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【読書】小説という思考実験、森博嗣さんの世界。
森博嗣さんの名前を知ったのは、押井守監督のアニメ映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』を鑑賞したときだ。
永遠に子どものままのキルドレが、戦闘機のパイロットとして戦う物語であり、作品全体が淡々とした静けさに包まれている。深く感銘を受けて原作者は誰だろう?とチェックしたところ、森博嗣さんだった。
X(旧ツイッター)上で読了した本、鑑賞した映画、気になった音楽を記録メモとしてつぶやいているのだが、いま検索してみると2016年の4月5日にTSUTAYAで『スカイ・クロラ』のDVDを借りている。
ちなみにTSUTAYAの店舗によるDVDレンタルは2023年に撤退しているようだ。その作品を借りた店は、早々になくなってしまった。
あまりにも美しい映画だったため、原作が読みたくなって文庫を購入した。記録によると『ナ・バ・テア』から読み始めている。どれから読むべきだろうと考えて検索して、シリーズではこれが最初という情報を得て選んだ記憶がある。5月12日に入手して2日後の14日に読了。『フラッタ・リンツ・ライフ』を5月24日に入手して2日後の26日に読了。
6月4日には『スカイ・クロラ』『スカイ・イクリプス』の2冊を入手し、『スカイ・クロラ』は6月9日に読了、『スカイ・イクリプス』は7月4日に読了している。
どういうペースの読書なのだ。読むのが速すぎ。といっても森博嗣さんの本は、ほとんどが同じようなペースで読了している。面白すぎるからだ。自分に合っているせいもあるだろう。時間を忘れてぐいぐい読める。
スカイ・クロラシリーズの長編5冊と短編集1冊を読破した後は、しばらくブランクがあった。というのは、どうやら森博嗣さんはミステリー作家らしいということは分かったのだが、もともとミステリーには興味がなかったので、その他の作品には手が伸びなかったからだ。大学にお勤めで工学部の教授だったということも、かなり後で知った。
ミステリーに食わず嫌いはやめよう、少し読書の幅を拡げてみようと思って読んだのが『すべてがFになる』である。
もうひとつのきっかけとしては、高校生用の国語便覧が欲しくなって古本屋で買ったところ、森博嗣さんがやけに大きなスペースで取り上げられていたからだ。なぜだろう?と思って気になった。
『すべてがFになる』は代表作だが、個人的な感想としてはいまひとつだった。なんとなくぎこちない印象があった。ラストのどんでん返しには感動したし、天才科学者である真賀田四季の登場は印象に残った。けれども、スカイ・クロラシリーズの雰囲気が好みだった自分には、うーむというもやもやした読後感が否めなかった。
ところが、その後、『すべてがFになる』に続く西之園萌絵と犀川創平の登場するS&Mシリーズを読み始めたところ、これが止まらない。
ひとつひとつ解説していると10万文字ぐらいになりそうなのではしょるが、シリーズを横断して同一の登場人物が出てくることが、ファンとして嬉しい。あの人物はどうなったのだろう?と気になって、全部を読み進めたくなる。年譜や地図のようなものを作ってみたい。もしかするとファンの誰かが作っているかもしれない。
シリーズのなかでも個人的に好きなのは、Wシリーズ+WWシリーズである。不老不死をほぼ実現した近未来が舞台であり、ウォーカロンという人工生命体、スパコンやネットに存在してサブセットとして人工生命体の物理的な姿を借りる人工知能が登場する。
人工知能は女性型が多く、男性の姿の人工知能は演算処理の能力が低い。偏ったシミュレーションをして困った存在だ。さらに森博嗣さんの小説には、優秀かつ強い令嬢が登場する。特徴としては、ショートカットの髪型で高級スポーツカーを猛スピードで激走させる。作者の好みまたはエンタメ精神が発揮されているのだろう。あ、またこのタイプですか、お好きですよね、とにやけてしまう。
森博嗣さんには大量の作品があるが、思考実験として書かれているのだろう。構造やフレームワーク(枠組み)をまず作り、仮説を立てる。次に仮説を覆す展開を探る。すべての人物を人形のように操っていく。そうして物語世界を紡ぎ出しているように思える。
だから、森博嗣さんの小説には終わりがない。物理的に有限な世界ではなく、無限の世界の中に生かされている人物たちは、増殖して進化する。もはや作者の手を離れて、生成変化しているようにさえ見える。
ところで個人的な感想では、森博嗣さんが書く小説にはハマるのだけれど、エッセイは何となくいただけない。緻密で哲学的な思考を持つ主人公の小説を書かれているにも関わらず、あれれ、おやおや?と拍子抜けするような印象だ。もちろん発想が面白いので、手を抜かれているわけではないと思うのだけれど、疑問。
現在はWWシリーズを読み進めている途中だが、永遠に読み続けられそうな気がする。大量になりそうだが、X(ツイッター)の読了メモを以下に取り上げる。読んだ順ではなくシリーズごとに掲載したい。エッセイも読んでいるのだけれど、ここでは取り上げない。
抜き出してみたら膨大で驚いた。紙の本で手に入れていることに対して、嬉しい後悔がある。しかし、さらに驚くべきことには、読了した本以上に未読の本がたくさんあることだ。
2024.03.27 BW
※ この先は、Xの読了リンク多数なのでご注意ください。
S&Mシリーズ
『すべてがFになる』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) May 2, 2021
この流れで終わるなら残念、と思っていたところから二転三転して、お?おー!という予想しなかった鮮やかな結末が楽しめた。数学やプログラム用語はともかく、アルゴリズムで書かれた推理小説という印象があった。素晴らしい。#読了#読書好きと繋がりたい pic.twitter.com/NiK6wPt9av
『冷たい密室と博士たち』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) July 23, 2021
大学工学部の研究センタで展開されるミステリィ(著者は音引きを使わない)。UNIXマシンのディレクトリとログから犯人探しをするのはユニークだなと思った。文系の自分としてはトリックより犯人の動機に切なさを感じた。『すべてがFになる』のほうが好み。#読了 pic.twitter.com/mO7OSTb1xi
『笑わない数学者』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) March 31, 2023
オリオン像が消えるトリックは、冒頭の三ツ星館の平面図をみたときに浮かんだアイデアそのままだった。しかし事件の時系列の推移や背景のドラマが楽しめた。解けない謎が残されている。ラストの詩的、数学的、哲学的なエピソードは、森博嗣さんのならではの世界。#読了 pic.twitter.com/YbKQJHySC2
『詩的私的ジャック』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) April 7, 2023
よかった!シリーズ4作目を読み終えたが、いまのところ最高。N大学のロック歌手をめぐる事件のミステリィ。西之園萌絵の細やかな心理、キャンパスライフ、犀川助教授とのやりとりに臨場感があった。危機的な場面のスリルを楽しめた。引用された歌詞もなかなか。#読書 pic.twitter.com/9oCPJWCciL
『封印再度』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) April 15, 2023
鍵の入った壺「天地の瓢」と開かない箱「無我の筺」のトリック、事件の真相はもちろん、西之園萌絵と犀川創平のドラマが楽しめた。特に犀川のこころの起伏には共感。えっ!と打ちのめされたり、ほっと安堵したり。パソコン通信には時代の変化を感じたが、盛りだくさん。#読了 pic.twitter.com/PdoXY8oazJ
『幻惑の死と使途』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) April 28, 2023
西之園萌絵の危なっかしい行動にハラハラし、謎解きの見事さに感動した。しかし、そのまま終わらず犀川創平がどんでん返しをする。トリックに徹した手品師の人生が泣けた。それぞれの場面に拡がりがあり、哲学的な会話を含めてシリーズを重ねるほどに面白くなる。#読了 pic.twitter.com/bZeZ7EgDTa
『夏のレプリカ』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) May 4, 2023
西之園萌絵の成長を描いた作品だと感じた。好奇心が強すぎる奔放な彼女の行動に軽くムカついたが、作者はあえてそんな子供じみた姿を描いたのでは。『幻惑の死と使途』と合わせて読むと深みがある。悲しい物語だけれど、さりげないラストのエピソードに救われた。#読了 pic.twitter.com/CIVHLoJyrZ
『今はもうない』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) May 13, 2023
人間が入れ替わるトリックのミステリーは数多あるだろうけれど、これは「やってくれたぜ」という斬新なラストだった。シリーズを読んできたファンの思い込みがあるからこそ、完全に騙される巧妙さ。語り手の設定が鍵。読後に美しい木漏れ日のような余韻が残った。#読了 pic.twitter.com/qqoWUIQM9a
『数奇にして模型』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) May 22, 2023
ビジュアル要素の映える作品。西之園萌絵に迫る危険にハラハラした。個人的には国枝先生や犀川先生が話す(本人たちは時間のムダというのだが)哲学的な考察に興味がわいた。脇役キャラが丁寧に描かれていて、金子君のエピソードには泣けた。事件の顛末に納得。#読了 pic.twitter.com/CFmErooFRf
『有限と微小のパン』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) May 28, 2023
文庫で800ページ以上あるにも関わらず、ノンストップの勢いで読めた。大掛かりな割に凡庸なトリックだけれど、何よりも真賀田四季!海岸のシーンに泣けた。テーマパークのほか身体装着型のVR/ARにリアリティを感じたが、作品刊行は1998年。作者の先見性が凄い。#読了 pic.twitter.com/2amUZTUf00
Vシリーズ
『黒猫の三角』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) June 19, 2023
ゾロ目に遭遇するとスクショを撮るぐらい好きなので、数字の並びで起こる事件に興味津々。といってもラスト100ページぐらいまでは、リアリティのないつまらない物語だなと感じた。記号に意味を求めること、意味のルールから逃れようとすること。どちらも人間のサガ。#読了 pic.twitter.com/JhAZcEhtww
『人形式モナリザ』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) June 24, 2023
Vシリーズ2冊目。幻想的な詩のような冒頭に困惑しながら読み進めたのだけれど、個性的なキャラそれぞれに魅力があり1冊目より楽しめた。蓼科の人形博物館をめぐる事件。モナリザの謎については想像通り。瀬在丸紅子、林、七夏の三角関係のドラマに引き込まれた。#読了 pic.twitter.com/gpVIXm5fMA
『月は幽咽のデバイス』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) July 3, 2023
なるほどと思った密室のトリックだが、リアリティに欠けた。『笑わない数学者』を思い出した。期待していた登場人物のドラマの盛り上がりがいまひとつ。ただ瀬在丸紅子は西之園萌絵とは別のタイプの我儘なお嬢さまぶりがいい。そんなことより、林の下の名は?#読了 pic.twitter.com/sIIVWQG3Ze
『夢・出逢い・魔性』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) July 8, 2023
この作品は納得できなかった。あやうく紅子たちのアクションと大団円に誤魔化されそうになったが、ご都合主義な展開。トリックが杜撰。コミカルな演出も白けた。多作な作家だから、駄作もあるのか。小鳥遊の逃避行シーンがよかっただけに残念。次に期待したい。#読了 pic.twitter.com/5cH3Tryki2
『魔剣天翔』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) July 15, 2023
よかった!感動。航空パイロットと芸術家の事件簿。森博嗣さんの作品に期待するのはトリックはもちろん、さまざまな登場人物の錯綜する人生、嫉妬や煩悶のドラマ(人間模様)、詩的空間の表現だと思う。すべて満たされた。ただひとつだけ謎は残った。林警部の下の名は?#読了 pic.twitter.com/MW55XX60wa
『恋恋蓮歩の演習』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) July 26, 2023
最高!こういう物語を読みたかった。ふつうの恋愛小説が延々と続く冒頭には眠くなったが、そうじゃないかなと思っていた結末に納得。保呂草という探偵を見直した。関西弁のしこさん(香具山紫子)が少しかわいそうな印象。そして出番が少なかった林の下の名は?#読了 pic.twitter.com/aWGhmFD6ik
『六人の超音波科学者』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) August 1, 2023
研究所で起きる事件は『すべてがFになる』を含めて森博嗣さんの真骨頂。一気に読めた。登場人物の最大のピンチもある。瀬在丸紅子が鮮やかな推理を披露するのだが、個人的にはコイツは嫌な女だなと思った。むしろ七夏推し。そろそろ林の下の名を教えてくれ。#読了 pic.twitter.com/ywpfRAwQhO
『捩れ屋敷の利鈍』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) August 11, 2023
面白かった!西之園萌絵と保呂草潤平の対決を含めて、それぞれのキャラが生き生きとしている。奇妙な建築物や密室など、よくもこれだけ大掛かりなトリックを思いつくものだなと感心した。冒頭の保呂草の独白が好み。ラストは意味深。林は出てこなかった。残念。#読了 pic.twitter.com/Z1IF4y0ySs
『朽ちる散る落ちる』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) August 13, 2023
一気に読んだ。前作の超音波研究所で起きた事件の続き。複数のピースがぱちりと嵌った伏線回収が見事。ダイナミックで大掛かりなトリックに驚愕した。登場人物たちのいびつともいえる個性、人間模様の描写と会話が鮮やか。紅子と七夏と林の三角関係が読ませる。#読了 pic.twitter.com/XJsDxrQOji
『赤緑黒白』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) August 19, 2023
後半300ページぐらい一気読み。カラフルな事件と絵画の盗難の物語。感動した。犯人は予想通りだったが、これがこう繋がるのか!というシリーズのみならず作品を横断する展開が凄すぎる。紫子さんがかわいそう。七夏は大活躍。林の下の名は、ついに分からずに終わった。#読了 pic.twitter.com/OilTYdJJOJ
百年シリーズ
『女王の百年密室』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) September 2, 2023
SF映画のノベライズのような凄い小説。終盤のハードボイルド&アクションにアドレナリン出た。そして明かされる真実。不老不死、神の存在、閉鎖的なコミュニティにおける統治と善悪、ロボットとの共生など、さまざまなテーマが取り上げられていて考えさせられた。#読了 pic.twitter.com/vRwfgKrABa
『迷宮百年の睡魔』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) October 2, 2023
なるほどーと終盤で考えさせられた。意識と身体の分離、生と死の境界、人間とテクノロジーの共生というテーマが描かれている。AIの機械学習について触れている箇所もあった。人格や意識を失う点で、死と眠りは似ているかもしれない。何となく全体が漫画風の物語。#読了 pic.twitter.com/upbmjRUV7Z
『赤目姫の潮解』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) October 8, 2023
ぜったいにおすすめはしないが好み。殺人事件が起きてトリックを暴くお決まりのミステリより、この作品の方が怖いし面白い。幻想的であり、人間の存在自体を危うくする畏怖があった。ただ、哲学的な意味では少し物足りない。解説なしのシュールな展開が最高にいい。#読了 pic.twitter.com/C3uceWIqPx
四季シリーズ
『四季 春』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) February 23, 2023
『すべてがFになる』に登場する天才科学者、真賀田四季が少女だった頃の物語。前半で単なるミステリ(この作家さんの特徴で音引なし)に展開するならつまらないなと思ったが、重層的な設定と詩的な哀切の表現を堪能できて満足。永遠の子ども、キルドレを思い起こした。#読了 pic.twitter.com/LEvQF9od8e
『四季 夏』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) March 3, 2023
四季シリーズの2作目。天才少女の真賀田四季13歳の物語。無邪気なのか計算なのか分からない行動が怖い。遊園地に行ったりドライブしたり奔放ゆえに彼女には常に危険がつきまとう。季節は夏にも関わらず暗いイメージがあった。ラストの鮮明な色彩と展開に衝撃を受けた。#読了 pic.twitter.com/FH5eII7b1v
『四季 秋』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) March 13, 2023
四季シリーズの3作目は、西之園萌絵の「成長」を描いた物語だと感じた。天才科学者の真賀田四季は、犀川をめぐる恋敵かつ母親の象徴として登場する。彼女の存在によって萌絵は嫉妬心や自分のエゴをみつめ直す。分かりやすい展開だが四季の不気味さが少し物足りない印象。#読了 pic.twitter.com/MEKXoUuZNu
『四季 冬』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) March 20, 2023
天才科学者の真賀田四季を描いたシリーズの完結編。物語の言葉を借りると、詩的表現や情景描写が「綺麗」な作品。生命や人間の存在について問う哲学でもある。ここ数か月リアルな世界では人工知能がめざましく進化した。四季のような構想はすぐに実現しそうな気がする。#読了 pic.twitter.com/nKZ9GFrRSA
Xシリーズ
『イナイ×イナイ』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) September 15, 2023
そうじゃないかな?と思っていた謎(登場人物関連)はエピローグで明かされ、やっぱりね!と思った。森博嗣作品を何冊も読んだせいか、さすがにミステリ自体のトリックはパターンが見えてきた。真空管アンプに熱くなる小川令子と芸大生の真鍋瞬市は、いいコンビ。#読了 pic.twitter.com/F4ULVZUo4P
『キラレ×キラレ』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) November 22, 2023
探偵見習いの小川が、切り裂き魔を追いかける。久し振りに著者の探偵小説を読み、読者を惑わせる伏線から緊迫するシーンまで展開が上手いな!と感動。人類の行く末を哲学的なエッセンスを交えながら描いたWシリーズが好きだけれど、これも楽しい。ラストはニヤリ。#読了 pic.twitter.com/N0WI2JMb0s
Wシリーズ
『彼女は一人で歩くのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) October 13, 2023
もしかすると森博嗣さんのシリーズの中では最も面白いかも。人工生命体と人類が共存する未来をめぐって研究者ハギリが狙われる。SFなのにルポルタージュを読んでいるような現実感と説得力がある。やっぱりこれが出てきたか!という展開。続きが気になる。#読了 pic.twitter.com/Lcp9Y0oI0r
『魔法の色を知っているか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) October 18, 2023
面白い!長寿命化の反面、子どもが生まれなくなりつつある近未来の物語。今回ハギリ博士は、チベットで行われる人工生命体のシンポジウムに招待される。AIの次に来るべき人工細胞の時代を先取りしたかのような設定で、考えさせられた。続きが気になる。#読了 pic.twitter.com/YYdwa5w00z
『風は青海を渡るのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) October 25, 2023
Wシリーズ3作目。人工生命体と人類の存在意義を問う近未来の物語。とても面白い!ただ薄いので、あっという間に1冊を読んでしまうのが難点。電子書籍の全10冊の合作版を見つけたが値段が高すぎて断念。ラストの少女の言葉に衝撃を受けた。続きが気になる。#読了 pic.twitter.com/WWdCRTtITi
『デボラ、眠っているのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) October 26, 2023
手にしたその日に一気に4時間で読了。超・面白かった!チップなどを埋め込んで機械化した人間が、分散型のプログラムとワイヤレスで直接対話できる世界が凄い。電子レベルの戦争にリアリティを感じた。登場人物たちの成長が楽しい。続きが気になる。#読了 pic.twitter.com/iWIHxN1M7H
『私たちは生きているのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) November 8, 2023
著者のWシリーズは近未来小説というスタイルを借りた思考実験のよう。この作品では究極の「頭脳」労働といえる働き方が描かれる。効率的かもしれないが幸福なのだろうか?いずれ実現しそうなリアリティで怖い。意識と身体について深く考えさせられた。#読了 pic.twitter.com/xDsfYW9zh1
『青白く輝く月を見たか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) December 4, 2023
素晴らしかった!個人的にWシリーズのベストかも?核弾頭ミサイルを搭載した潜水艦とともに、北極海の深度5,000メートルの海底に引き篭もった人工知能オーロラ。ハギリ博士とAIの優しい対話に感涙。人類と人工思考体の共生する未来に明るい希望が持てた。#読了 pic.twitter.com/C0iGrpz2SH
『ペガサスの解は虚栄か?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) December 9, 2023
親子の血縁関係をめぐるドラマ。ただし人工生命体が親なのか?が鍵。他の森博嗣さんのミステリを彷彿とさせる展開でありWシリーズとしては新鮮だった。今回の舞台はインド。それにしても世界中に女性AIが続々と登場して、ハギリ博士の身辺が賑やかすぎ。#読了 pic.twitter.com/hL552WWGxJ
『血か、死か、無か?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) December 13, 2023
終盤、シリーズ越えの伏線回収に溜息が出た。凄すぎる!森博嗣さんの頭のなかはいったいどうなっているのか。ただ他の作品を読んでいない場合は面白さが解らないかも。人工生命体のウォーカロン全史ともいえる内容。ふっと笑えるエピソードがあって楽しめた。#読了 pic.twitter.com/ehVwhVBHmm
『天空の矢はどこへ?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) December 22, 2023
Wシリーズ9冊目。登場する人工知能たちが人間らしくなり、ハギリ博士やウグイを含めて愛着感が増していく。今回はキガタ・サリノの活躍が凄い。彼女の特別なミッションには、手に汗を握った。哲学的で論理的なAIとの対話に魅力を感じる。著者の構想力に脱帽。#読了 pic.twitter.com/wpiybMOwUb
『人間のように泣いたのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) December 27, 2023
最高だった!未来のキョートを舞台に、ハギリ博士と彼を護衛する情報局のウグイによる、危機的な状況下における奇跡の対話。「この場所は?」とシチュエーションを考えて、にやりと笑ってしまう。ラストの思わせぶりなシーンもいい。人間っていいなあ。#読了 pic.twitter.com/f2Kp3AFfwp
WWシリーズ
『それでもデミアンは一人なのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) January 11, 2024
先生と呼ばれるグアトは別作品の彼、ロジとセリンは彼女たちだろうなと思った。シリーズを読んできたファンには楽しいが、この本からの読者は理解できないかも。内側と外側が反転する人工生命体のアイデアが面白い。人間の意識はどこにあるのか。#読了 pic.twitter.com/HkiexMVZyh
『神はいつ問われるのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) January 29, 2024
最高だった!ちょっと読むつもりが数時間で一気読み。ヴァーチャル空間を司る人工知能のために繰り広げる、逃亡のミッション。グアトの猜疑心が安堵に変わる終盤がよかった。西之園萌絵と同様に登場人物の女性はクルマ好き(ドイツ車?)。著者らしい。#読了 pic.twitter.com/AZz94juQZ2
『キャサリンはどのように子供を産んだのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) February 17, 2024
安定して楽しめた。後半のマトリョーシカと「展開」についての考察が興味深い。ただマガタ博士の登場や危機的な戦闘シーンは、他の作品で見たことがあったかも?という既視感が強い。そこが読みどころなのかもしれない。今後に期待。#読了 pic.twitter.com/LH1J5KT0tf
『幽霊を創出したのは誰か?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) March 4, 2024
WWシリーズの中では最も森ミステリィらしい作品。テクノロジによるアリバイとすり替え、人生のほろ苦さと切なさ、数学と哲学。「思考が物体になる」という発想が面白かった。グアトとロジのようにサンドウィッチを持ってピクニックもいいかもしれない。#読了 pic.twitter.com/Rq13C22tzD
『君たちは絶滅危惧種なのか?』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) April 25, 2024
人工生命体が登場し、リアルとヴァーチャルが錯綜するシリーズ5作目。今回の舞台は、動物園や水族館のある自然公園。毎度のことながら、グアトとロジが事件に巻き込まれる。ラストのミッションはスピード感があり、手に汗を握った。安定した面白さ!#読了 pic.twitter.com/zgQUgZ7UeQ
短編集・その他
『まどろみ消去』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) June 7, 2023
とがった短編集。学術的な専門用語を使い、幻想文学風な作品もあるけれど、ぐいぐい読ませる。完成度が高い。大学のキャンパスを舞台にした物語が素晴らしい。最後の「キシマ先生の静かな生活」はじーんと沁みた。涙が滲んだ。ミステリィじゃない作風の小説が好み。#読了 pic.twitter.com/i4X4QTTLmW
『地球儀のスライス』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) June 11, 2023
学生の頃にはお金はなかったが暇はあったので、ただひたすら歩くことがあった。だから「僕は秋子に借りがある」のような歩き続ける小説は好み。村上春樹さんの「ノルウェイの森」を思い出した。こころに沁みた。インドの石塔、マン島の三本脚の話が面白かった。#読了 pic.twitter.com/1fIBccLLfr
『少し変わった子あります』森博嗣 著
— Bw (@BirdWing09) March 26, 2024
斬新な印象。主人公は大学教授。彼は失踪した同僚から謎の料亭を紹介される。毎回場所が変わり、異なる若い女性が相伴してくれる。どの子も食事の所作が美しい。ただし、その場限りでおしまい。官能的でもあり寂しさが漂う。形而上的な考察も絶妙だった。#読了 pic.twitter.com/hZCAwUThNS
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