初は少年ジャンプのマンガを模写したりして。そのうちオリジナルのイラストを描くようになりました。美大に進みたいとも思っていましたが、学費や家庭の事情などで断念しました。でも、僕が美大に進みたいという話をしていたことから、急に美大を目指した友人もいて。

その友人は美大に現役合格。一方の423は一般大学へと進みます。
卒業後も会っていましたが、ある種の苦しさを感じたこともあったそうです。

友人はぐんぐんと成長していくというか。友人には「高校時代からプロで活躍する友達」なども出来てくる。友人関係や環境などが、私とは違っていました。
そのギャップに、「いいな」とか「悔しいな」と思いました。ですが、それをきっかけに、「ならば、自分で環境を作ろう」という想いに切り替わったんです。

そして、その想いは「自分だけ」ではなく「みんなで」。

まわりにも同じように困っている友人もいたり、すごい技術を持っているのに夢を諦めて、平日は会社員で絵は趣味と割り切っている方をネットで見かけたりもしました。そこから、どうせなら、いろんな人を巻き込んでやりたいと思い、団体を立ち上げました。


UnFRAMEのこれまでの道のり

423は知人や友人と話をしながら構想を練り、2019年10月頃に本格的に団体としての活動を始めました。
友人に声をかけたり、twitterなどで声をかけたり。人づてに輪が広がり、多いときには50人規模にまで膨らみました。

一時期はサークル感覚で入る方が多かったんです。でも、本気度や、空気感が合わない方も中にはいました。

本気度とは、具体的にはどんなことでしょうか?

独立を考えていることが第一条件。ただし、独立は、目先の生計を立てるという意味ではありません。UnFRAMEのビジョンとしては、クリエイティブの単価を上げたい。その形を、自分だけでなくチームで作っていきたいと考えられる方、そしてクリエイティブ業界全体を変えることに思いをはせられる人に入ってきてほしいんです。

そのステップとして、現在は伝統工芸など失われつつあるものをクリエイティブの力で再生していくことも考えているそうです。

伝統を新しい技術を甦らせるという、職人というクリエイターのためのクリエイティブによって、クリエイティブの役割を明確に打ち出して世間に浸透させたいです。個々のクリエイターとしての存在をアピールしつつ、全体としてもクリエイティブの力を見せつけたいですね。

メンバーは、現在、約20名。イラストレーターや動画クリエイター、メイクアップをする人など様々だそうです。首都圏を中心に、大阪や和歌山にもメンバーがいて、Slackを使ったりしながら連絡を取り合いながら、活動を行っています。


代表として考えること

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423は現在、23歳。UnFRAME以外に、クリエイターの新しい働き方を提案するBECOMEsという団体の代表も務めます。
そして同時に、現在もイラストを描き続けています。コンセプトは「ちょっと楽しくなる」イラスト。じっくり鑑賞するものより、街や雑誌などの日常の中に溶け込みながら、心に残り「良いな」と思われるイラストを目指しています。
単純に、いそがしくて大変ではないですか?

正直なことを言うと、最悪自分は絵で食べていけなくても全然良くて。身近なクリエイターたちをどんどん前に打ち出したいという気持ちが強いです。「仲間を売り出すこと」が本業ですね。

そのために、今後はさらに団体をパワーアップさせるべく、起業を目指しています。

今いるメンバーでしっかりと連携して、チームとしてのポートフォリオなども作り、営業をかけてしっかりと個人でもチームでも仕事とれるような動きにしたい。2021年の前半で、そういう体制に持って行きたいです。


冒頭の合同展は、具体的な活動としての第一歩。
そこでは、来場者やクリエイターなど、多くの交流が生まれ、423もメンバーも手応えを感じているようです。

ビジョンに共感し、積極的に活動してくれる人に仲間になってほしいと話す423。
UnFRAMEはいま、ビジョンに向けて、メンバー皆で一歩一歩進んでいます。


(インタビュー:2020年11月)
(写真はすべてUnFRAME提供)

UnFRAME
https://twitter.com/unframe2019
https://note.com/unframe

423
https://twitter.com/423shibusan

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