突然のメキシコ旅行
私の趣味は旅行とダイビング。
ある時、私は友人と休みを合わせてダイビングをしに小笠原諸島へ行くことに。
船やホテル、ダイビングの予約も完了し、その日を楽しみにしていた頃、毎日届く相方からの気象情報。
どうやら小笠原諸島に台風が接近している模様。
お互いにひたすら作るてるてる坊主。
その効果は虚しく台風の進路は小笠原諸島から逸れてはくれず。
行き先を変えることにしたのは5日前。
台風の影響を受けずにダイビングをするには海外に行くしかないということで候補に上がったのはメキシコ。
あらゆる旅行会社に問い合わせたものの、直前過ぎてなかなか空いておらず、ようやく見つかったキャンセル待ち。
結果が分かるのは2日後。
祈ることしかできない2日間。
結果キャンセル出ず。
代わりに勧められたのはフィリピン。
しかし我々の気分は完全にタコス。
さらにフィリピンの天気予報は雷雨。
もう自力でメキシコに行くしかない。
目的地はメキシコのラパス。
直前でちょうどいい飛行機は見つからず、行きも帰りもアメリカ経由で乗り換え2回、行きはメキシコシティで一泊、帰りはロサンゼルスで一泊とゆう無駄の多い行程になってしまったがとりあえず急いで飛行機とホテルを予約。
あとは本来の目的であるダイビングの予約をしなくてはならない。
しかしダイビングツアーではなくダイビングだけの予約となると現地の英語サイトしか見つからない。
英語でメールを送ってみたが、時差もあるしなかなか返事はこない。
なにせ我々には時間がない。
色々探していると、協力してくれそうな日本のダイビングツアー会社を発見。
仕事の昼休憩中に電話すると、うさんくさいおじさんに何でも叶えてあげると言われた。
大丈夫なのか…
相方にその会社がまともなのか調べてもらいつつ、おじさんとのやりとりをとりあえず進める。
しかしあっという間に終わる私の昼休憩。
途中で仕事の合間を縫って相方に電話をかけ直してもらいバトンタッチ。
うさんくささはあるものの、その会社はまともでそのおじさんは代表らしい。
最終的にはダイビングをアレンジしてもらえることに。
出発2日前にしてなんとかうまくいきそうだ。
そしてそこで気付くエスタの存在。
アメリカで乗り継ぐだけでも必要だと初めて知る。
私は少し前にラスベガスに行ったので取得済みだが、相方は持っていない。
申請に最大3日かかると聞いて胃を痛める相方と、ネットですぐ取得できるさと能天気な私。
結果その日のうちに取得でき、相方の胃痛は治まった。
そして最後の問題は小笠原諸島のもろもろをキャンセルするかどうか。
自己都合でキャンセルするとキャンセル料がかかるが、台風のせいだとキャンセル料がかからない。
今キャンセルすればキャンセル料は20%だが、キャンセルせずにおいといて台風が来なかった場合はキャンセル料を全額払わなければならない。
20%払うか、100か0の賭けに出るかの2択。
台風が直撃する事を祈ってキャンセルせずに、今までせっせと作ったてるてる坊主を全て逆さまに吊るした。
そして我々は賭けに勝利。
台風で小笠原諸島行きの船は欠航し、キャンセル料は無料。
旅行当日、私は福岡、相方は広島から東京に集合し、例のうさんくさいおじさんと会ってもろもろの説明を直接受けた。
電話での、なんでも叶えてあげるという言葉はうさんくさ過ぎたが、確かに願いは叶ったし、会ってみるとおじさんは普通にいい人だったので、出発前に3人で写真も撮った。
初日は飛行機を乗り継いで、メキシコシティの空港でカプセルホテルに泊り、念願のタコス。
翌朝一番の飛行機でラパスに向かい、そのままダイビング。
日本語が上手なメキシコ人のインストラクターと、なにやら有名な水中カメラマンさんと一緒のチームで2日間ダイビングを堪能し、夜はみんなで飲みに行った。
ラパスの名物であるアシカともがっつり戯れる事ができ、最高の旅行となった。
帰りはメキシコシティで乗り継ぎの時間が長かったので軽く観光もした。
最後にロサンゼルスで一泊する際、ホテルまでのタクシーにお土産を全部忘れてしまった事だけが今回の旅の失敗。
台風が来たから小笠原諸島へ行くのをやめて、5日前に行き先をメキシコに変更した。
この話は今でも私のテッパンネタの1つである。
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