モスクワに到着。W杯直前の熱気。6月11日

シベリア鉄道にお別れ

モスクワ到着の朝は、食堂車で２度目の朝食を食べた。

顔なじみになった食堂車のおばちゃんにお礼を言って写真も撮らせてもらおうとしたら断わられた。写真は禁止されているらしい。

自然一色だった景色が、街並みに変わり、グラフィティ(スプレーで描く落書き)を目にするようになった。

iphoneの「写真」→「撮影地」をタップしたら、写した写真でシベリア鉄道全線が繋がっていた。

６月１１日１４時、終点モスクワ・ヤロスラフスキー駅に到着。

夫婦と笑顔でサヨナラを言い、車掌さんにもお礼を言えたが、写真はやはり断られた。

モスクワの９つのターミナル駅の中で最も乗降客数の多いヤロスラフスキー駅。駅を出たら、さすがヨーロッパ一の巨大都市に降り立ったと実感する大きな街が広がっていた。

ワールドカップ客用の案内パンフレットやムードを盛り上げ

るいろいろな掲示物を目にした。通りかかった公園内でART FOOTBALLという展示イベントをやっていて、ずらりと並ぶポスターの一つに日本のリフティングパフォーマンスチーム球舞（きゅうぶ）のものがあった。

球舞のリーダーのマルコさんは、僕の会社にも何度か来てくれているし、浦和レッズの試合前とかにイベントでパフォーマンスやっていたりしているから、ポスターを見かけただけで嬉しくなった。

プレジデントホテル

旧ソ連時代は共産党中央委員会が運営していた由緒ある「プレジデントホテル」にチェックインした。質素さと豪華さと大きさが社会主義時代を感じさせる。

ネット予約のタイミングが良かったようで高級ホテルの割には４７００ルーブル（８２００円）と手頃とはいえ、僕には不釣り合いなちゃんとしたホテルだが、それには理由があった。

レジストレーション（滞在登録書）を確実にくれそうなところを選んだのだ。

ロシアでは、ビザ以外に、全経路と宿泊施設を証明できるものが必要になることがあるらしい。原則ホテルは、外国人宿泊者リスト作成が義務づけられていて、その際にレジストレーションが作られる。ホステルなどでは書類を作らないことがあって、旅先でトラブルに合った時に困るらしい。

チェックインで、イミグレーションカードを提出したら、「ここまでの行程をドキュメントで出せ」と言われ、説明や確認で３０分以上かかってしまった。

「５日から１１日までの６日間、お前は何をしていたのだ」とフロントスタッフ。

「列車に乗っていた」と何度言っても信じてもらえない。

色々確認したようで、最終的にはオーケーとなったが

ため息とともに「１５０時間電車に乗っていたのか。おまえ馬鹿だな」言い、笑われた。

赤の広場、聖ワシリィ大聖堂の前には世界各国のテレビ局の簡易スタジオが設営されていた。

「どこから来たの？」

「写真撮って？」

「チケットある？」

世界中からの観光客やサッカーファンたちが軽く声をかけてきた。

モスクワは移動手段が豊富だ。地下鉄、バス、トラム、タクシー、カーシェア、レンタサイクル。

レンタル電動キックボードを借りてみようと思ったのだが、ｓｍｓのメール受信が必要で、ｗｉｆｉしか使えないので断念した。

４時間歩き回り、日が暮れ切らない２２時過ぎにホテルへ戻った。

１週間ぶりの広いベッドに、横になった瞬間に眠ってしまった。

今日の写真

【写真】モスクワ市街