【シカゴでバードウォッチング!】 Hooded Merganser オウギアイサ
寒い冬のシカゴの鳥について書こうと思うと、やはり水鳥になります。今回は北米に生息するMerganser三種の中で一番小さい種類であるHooded Merganser (オウギアイサ)についてです。他の二種は、Common Merganser (カワアイサ)とRed-Breasted Merganser (ウミアイサ
、https://note.com/birds_in_chicago/n/na59a14de68df 参照)です。
Hooded Merganser (オウギアイサ)は、日本では1997年に北海道で一例見られた記録があるだけだそうです。
この鳥の特徴は、なんといっても頭の形を横から見た時の奇異さにあると言えるでしょう。とても小さい体に比して頭部が異様に大きく見えます。雌雄とも、額が垂直に切り立っていて、後頭部がかなり突き出ているように見えるのは密集している冠羽のせいですが、その飛び出た後頭部を見て、英語ではフードを被っている (hooded)ようだと言い、日本語では扇を開いたようだと言って、それぞれの名前にしました。
9月から6月ごろの雄は、白黒の立派な冠羽が目立ちます。頭、顔、頸部は真っ黒で、目の後方に大きくて白い斑があり、白い胸に黒い帯が二本入っていて、背部は黒で白い筋が何本かあり、腹部は赤茶色です。そして、目が黄色く、嘴は黒くて長いです。正面から顔を見ると、後頭部の突き出た大きさとは全く違って、幅が細くてユーモラスな感じです。
雌は、目の色が雄と違って褐色で、嘴も黄褐色です。全体的に身体は灰褐色で、頭部の膨らみは雄と比べると小さいですが、とてもエレガントで長い薄褐色の冠羽があります。なんだか昔の貴婦人が鳥の羽がついた帽子をかぶってすましているように見えませんか。
雄は、7月と8月ごろに雌に似たような色になりますが、目が黄色いのは変わりませんから、判別はしやすいです。
雄の求愛行動は、頸を長くしたり短くしたり、白黒の立派な冠羽を揺すったり、体を後ろに反らせたり、蛙のような声を出したりしていておかしくもあり健気でもあります。お時間があったら、この動画をご覧ください。
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